スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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お盆

2012-11-03 | スロバキア/Slovensko 2013以前
6週間の日本での休暇を終え、先週ヨーロッパに帰ってきた。
木々はすっかり紅葉し(もしくは葉が散り)帰ってきた翌日は雪。雪はすぐにとけてしまったけれど、寒い。
日曜日に帰ってきて、満パンのスーツケースを何とか空け、そこにクローゼットから引っ張り出した冬物を詰め、水曜日からスロバキアに来ている。

6週間いても、会いたい人全員に会うことは叶わず、やりたいこと全部ももちろんできず、それでも思いっきり満喫できた。
これで2年くらいは日本に帰らなくても頑張れそうな気分だ。(いや、一年に一度はやっぱり帰りたいけどね)
マルツェルが合流してからはブログを更新する間もなく、久々に開いてみたら10月は一回しか書いていなかったのね。これだけ空いてしまうと一体何から書いたら良いのかわからなくなってしまい、とりあえず直近のことから書くことにした。

さて、タイトルの「お盆」。
季節外れと思うでしょう。
でもキリスト教圏では今がお盆だ(と私は解釈している)。

高校の頃だったか、英語の先生に「ハロウィンとは死者の霊が家族に会いに来るのがお祭りになったもの、つまり日本風にいえばお盆」と習った記憶がある。11月1日はカトリックでは諸聖人の日、11月2日は死者の日とされているらしい。あまり深いことは私にはわからないが、とにかくスロバキアにはハロウィンの風習はなく、この時期は家族揃ってお墓参りをする。

我が家は今日行って来た。

マルツェルのご両親二人とも同じ村の出身なのでみんな同じ墓地に入っている。
同じ敷地内を義父の両親のお墓、義母のお父様のお墓、伯父さん、おじいさんの弟さんのお墓と順々に回る。
綺麗に掃除されたお墓はお花(造花や生花のアレンジメント、鉢植え)とキャンドル、モミの木のような木の枝で飾られている。
マルツェルのご両親が先にお墓の掃除やお供えを済ませてくれていたので私たちはろうそくを灯してきた。
この時期町の外れ、村の外れにある墓地を通ると色とりどりの花が飾られ、赤いキャンドルが無数の光を放ち、こう言ってはなんだがとても綺麗な光景だ。

こっちのお墓って夫婦隣同士に一緒に入ってるのが一般のよう。
未婚だったり、まだ子供だったりすると両親のお墓に一緒に入っていたり、一人独立したものだったりもする。
土葬が一般なので、棺の大きさ×二人分くらいの大きなお墓で、墓石には夫婦それぞれの名前、誕生日、亡くなった日が刻まれている。
マルツェルのおばあさんはまだ健在だけれど、おじいさんは早くになくなっているので、夫婦のお墓が並んである。おじいさんと並んでおばあさんの名前もすでにお墓に刻まれているを初めて見たときはかなり衝撃を受けた。
よくよく見て、墓石には名前と誕生日だけがあり、亡くなった日付は刻まれていなかったので「あぁ!」なんて納得した。

一昨年は私は臨月の大きなお腹で、昨年はベビーカーで眠るネラを連れ、そして今年はそのネラはディェドとバプカ(マルツェルのご両親)に手を引かれ「ヨイショ、ヨイショ」と自分の足で一歩一歩踏みしめながら先祖のお墓をひとつずつ回った。墓前に立ちながらそんなネラの成長(そして私たち家族の成長)を思いしみじみしてしまった。

こちらのお墓には毎年足を運んでいるけれど、日本の私の方のお墓参りはもう長いことしていない。
今回も遠方と時間が足りないことを言い訳に叶わぬまま。考えてみれば私の家族(マルツェルとネラ)をまだ一度も紹介していない。次こそは行けるかな。


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