動物園へ行こう-ハイデルベルク編(続)

 
 コウノトリ! 赤ちゃんをくちばしに抱えて運び、屋根の煙突に巣を作ってその家に幸せをもたらす幸福の鳥。私、あんなふうにオープンな空間にいるコウノトリ、初めて見たよ!
 私も相棒も、コウノトリを見上げてキャイキャイとはしゃぐ。が、他の客たちはコウノトリをなんかてんで気にかけない。まあ、この東洋人たち、何を邪魔になって見てるのかしら、と、にこやかに追い抜いて、さっさとゲートへ入っていく。
 ……欧米じゃ、コウノトリって珍しくないのかな。日本のサギみたいなもんかな。

 園内に入るとまず、おサルの山。外国のおサルって、日本のおサルのようなふてぶてしい顔をしていない。
 同じスペースに、レイヨウ(?)たちがいる。初夏の陽気で暑くって、おサルもレイヨウも、陽を遮る影溜まりを見つけて、そこにうずくまっておとなしくしている。

 父親に連れられた小さな女の子が、「モンキー! モンキー!」と叫びながら駆け寄ってきて、サルに何やら話しかける。
 散々興奮してから、女の子は、さて次の動物のところへ行こうとする。待って、あそこにレイヨウがいるんだよ。レイヨウのことも見てあげてよ。
 レイヨウを指さして、「ゴート、ゴート」と教える私を、女の子は物珍しげに、父親のほうは警戒して凝視する。私じゃないの、レイヨウだよ、レイヨウを見てあげて!

 ハイデルベルクは世界的な観光地なので、彼らもドイツ人ではなさそうなのだが、やっぱり欧米人なわけで、そんな彼らの眼には、動物園にいる東洋人が多少、得体知れずに映るらしい。

 To be continued...

 画像は、ハイデルベルク動物園、巣に降り立つコウノトリ。

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