
民間航空機の歴史に輝く名機だろう。
1903年にライト兄弟が飛行機を飛ばしてから102年目になる。
その発達はめざましく、超大型旅客機ジャンボが1969年に登場した。
ところがそれから30年の間、形状の上で、大きな変化はない。
500人前後の乗客数、太めの胴体、時速9百数十キロメートルというスペックを保ったままだ。
コンコルドが登場したときは、いよいよ音速飛行機が主流になるかと思われたが、
結局、消滅する。
ジャンボまたは、外見上は良く似たエアバス機が主流のままだ。
『鳥と飛行機どこがちがうか―飛行の科学入門』によると、
ジャンボ機サイズで、時速900キロ強の速度というのが、
航空力学上、もっとも効率が良いらしい。
羽の面積、機体の大きさ、速度といったスペックを変えると、
一気に効率が下がる。
元々、空を飛ぶというのは多くのエネルギーを要する。
しかし昆虫から、鳥、ジャンボ機は皆、最適なスペックで設計されており、
比較的少ないエネルギーで空を飛ぶことができる。
実際、ジャンボ機の登場と共に、航空運賃が劇的に低下した。
飛行機の旅が大衆のものとなったのだ。
貨物ですら、飛行機で運ぶ時代になった。
さすがに石油や鉄鉱石は、船で運んだ方が効率的だが、
軽めの貨物なら、飛行機でも十分採算が取れる。
ジャンボやエアバスの中身はコンピュータ制御の発達などで、
30年の間に大きく変わっている。
燃費はジャンボ初代機に比べると半分になっているそうだ。
しかし外見は、そんなに変わることはない。
ボーイング社は当初、軍用大型貨物機として設計を始めた。
しかし受注競争に負けてしまう。
やむを得ず、旅客機として、売り出すことになった。
社内では慎重論も多かったらしい。
しかし、売り出してみると大ヒットとなる。
世界の空に革命が起きたのだった。
後にエアバスが競争相手として登場するが、
ジャンボが名機であることに変わりはない。
まもなく、一回り大きなエアバス380が登場するという。
夢の世界が実現するのだろうか?
今のところ、日本の航空会社でA380を採用する予定はない。
既に成田空港などはA380対応に準備しているようだ。
巨大飛行機が登場するのはいいが、
乗降時の混雑、混乱、空港での混雑と行列を何とかして欲しいなぁ。

【参考】
747の歴史(ボーイング社公式ページ 英文)
ボーイング社ってかつて受注戦争に負けたのですか、知らなかった……。
本当に大ヒットですよね、ジャンボ・ジェット。
ジャンボが象のジャンボにちなんだ名称とは知りませんでした。勉強になりました。
巨大飛行機だとエコノミーの人はこれまで以上に降りるまですごく待たされそうですね…。
747って1969年なんですか。ずいぶん昔だったんですね。僕の記憶に残っているのは1979年にANAが導入した時のTVCM。まだ小学生でしたがよく覚えています。当時既にJALには747が飛んでいたと思います(乗ったような気がする)。NYへ行く時はいつもANAの747(-400)ですが、この5月から777へ。ANAの747SRも引退しますし、そろそろ世代交代なんですね。でも僕が一番多く乗った機種であることは間違いありません。
搭乗ゲート3本くらい使わないと乗り降りだけでものすごく時間がかかりそうですね。
個人的には、「しっぽ」がまっすぐ伸びたエアバスのスタイルが大好きです。A340が特にお気に入り。
日本でも380、導入してほしいです。
実は今、「機長の三万フィート」に続いて(というか戻って)「機長の一万日」を読んでいます。
パイロットの視点で書かれた本ってやっぱりおもしろいです。
B747が登場したのは1969年ですか!
今では-400まで進化していますよね。
私は、旅客機では今は退役したJAL・JBird・MD-11が好きです。
先日たまたまNHK「プロジェクトX」のDVD
・「翼はよみがえった1」~YS-11・日本初の国産旅客機~
・「翼はよみがえった2」~YS-11・運命の初飛行~
を観て、成田のほうに航空科学博物館というものがあり
そこに今はなきYS-11の1号機がひっそりと羽を休めて
いる、という話を初めて知りました。ぜひ一度は訪れて
みたいと思っております。
わたしは機種などの知識もまったくなく、「ただ純粋に
“飛行機”と“空港”と“空”というものがなぜか好きでたまら
ない」というだけの人間ですが、日本が生んだYS-11、
フランスとイギリスが生んだというコンコルドなどの
飛行機たちが空の世界から消えていってしまったのは
とても残念に思います。コンコルド、一度でいいから
乗ってみたかったなー。
機種名とか知らないのでホント恥ずかしいんですけど・・・とりあえず、中部国際空港から飛び立ってみたいなあと思う今日この頃です。
そうか!
成田に航空博物館があるんですね。
今度機会があったら行って見ます。
確かにロッキードとの受注競争には負けましたが、軍用機と旅客機では設計思想が違います。軍用機転用説は単なる俗説でしょう。
詳しくは「ボーイング747を創った男たち―ワイドボディの奇跡」講談社刊 をご覧ください。