ギリシャ神話あれこれ:テセウスの冒険

 
 以前、コミュニストの社会人院生が、論文で、「マルクスの理論をプロクルステスのベッドに乗せてはならない」と書いていた。科学論文に、こんな文学的比喩を使うもんだろうか。う~む。
 が、せっかくのこの表現、他の院生たちにはとんと意味が分からなかったらしい。う~む。
 
 ……「プロクルステスのベッド」とは、事物を杓子定規に解釈する、という意味。

 アッティカの王アイゲウスは、子がなかったので、デルフォイに赴いて神託を伺ったところ、故郷アテナイに着くまで酒袋の口を開けてはならない、と告げられる。
 ???

 意味が分からないまま、とにかくアテナイに戻ることに。途中、トロイゼンの王ピッテウスのもとに立ち寄って、神託の話をする。
 話を聞いた王はその意味を推測、こりゃ、アテナイへ戻る前に酔っ払って女と寝ると子供ができる、という意味らしい。……で、王はアイゲウスに酒を振舞ってしたたかに酔わせると、娘アイトラの寝室に放り込む。

 結果、アイトラは妊娠。アイゲウスはトロイゼンを発つ際、アイトラに言う。
 もし男の子が生まれたら、父の名を教えずに育てなさい。巨岩の下に剣と靴を隠しておくから、その岩を転がしてそれらを取り出せる年齢になったら、そのとき父の名を教え、剣と靴を証拠に持たせてアテナイへ寄越しなさい、と。

 アイゲウスの去った後、月満ちて生まれたのが、テセウスである。

 To be continued...

 画像は、ラ・イール「テセウスとアイトラ」。
  ロラン・ド・ラ・イール(Laurent de La Hyre, 1606-1656, French)

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