セスタバジカ Cesta Basica

「基礎的なバスケット」という意味のポルトガル語。
ブラジルでは「日常生活を送るための必需品のセット」を指します。

出会ったころ

2011年12月05日 | 日記
L君と初めて会ったのは私が日本語指導員になって初めての4月。
小学校2年生のL君はどうしてか、窓のサンのところに上がったまま降りてこない。
私が「降りておいでよ。」と手を伸ばしても身体をよじってしまう。諦めて他の生徒との出会いをし、それが終わってもう一度手を伸ばしても嫌がる。高いところから見下ろしているL君は痩せていてまるでお猿さん(陰口ではない、後に本人にも言っているから)みたいであった。さすがに疲れて降りてくるとき、差し出した手に倒れ込んでも顔を合わせないし、目も合わせない。そういうことが暫らく続いた。う~ん、もしかして・・・自閉的?と思ったりしたこともあったけど、それはそうではなくて、異国に来て日本人が恐かったのだそうだ。

L君のお父さんとお母さんが日本に来たとき、派遣会社からそれぞれ別の県で仕事をするように言われたり、パスポートを取り上げられたり、いやなことがたくさんあった。それを知っていたからか、当時L君は日本人が恐かった。

夏休み、生徒達を自宅に呼んで一緒に過ごしたり、訪問したりしているうちに、家族ぐるみで仲良しになり、後にはL君の帰国先に娘とともにホームステイもさせていただいた。L君の祖父母の農場で大きな木の上に家を作り仲良く過ごしていたL君と娘は、やはりお猿さんのようであった。(よしもと)



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