未来組

宝塚の舞台、DVD、SKYSTAGEを観た感想と、最近はカメラに凝ってます。

ヒラフ、恵庭渓谷、えこりん村

2008年09月29日 | 旅行・絵日記

朝方は雨。ゆっくりチェックアウトしてグラン・ヒラフのサマーゴンドラに乗りました。グラン・ヒラフはニセコ最大のスキー場で、アンヌプリの東側斜面に高低差940メートルの超ビッグなゲレンデが広がります。東洋のサンモリッツと呼ばれる程。ゴンドラに乗る前は曇っていましたが、中腹のレストハウスで休憩する頃には雲が切れてきました。レストハウス前から山頂まで続くリフトを見上げたところ。オフシーズンなのでリフトは動いていません。

レストハウスから眺める羊蹄山。まだ朝方の雨雲が残っています。

ゴンドラを使わず、歩いて下山しました。小石がゴロゴロしているので、スニーカーだと足もとが滑って大変でした。斜面はところどころかなり急になります。ここをスキーで滑り降りるなんて・・・考えただけで足がすくみます。

秋空が広がり、すすきの穂が風に揺れます。

下山の途中で、羊蹄山の山頂にかかっていた雲は流れていきました。麓の街は、アジアやオーストラリア、欧米からの観光客を受け入れる国際リゾート化が進んでいます。シーズン中はオージーで溢れかえり、日本とは思えないとか。

ゴンドラの出発点に戻ってきました。



恵庭渓谷には3つ滝があり、これは白扇の滝。紅葉の頃はさぞかしきれいでしょうね。

恵庭の「えこりん村」。広大な牧草地に牛や羊、馬などたくさんの動物が飼育されています。ちょうど夕方だったので、羊も牛もせっせと食事中でした。





ひと粒の種から1万個のトマトの収穫を目指す「とまとの森」。水耕栽培で、害虫や細菌の侵入を防ぎ、栄養、日照、温度や湿度のバランスに気を配るなど、さまざまなストレスを取り除いて本来の生命力を存分に発揮させることで、温室の天井いっぱいに茂るまでに成長するそうです。去年の11月に栽培をはじめ、9月下旬現在、実ったトマトは9100個を数えるそうです。

温室の中は、1本のトマトの苗が生い茂ってさながらジャングル。カウンターのように見える木の囲いの中は水槽。この中でトマトは根を思いっきり伸ばしています。暑い夏は牛乳パック280本分(カウンター前に見本展示)の水を吸うそうです。扇風機で室内の空気をかきまわして温度を調整しています。

水槽から伸びた幹は太くたくましい。モーツァルトなどのクラシック音楽を聴かせているそうです。誉めてあげるとよく育つとか。

イギリスの庭園風。さまざまな種類の薔薇の苗が売られていました。ガーデニング用品が何でも揃い、庭いじりをする人なら一日いても飽きません。

とぼけたブリキの農夫。

トラクターも絵になる。

ハロウィーンらしくかぼちゃのモチーフがいたるところに見られました。どこか懐かしくて、ほのぼのとした雰囲気に癒されます。時間がなくて銀河庭園、レストラン、馬の牧場に寄れなかったのが残念でした。
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ニセコ、五色温泉、神仙沼

2008年09月27日 | 旅行・絵日記

朝から快晴! 宿泊したニセコノーザンリゾートアンヌプリは部屋もゆったりしてお食事もおいしく、快適でした。装飾も木の温もりと、都会的で無機質なガラスやスチール、個性の強い絨毯などが不思議にマッチ。因みに温泉掘削のため大浴場は閉鎖中。おかげで格安で宿泊できました。一面銀世界になるスキーシーズンには大浴場もオープンして、さらに賑わうのでしょうね。(いこいの村のお風呂を使いましたが、いいお湯でした)

朝の光を浴びる優美なニセコアンヌプリ。

山肌むき出しのニセコ山系歩道。

ニセコアンヌプリとイワヌプリに挟まれた谷あいの五色温泉郷には去年寄りました。歩道からお風呂が丸見えですね(笑)

ニセコ東急ゴルフリゾートでゴルフの真似ごと。

羊蹄山を臨む景色が素晴らしく、歩くだけで清々しい。

スコアを気にせず自分のペースで回って、いい運動になりました。



海抜700メートルにある大谷地湿原。

国有林神仙沼の入り口。こちらも海抜750メートル以上。湿原の上を木の遊歩道が神仙沼まで続いています。

赤く色づくウルシ。入ってすぐのところにあるので目につきます。

少しずつ紅葉が進んでいて、錦絵のよう。







目的の神仙沼。お天気の良い日は湖面に木や空が鏡のように映るのですが、曇ってしまって残念。

雲のかかった羊蹄山。休憩所で買った草もちがおいしかったです。

帰りの林道でキタキツネに遭遇。餌をほしくて車に近づいてきます。あんまり人間に慣れすぎるのも、考え物ですね。
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秋のオコタン野営場、樽前山、支笏湖

2008年09月27日 | 旅行・絵日記

9月の飛び石連休を利用して北海道旅行。紅葉には早いけれど、季節の移ろいを実感しました。まず支笏樽前エリアのオコタンぺ湖。恵庭岳の噴火で堰きとめられ、人が降りることのできない、北海道三大秘湖の一つ。水の色は天候によってコバルトブルーにもエメラルドグリーンにも見えます。この日は風でさざ波が立ち、若干クリーミーなブルーでした。
 

 
支笏湖畔のオコタン野営場。俗化されていなくて、懐かしい昭和の香りがします。



支笏湖にそそぐオコタンペ川。河口のせせらぎは清々しくて奥入瀬のよう。 
 


ひっそりとした佇まいの支笏湖。去りゆく夏を惜しむように、キャンプや釣りを楽しむ家族連れで賑わいを見せていました(風景しか写していませんが)。

樽前山の登山にトライ。7合目まで車で行けるのでわたしのような初心者でも楽しめます。7合目上の展望台から支笏湖を臨む。昼前はあいにくの曇り空でした。晴れていれば羊蹄山まで見渡せます。

右手に見えるのは風不死岳(ふっぷしだけ)。

登山道は整備されていますが、軽石なので足元はかなり滑ります。

花崗岩の上にしっかり根を張る可憐な高山植物。

雲海を見下ろす高さ。

「東山」「西山」の表示。

「樽前山」

樽前山は標高1041メートル。山頂は珍しい溶岩ドームで、今も活発に火山活動をしているために近寄ることができません。外輪山の東山または西山が登山の最終地点になります。

外輪山の西山

下山する頃には青空が広がっていました。




静寂に包まれた支笏湖。透明な空と湖面と流木のハーモニーは幻想的。心の底から癒されます。
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グレート・ギャツビー

2008年09月09日 | 舞台感想(2007~2009年)
~F・スコット・フィッツジェラルド作 “The Great Gatsby”より~
月組日生劇場公演
2008年9月7日 15:30~
脚本・演出:小池修一郎/主演:瀬奈じゅん、城咲あい他

 20世紀アメリカ文学の最高傑作の一つと言われるスコット・フィッツジェラルドの「The Great Gatsby」を原作にしたミュージカル。身分の違いと戦争に引き裂かれた若き恋人たち。育ちが卑しいと侮辱されたジェイは、帰国後、女性に相応しい男になるためにひたすらに努力し、危険なビジネスに手を染めてまで富を手に入れ、デイジーと再会する日を待ちわびていました。デイジーは二度と恋などしない、自分の考えを持たずに決められたレールの上を歩き、平凡な結婚生活を送ろうと決意。富豪トムを夫に選びますが、彼の浮気が結婚生活に影を落としていました。
 そしてついにジェイが夢に描いた再会の日。5年の歳月を経て、二人は愛を確かめあいますが、再会と同時に運命の歯車は狂いだしていて…
 どんなに努力しても幸せをつかむことができなかったジェイの切なく苦しく、空しくも尊い(ベルばらか?)生き方は、アメリカンドリームが幻想と化し、ロストジェネレーションと呼ばれた世代の精神性にあっていたのかもしれません。また見事に散りゆく者に男の美学を見いだす日本人の情緒、とくに宝塚の舞台にはぴったりの題材と言えるかも。恋に落ちた二人が自分の夢を歌う回想シーン。その純真さ、この先二人を待ち受けている残酷な運命を思うと涙があふれました。

 オフホワイトのスリーピースに帽子、白いエナメルの靴。暗黒街に通じ、禁酒法時代に酒の売買で財をなしたジェイ(瀬奈じゅん)。人妻となったデイジーが暮らすブキャナン邸を対岸から毎日見つめています(ストーカーか?)。突堤にたたずむ後姿がポスターにもありましたが、孤独な生き方を象徴しています。
 瀬奈じゅんは、前作「ミー・アンド・マイ・ガール」のビルとは正反対。語らず、動かず(踊るけど)、表現しすぎず、抑えた演技。発散するのはデイジーの前でワードローブから豊かさの象徴である外国製のワイシャツを投げ散らかす時だけです。宝塚の様式美である、クリーンで気障で、華やかで超格好いい男役像を魅力的に演じていました。(これだけ若くて格好良ければ、多少貧乏でもオッケーかも?)

 原作を愛する文学少女や、ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー主演の映画「華麗なるギャツビー」ファンも多いことでしょう。91年に杜けあき主演で上演された雪組公演「華麗なるギャツビー」(1時間半の大劇場版)を観た方も。ジェイの求めたものはなんだったのか? デイジーなのか? 上流社会の成功なのか? 読者または観客がどのライフステージでこの作品に接するかによって印象は異なるはず。原作を読んでおらず、昔見た映画もおぼろげにしか覚えていないわたしには、小池修一郎の描こうとしたジェイしかはっきりわかりませんが、一途にデイジーの愛を得ようとする男の純情が描かれていました。きっとジェイは自分の生き方を後悔はしないでしょう。デイジーに誠を捧げた人生は、本望だったのではないでしょうか。

 デイジーを城咲あい。悲劇的結末を迎えるヒロイン像がよくはまります。デイジーは少女の頃の心の傷を必死で隠し、周囲の期待に応えようとし、夫の浮気も見て見ぬふりをして耐えています。ジェイとの再会に動揺し、ジェイとやり直そうと思いつつも、娘を捨てることはできません。
 原作ではデイジーはわがままでエキセントリックな女。映画では何一つ自分で決められないほど軽薄で脆い。宝塚では、ヒロイン像が宝塚的でないという理由で2度却下されたそうですが、愚鈍でドライを装いながらも純な部分を残しているという肉づけが絶妙なのではないでしょうか。お墓のシーンは宝塚オリジナルですが、デイジーの造形は原作以上にデイジーらしい。そして城咲あいの歌唱力が格段の進歩を見せていて驚きました。

 田舎から出てきた純朴な青年ニックを遼河はるひ。上流階級やマフィアなど、一筋縄ではいかない登場人物の中で、普通の感覚を持った彼の視点で物語は進展します。遼河はるひは身長があり、目鼻立ちがはっきりして低音がよく通ります。悪役が似合う存在感のある役者なので、普通の青年を演じるにはアクが強かったかもしれません。
 一方、デイジーの旦那トムは、筋肉フェチで脳みそも筋肉? 演じる青樹泉が浮気をするような自分勝手な男に見えないのが玉に瑕。演出側も、役者にいつもとは違う役に挑戦させたいでしょうし、序列があるので仕方ないのですが、ニックとトムは逆の方がよかったと思います。
 暗黒街の顔役、マイヤーを越乃リュウ。あれだけ大げさにねっとりと演じてくれると観ていて気持ちいいし、演じている方も男役冥利に尽きるでしょう。むさ苦しい子分を引き連れた男くさいダンスがツボにはまります。
 プロゴルファーで進歩的な女ジョーダンを涼城まりな。小柄で華奢なのでスポーツ選手にはどうしても見えなかった。ゴルフのスイングも一番心もとなかったかも? この役は男役が演じても面白かったかもしれません。
 舞台上に何十人もが所狭しと並んでゴルフ・スイングをするダンスシーンは、ぶつかりはしないかと冷や冷やしました。八百長の噂の付きまとうジョーダンがボールの位置をごまかしたり、遼河はるひの空振りもおかしかった。
 トムの愛人マートルを憧花ゆりの。甲高い声で自分勝手な嘘ばかりついて、いいところのないマートルですが、テーブルの上に横座りになって歌う姿は華奢で、可愛く思う旦那の気持ちがわかったような?
 マートルの旦那でガソリンスタンド経営者のジョージを磯野千尋。つなぎで髪はボサボサで顔は煤だらけ。どう見たって不釣り合いな二人です。でも心からマートルを愛していたんですよね。
 最後に登場するジェイの父親を汝鳥怜(二役)。家を訪ねてくれと誘われたけれど気が引けて来られなかったという素朴さ、息子の日記を読むシーンは泣けました。

 生のオーケストラはやはりいい。気持ちを乗せた歌でミュージカルを構成するのは小池修一郎の十八番。難を言えば、初演にはなかった「神の眼」、断罪と懺悔の歌のシーンが若干冗長だったかもしれません。最後にショーをつけてもよかったのではないかと思います。
 私が観に行ったとき、1幕で青い車が止まってしまってハラハラしました。(何食わぬ顔で乗り捨てて歩き去る青樹泉に、客席からは笑いが…)青い車と黄色い車はとても重要で、2台が舞台上に登場しないと話になりません。2幕では予定どおりに動いてくれてほっとしました。

 ところで91年の「華麗なるギャツビー」をNHK BS放送を録画したビデオで観ました。主演の杜けあきは、ジェイを演じていたのではなく、ジェイそのものでした。そのものと言って、ジェイを見たことはありませんし、決して丸顔でふっくらした唇はしていないでしょうけれど、“暗闇を這いつくばって生きてきた”という歌のリアリティ。苦み走った男の陰影。フィッツジェラルドの著作権を管理しているご夫妻が“ロバート・レッドフォードよりずっとよかった”と仰ったそうですが、さもありなん。
 デイジーを演じた鮎ゆうきも確かに美しい。ニックを一路真輝。美青年に違いは無いけれど、普通っぽさが感じられて共感できます。トムを悪役担当の海峡ひろき。暗黒街の顔役マイヤーを美人の高嶺ふぶきが、素顔がわからないくらいの大変身で演じていました。そのほかにも轟悠、香寿たつき、和央ようか、純名理紗など、ため息の出るほど豪華で重厚な役者陣。宝塚と言わなければ普通の芝居として観られるほどの出来栄えでした。

 権利の問題など難しいのかもしれませんが、宝塚の名作として「風と共に去りぬ」程度には再演を重ねてほしい。次はだれがジェイとデイジーを演じるのかな~と妄想を抱かせてほしいものです。 
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