あじさい ７

＊　＊　＊

夕暮れ、大雨の中、両手で傘を持ち駅までの道を歩く。
ジーンズの裾はコンクリートに溜まった雨がしみ込んでくる。
横断歩道手前で立ち止まり、信号が青になるのを待つ。
雨のにおいがする。木の湿ったにおい。
今日はなんだか強いなあ。

地下鉄のホームで電車を待っていると、電車が雨のにおいを
つれてホームに入ってきた。

夜帰る途中、地上に出る階段の上に大勢の人がいる。
どしゃ降りの雨に傘を持っていても歩み出ることにためらっている。
私は立ち止まらない。
夕暮れ時に雨のにおいが強くした場所にさしかかっても雨のにおいは
しなかった。

あじさい ６

＊　＊　＊

所用でおでかけ。ちょっと便の悪いところ。
行きは乗換案内で電車・バスの時刻を調べて行ったものの
帰りは何時になるか分からない。行き当たりばったり。
ま、のんびり帰りましょ。
バス停から見下ろせる川にカメを発見！
スイー。スイー。そう早くもない川の流れに沿って泳ぐ。
そのとき知ったこと。
カメは右手と左足を同時にひとかき、左手と右足を同時に
ひとかきして泳ぐ！ほぉ～、そうやって泳ぐのかあ。
見惚れながらも、なんで一匹なんだろうと考えていると、もう
一匹カメが泳いできた。同じく右手と左足を同時にひとかき
左手と右足を同時にひとかきさせて。先のカメと違う点は
なぜかこのカメ斜めに泳いでた。
ずっと眺めていると、川のところどころに大きな石が水面に
出ていて、その石の上に石の色そっくりな色の甲羅のカメが
あちこちに乗っている。黒っぽい石の上には黒っぽい甲羅のカメ
グレーっぽい石の上にはグレーっぽい甲羅のカメ。
あれかなあ、カメ同士助け合って「あんたの甲羅の色やったら
あっちの石の上におったほうが襲われにくいで。」とか何とか
やりとりが、、、
そんなこんなで１時間に２本、時間帯によっては１時間に１本しか
ないバスがやってきた。

あじさい ５

＊　＊　＊


テレビで。アフリカの一国（確かウガンダだったと思う）ではエイズが蔓延し
両親をエイズで亡くした子供たちがたくさんいて、キリスト教の団体が村を
作り、その子達の面倒を看ているという。

その子達の数名が日本を訪れていて、日本の同じ年頃の男の子に
インタビューを受ける。「村で楽しいことは？」と聞かれ
「教会に行けること、学校に行けること、兄弟と一緒に暮らせること」
そう答えていた。

後でこの話を人に話すとき、声が震えた。

あじさい ４

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（藤森神社　紫陽花苑）

だから君はとぶんだ。

＊　＊　＊

夕方、電器店の前を通ろうとすると、店内にあるテレビにバイキンマンが
映っている。アンパンマンやってるー。
そのまま素通りすることはできない。できるもんか。
自転車にまたがったまま観る。
店の外なので音声は聞こえない。
バイキンマンとゾウのおそらく男の子がかけっこをしている。
ドキンちゃんの応援に応え、バイキンマンがゾウ君を抜かしたとき
ゾウ君が転びそうになった。ゴールは目前。
ああっ！バイキンマンの勝利か！！
そのときなんとゾウ君はその長ーい鼻で地面を蹴ってゴールまで跳んだ。
そして鼻先でゴールテープを切り、バイキンマンを破った。

やなせたかしさんはすごいなあ。

予報はハズレ。

＊　＊　＊

日曜日は大雨、雷を伴うほどの天気になると聞いていたので
よし、ひきこもりだ。とＤＶＤをレンタル。

晴れた日曜日。窓とカーテンを閉め一人見るのは「茶の味」
ふふ。ギャハハ。じーん。。。

ＤＶＤを見た後は窓を開け、寝転んで本を読む。
途中で寝てしまう。
窓の外からは男の子ふたりの遊ぶ声。
その声は５時を過ぎるころには聞こえなくなった。

あじさい ３

＊　＊　＊


うちで梅干を漬けたい。漬けてみたい。
ネックなのは私が梅干をそう好きではないこと。

あじさい ２

雨上がりの午後。
脇道で紫陽花を発見。
頭の中の紫陽花マップが書き加えられてゆく。

あじさい １

春、花巡りした場所へ梅雨、紫陽花を訪ねる。
桜から紫陽花へ。
季節と共にスポットライトが移動した。

世話係。

朝顔の種を貰い（私）、鉢植えに蒔き（母）、めでたく芽が出たので写真を撮る（私）。
これからも水やり宜しくお願いします。母へ。


＊　＊　＊

梅雨の合間の晴れ。
家の前の植木をちょっきんちょっきん。
やたらと声を掛けられる。
知ってる人にも知らない人にも。



たまに家のことをやるとこの有様。
右腕にかすり傷。
見てもらいたくて左手で必死になって撮る。