実家に寄ったら、テーブルの上に、こんな包装紙の包みが乗ってました。
お~ぉぉぉぉぉ!この中には、きっとバナナが入ってるんだ!
「バナナだ、バナナだ、ワーイワーイ!ねえ、お母ちゃん。早く開けていい??」・・・と、小さかった私が母にねだってます。手土産に持ってきたお客さんがまだ居るのに。
母は、そんなことを言う私に「向こうへ行ってなさい!」とたしなめます。
やっとお客さんが帰り、許しを得て開けた中身が大抵はバナナでなく、リンゴや梨だったのでガックリしたことも。
久しぶりに果物柄の包装紙を見たら、こんな鼻の奥がツーンとする感覚がよみがえりました。
今でこそ、一房100円で買える安いバナナですが、昔はメロンと肩を並べてた高級果物でした。
果物屋の裸電球が照らす奥の高い所に飾ってある、両手を大きく広げたようなバナナは、高熱を出す病気にならない限り買ってはもらえない果物でした。
あれから40年以上たった私は、この包装紙の包みを見て、年老いた母に聞いています。「ねえ。これ開けていい?」って・・・・・
中身は、残念ながらバナナではありませんでした。
・・・が、ホワイトグレープフルーツと酸味の低いポメロをかけ合わせた「メロゴールド」という果物が出てきました。
ひとつもらって食べてみると、私好みの酸っぱくないジューシーな味で美味しかった。
←この本を見てると、そんな思い出にどっぷり浸れます。