コルクのぶらぶら日記 

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立花隆 は知の巨人なの? 原発をめぐる意見

2011-08-28 08:31:39 | 日記
 今発売中の週刊文春(9月1日号)の「私の読書日記」で立花隆が脱原発の動きについて書いています。
僕は彼のように年季の入った「知の巨人」ではないので、あくまでも生活者の立場からコラムを書く人間として異論を唱えておきますね。

 まず、彼は「原発」と「原爆」は「客観的にいって」まったく別物であるのに、最近の議論はこういった区別を忘れて核をすべて邪悪なものだと決めつけていると述べ、そしてこう続けています。引用しますね。

 核をアプリオリに(注:「経験とは無関係に」といった意味の哲学用語なんだけど、多分、彼は「深い考えもなしに」といった程度の意味でつかっています)邪悪なもの視する人々は、核は人間にコントロール不可能なものと思い込んでいる。フクシマがそれを証明したと思っている。しかし、フクシマで起きたことは、第一世代第二世代の古い原発にマグニチュード9.0という史上未曽有の災害が襲いかかったときに起きたことで現代の最先端の原発(いま第三世代まできている)では決して決して起こりえないことがすぐ分かる。いまの原発では、フクシマの悲劇の最大のもとになった水素爆発が絶対におこらない(水素が発生したとたん触媒によって酸素と結合させられ、H2Oになってしまう)。フクシマの悲劇をもたらした全電源喪失メルトダウンも絶対おこらない(電源なしでも冷却継続)。いまの日本の原発議論は、驚くほど時代遅れの内容になっている。
 
さて、僕としての彼へのツッコミどころは以下のような感じです。

①そもそも福島で「想定外」という発言が当事者たる東京電力から出てきた時点で、核は人間にはコントロール不可能だということが証明されてしまったんじゃないんですか?(だって想定できないものをどうやってコントロールするのさ?)
②立花隆は新しいタイプの原子炉では福島型の事故は「絶対」におこらないと言っているけれど、そもそも今までだって、原発が爆発したり、格納容器が破損してプルトニウムが外に飛び出すなんてこと「絶対にない」って言っていたんじゃなかったっけ? 
③仮にその結構な新しいタイプの原子炉を使うとして、それじゃいままであった原子炉はどうするの?
あのね、日本ではまで一つも商業用の原子炉は廃炉にした経験がないんだよ。そして廃炉にするのに30年かかるともいわれているんだよ。(ちなみに費用は電事連の試算でも1台あたり約5,000億円/2002年3月31日朝日新聞より)それとも今の原発はほっといて、どこか新しい土地にまた原発を作るつもりなの?
④ここでは原発が作り出す放射性廃棄物の問題が全く触れられていないけれど、管理に10万年(100,000年 数字で書くとすごいね)かかるという廃棄物はどう処理するの? そんなものどんどん作り出していいわけないじゃん。トイレのないマンションにあなたは住めますか?
⑤これがものすごく気になるんだけど、今の第三世代半の原発は水素爆発もしなければ電源がなくても冷却できるように「改善」されているとして、じゃあその「改善」の設計はいつ行ったのでしょうか? もしかしてこういう危険性があるって福島の事故の前からわかっていたの? それってわかっていて、公表していなかったの? それってマズイっすよね?


 まあ、僕も学生のころ彼の「田中角栄研究」「中核VS核マル」「日本共産党の研究」などを熱心に読み、感心していたクチだから、こういったちょっとマトがはずれたというかボケた文章を今、彼が書いていることに少しさみしさを感じますね。

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1 コメント

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痴の巨人 (0711)
2011-08-29 00:03:18
私はあの記事を読んで唖然としました。とうとう立花隆は「痴の巨人」になってしまったと。
巨大で複雑なシステムに関して「絶対起こらない」ということを断言した時点でアウトですね。
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