ボーデン湖の出島(続々々)

 
 旧市街を抜け、各国の国旗が並んでたなびく道路橋を渡って、島を出る。橋から眺めるボーデン湖面には、水鳥たちがプカプカと浮かんでいる。
 湖畔は緑したたる別荘地で、湖のちょっとした支流にも白鳥がいる。白鳥を初めとする水鳥たちはどこにでもいて、大抵はつがいで、人間(=私たち)が近づくと、パンを貰おうと岸辺までせっせと泳いでやって来る。

 リンダウ島からかなり歩いて、ようやくユースに到着。ここでも合宿の子供たちが、ワイワイ賑やかに騒いでいる。幼っぽい子たちは、はしゃいで館内を走り回る。行きの飛行機のなかの相棒みたい。
 両腕をだらりと垂らして、背を丸め、身体を左右にゆらゆらと揺らしながら、階段を昇っていく女の子がいる。
「あんなふうに猿人のように歩く子って、どの国にもいるんだねえ。また一つ、人間の普遍性を発見したよ」と相棒。……ヘンなところに普遍性を発見するもんだねえ。

 夕食までの時間、ユースを探検していると、庭から、窓越しの厨房で、アシスタント・シェフにあれこれと指示している、大きな鍋に向かった貫禄あるヘッド・シェフの姿が見える。ユースの夕食はこうやって、ちゃんとしたシェフが作るんだ。
 
 さて、夕食の席は、ティーンの子供たちで大賑わい。照れ屋の子、剽軽な子、物静かな子。いろんな子らがいるけれど、みんな東洋人を珍しがって、チラチラと覗いていく。
 大きなボールにイチゴのクリームのデザートが盛ってある。その縁に、フレッシュなイチゴが綺麗に並んで飾ってある。ボールが空っぽになった頃を見計らって、先程厨房に見かけたシェフが、新しいボールを持ってやって来る。ワッ! と歓声を上げて、デザートのボールに群がる女の子たち。飾りのイチゴは早い者勝ち。礼儀正しく一人一個しか取らなくても、あっという間になくなってしまう。
 こんなにイチゴが気軽に食べられる国でも、やっぱりみんなイチゴが大好きなんだ。

 To be continued...

 画像は、リンダウ、旧市街の広場。

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     Bear's Paw -ドイツ&オーストリア-
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