世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
コバリドの谷(続々々々)
この辺りには、イタリア軍防衛線の塹壕跡があちこちにある。相棒は珍しがって塹壕のなかへ入っていたが、私は、夢に出てきそうなのでやめておいた。
最後に登場したのは、ナポレオン橋。イタリア遠征時にナポレオン軍が通ったという橋だが、青いソチャ川がなければただの橋だ。
インフォメーションでは“歴史の道”を、イージーな道でウォーキングをエンジョイできる、と説明されたが、ちょっとした登山に近い。
昨日と同じ肉・野菜焼きの夕食を、相棒が作ってくれる。
キッチンに自転車旅行のスロヴェニア人がやって来て、少し話をした。5年前くらいに仕事で東京に行ったことがあるという。スロヴェニア人の眼にはさぞゴミのように映ったことだろう。肩身が狭い。
が、東京はエキサイティングな街だった、と慰めてくれる。
「最近じゃ東京と言えば、スカイツリーが有名ですね」
「あんなのはナンセンスですよ」
「でも旅行者は、ああいうものを喜ぶものです」
ユリアンアルプスは、冬は物凄い雪だが、昨年は雪が少なかったという。
「奇妙だね、温暖化のせいだろうか」
相棒は、名古屋グランパスの監督ストイコビッチは、旧ユーゴ人だ、と力説する。
「世界は小さいね。彼はどこの国の人だろうね? スロヴェニア人ではないけど。僕はサッカーにはあまり興味がないけど、明日から欧州選手権が始まるよ」
翌朝、再びコバリドの谷を、あの隘路を、あのスピードで飛ばすバスで、トルミンまで戻った。
※ 帰国後調べたら、ストイコビッチは、現セルビア人だった。
画像は、コバリド、ナポレオン橋。
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