風鈴の音色が流れたら。

本日の一曲をメインに、本やらアートやらの紹介を淡々と書き記そうかと。要は趣味の話です。

ザ・クロマニヨンズ エイトビート THE CRO-MAGNONS

2008-08-04 22:44:03 | この1曲
ザ・クロマニヨンズ エイトビート THE CRO-MAGNONS



「ただ生きる 生きてやる
 呼吸を止めてなるものか
 エイトビート エイトビート」


 40過ぎてもこんな言葉を吐ける大人になりたい。

UKロックのリアリティ

2008-07-06 23:30:59 | コラム
今週は21世紀以降のイギリス・ロックを取り扱いましたが、
そこに共通するものは「表現のリアリティ」というものの比重の大きさなのかな、と。

労働者階級という明確なアイデンティティを有するハード・ファイや、
10代の市井の目線から情景を言葉にするアークティック・モンキーズ。
また、ハドーケンは先進資本主義国における若者特有の「No FUteure」な感覚を見事に音と言葉に照応させている。
そして、このようなリアルな表現の全ての先導者たりえたリバティーンズ。

イギリスの音楽シーンを見ていて羨ましくなるのが、こういう「リアル」な表現がちゃんとメディアで放送され、売れているという事。
だって、日本のメディアから流れる音楽、売れている音楽って、
糞アイドルや頭の悪いシンガー達が、
自意識を撒き散らすかの様な自分の内面を書きつづった歌詞や、
傍から見て愚かとしか言いようの内くだらない恋愛模様ばっかり書いていて、
とにかく、何一つ「リアル」じゃないんですよ。
嘘くさい希望を表現することこそ、罪なものはないんだから。

てかさ、日本もこんなけ不況とか、増税とか、治安悪化とか、
景気の悪いニュースが出ているんだから、
もうちょっと現実に足をつけて、
しかもそれを面白おかしくし立てた(これ重要)
歌詞を歌うバンドがTVで流れててもいーんじゃないかね。


さて、今週のテーマは…明日考えます。

Hadouken! - That Boy That Girl promo vid...

2008-07-03 21:20:46 | この1曲
Hadouken! - That Boy That Girl promo video


21世紀のUKロック、今日の1曲は先月1stアルバムを発売したばかりのHadouken!
ええ、波動拳です。

してその音楽性は、チープなシンセの音色が特徴的なエレクトロガレージ。
やさぐれ感満載な感じが溜まりませんわ。

それにしても、彼らが発してる「先進国に生まれた今の世代」感は何だろう。
これ、日本でかなりヒットするかも。

Arctic Monkeys - Live on Joos Holland

2008-07-02 21:48:59 | この1曲
Arctic Monkeys-
I Bet You Look Good On The Dancefloor
When The Sun Goes Down
From The Ritz To The Rubble



21世紀のイギリス・ロック、今日は「10年に一人の天才新人」こと、
アークティック・モンキーズ。

いや、何か凄く悔しいんだよね。

このカッティングを聞かせるリズム重視のギター、
低くうねるベース、
アタック感重視のドラム、
ヒップホップの影響を受けた節回し、
そしてリアルかつ内面描写豊かな歌詞。

だってさ、「自分がバンドをやるとしたら、
こんな音楽をやってみたい」
と思っていたエッセンスが全て入ってるんだもん。

悔しいなぁ。

気を取り直して、動画は有名なTVに出演した時の3曲を。
ちなみに収録された1stアルバムのタイトルは
「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」
皆が俺について何か言ってるみたいだけど、
どいつもこいつも間違ってるぜ、って事。

Hard Fi - Cash Machine

2008-07-01 23:37:40 | この1曲
Hard Fi - Cash Machine




21世紀のイギリス・ロック、今日の1曲はハード・ファイ。
彼らの描く世界観は、イギリスの労働者階級の現実をリアルに描く。
「ギリギリの磨り減っていくような生活は楽じゃないよ、
 ローンがやばいから友達に電話しないと、
 キセル乗車しようと思ったらしっかり駅員に見張られてるし。
 え、彼女が妊娠テストで陽性反応!?
 キャッシュマシンで金を下ろそうと思えば
 『金無しが予定なんか立てるな』だって、やってらんねえぜ!」

大体こんな感じのことを歌ってます。

そして曲調もクラッシュ直系のレゲエ/ディスコ・パンク・ミュージック。
いやー、まさにゴロツキの音楽。痺れる。

ちなみにPVはいかにも手作りな感じのチープVer.と、
「I'm working for the cash machine(キャッシュマシンの為に働く)」
という歌詞に引っ掛けた金がかかってるVer.の両方を。

個人的には、彼らのイメージそのままの金かかってないVer.の方が好きなんだよなー。


The Libertines - Time For Heroes (TOTP)

2008-06-30 20:57:44 | この1曲
The Libertines - Time For Heroes (TOTP)


2000年以降のイギリスのシーンを形作ったバンド、それは間違いなくこのリバティーンズだろう。
とは言え、ノスタルジックな甘いメロディを荒い演奏で叩きつけるスタイル自体には、決して定評があったわけではない。

とはいえ、彼らの最大の魅力はその歌詞であり、アチチュード。
何せ、「time for heroes(英雄の時代)」というタイトルの曲で
「結局、どんなシーンであろうといつか必ず風化されてしまう」と皮肉り、
「野球帽を被った(アメリカ被れの)英国人ほど惨めなものはない」
なんて歌詞を乗せるのだから。

また、小汚いロンドンのシーンから出てきた彼らは、
ゲリラライブやライブハウス以外の場所でも積極的に演奏を行っていき、
それが結果的にイギリスに未曾有のバンドブームをもたらした。


アメリカン・ロックは誰のもの?

2008-06-29 21:08:48 | コラム
せっかく特集としてアメリカン・ロックについて扱ったなら、
それについて私見でも述べようかと。

さて、今回4つのアーティストを取り上げたけど、
アメリカのロックについてその特徴を述べるならそれは極めて
「白人主導」になっている傾向があるんじゃないかと。

実際、アメリカでのヒップホップは多くが黒人アーティストで、
ロックは白人主導、みたいな二分化がより顕著になってきている。

んで、更に言っちゃえばそのそれぞれの人種別に、
「勝ち組を対象とした音楽」-「負け組みを対象とした音楽」
みたいな分化が更にあるような気がする訳よ。

これはアメリカの文化を如実に表しているなーと思ってて、
やはりアメリカは今でも人種差別の名残が慣例的に残っている土地柄だし、
また超が着くほどの競争社会で、貧富の固定化がいっそう進んでいけば
音楽のマーケットもそれに対応して二極化していくのが自然というもの。

でもロックンロールというものは元々、
黒人のリズム&ブルースと、
白人のカントリー&ウェスタンが融合する事によって生み出されたもの。
いわば、ロックンロールはその生い立ちからして混血児であり、雑種であるものだったはずなんだ。

にもかかわらず、アメリカの状勢を反映するかのように、
それが白人優位的なものになり、
階層別に分化されたものになるのは、とても悲しいことだと思う。



さて。
気を取り直して、今週の特集は
「21世紀以降のイギリス・ロック」を見ていきたいと思います。
では。

Andrew W.K. - Party Hard

2008-06-26 23:18:39 | この1曲
Andrew WK - Party Hard


アメリカンロック特集、ふと思ったけど皆アメリカ人にどんなイメージ持ってる?
ほら、やたら体格がマッチョとか、
無駄にポジティヴそうとか、
頭悪そうとか(超偏見)。

でも、今日紹介するAndrew W.K.は、いい意味でそんな偏見を一手に引き受けるようなバンド。
脳みそツルッツルのパーティ・ハード・ロック。
わかりやすいなー。

普通、こういうハードロックって音がベタッとしがちなんだけど、
極限まで音を丸く加工したギターの鳴りにや、
ひたすら四つ打ちを繰り返すシンプルなドラム、
そして曲の中心にピアノを置く事で見事に曲が跳ねまくってます。
いやー、ロックンロールはこの跳ねる感じが大事なんですよ。

また、彼らの曲はタイトルもシンプル&馬鹿。
訳して書けば「パーティーの時間だ!」「彼女はサイコー」「吐くまでパーティ」
ちなみにこの曲が収録されている1stALのタイトルは「I get wet」
「汗かくぜ!」ですね。
うん、馬鹿だ。

追記:なぜかPVの方をブログでのせようとするとエラーが出るので、PVを見たい人はこちら。
http://jp.youtube.com/watch?v=cuw7tcftAoU&feature=related

The White Stripes

2008-06-25 23:07:29 | この1曲
The White Stripes-Seven Nation Army


アメリカン・ロック特集、今日は「鬼才」ジャック・ホワイト率いるホワイト・ストライプス。

分類としては、昨日のブライト・アイズでも触れた、カントリーやブルーズといった土臭いアロックを、
ざらついたガレージ・マナーで演奏していくスタイルです。

彼らの特徴は、なんといってもメンバーが2人という特異性。
それゆえ最小限の音数による曲の構成がなされているんだけど、
音の抜き差しや作り方が以上なほど作りこまれていて、
聞き様によってはテクノの様なダンス・ミュージックに聞こえなくも…俺だけ?

とにかく、レトロなロックを、そのままのフォルムのまま
現代の感覚にアップデートする才能には下を巻くばかり。


なお、今日の1曲が収録されている「Elephant」は、彼らの評価を不動のものとした4thアルバム。
1曲目からファットなバスドラ&オクターブ・チューンでベースの音そのもののギターの単音によるイントロでインパクト大な同曲で始まり、
気が触れたかの様なギター・リフで押し切る2曲目、
そして「クイーンですか?」と突っ込みたくなるような3曲目といった一連の流れは、
一度は体験しておいた方がいい、かも。

Old Soul Song  - Bright Eyes

2008-06-24 22:38:47 | この1曲
"Old Soul Song (For the New World Order)" -- Bright Eyes


(Live)Old Soul Song in Hollywood Bowl 2007




アメリカン・ロック特集、第2回は「21世紀のボブ・ディラン」との呼び名も高い、コナー・オバーストが率いるブライト・アイズ。

昨日は音量高めのハードロックを紹介しましたが、
アメリカのロックというのはもう一つの側面を持っていて、
それはフォーク&カントリーを経由した土臭い匂いのするロック。
わかりやすい象徴としてはボブ・ディランなんかをイメージしてくれればと。

で、そんな流れにこのブライト・アイズも位置するんだど、
何より素晴しいのはコナーの声と歌詞。
「傷ついた天使のようだ」とも評される彼は、
世界に対して怒りを向けながらも、
同時に自らの無力感に対して逃れられないままでいることを、
あるがままに吐き出している。

「ぼくは新聞を読んで戦死者の数を知った/その数が今では僕の顔中いっぱいに刻まれている(Road to Joy)」
「自分自身が取るに足らない人間だってわかったから/僕は幸せなんだ(At The Bottom of Everything)」
「自ら抱いている恐怖を見つけ出ししっかり向き合うようにしよう/それとの犬のように縮こまろうか(Another Travellin' Song)」

いや、アメリカってどうしても粗野なイメージがつきまとうんだけど、
時々彼のような、どこまでも繊細なのに力強いアーティストが出てくるから凄い。

イントロの優しい調べだけで鳥肌もののCD版と、
力強さを携えたライブ版、両方合わせて。

ちなみに収録アルバムは「I'm Wide Awake, It's Morning」
彼の表現には、痛みや苛立ちこそあれど、
そこに嘘や軽薄さは何一つ込められていない。
聞こう。