ギリシャ神話あれこれ:ペロプスの戦車競走

 
 子供の頃、ギリシャ神話関連の、いろんなバージョンの本を次々に読んで、よく分からなかったのが、呪われたペロプス一族の物語だった。呪いが呪いを呼ぶ連鎖にまず混迷し、さらに子供向けにと、殺人やら姦通やらのシーンをぼかして表現してあったりするので、ますます混迷して、何気に怖ろしいけど何が何やら……
 で、学生になって神話のエピソードを整理しなおして、よくもまあこんなに呪いが連鎖するものだと、戦慄を通り越して呆れたものだった。

 さて。鬼畜な父タンタロスに殺された後、神々によって再び生命を与えられて甦ったペロプス。彼は美しすぎる美少年として復活し、その美貌に一目惚れした海神ポセイドンに、侍童として寵愛された。

 成長したペロプスは、エリス地方のピサの王オイノマオスの娘、美しいヒッポダメイアに恋をする。
 ところで王のほうは、なんとしてでも娘を結婚させたくなかったために、娘の求婚者たちを次々と殺害していた。その理由は、娘婿に殺される、という神託を受けていたためとも、娘に邪な恋情を抱いていたためともいう。

 で、娘の求婚者たちは、命がけの戦車競走を、王から挑まれていた。それは、求婚者はヒッポダメイアを戦車に乗せて、コリントスまで逃げなければならない。王はゼウスの祭壇に犠牲を捧げたのちに発車する。求婚者は、もし逃げおおせれば娘を得るが、追いつかれればその場で殺される。……というもの。

 To be continued...

 画像は、タラヴァール「タンタロスの饗宴」。
  ユーグ・タラヴァール(Hughes Taraval, 1729-1785, French)

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