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転 覧 記

ほぼ展覧会レポ。たまに読書記録。

ギャラリースコープを選ぶ その1

2009年07月12日 00時30分23秒 | 展覧会
最近、また美術館や博物館に足を延ばすことが多くなったので
前々から単眼鏡が欲しいと思っていました。

で、海のエジプト展で単眼鏡がなくて痛い目にあったので思い切って買うことに。

手近なところで家電量販店のカメラコーナーに行ってみたのですが、価格もスペックもピンキリ。
うーん、、、
展示品を試し見したり、店頭のカタログ読んだりしても、何が違うのかサッパリわからない。
すぐにでも買いたかったのだけど、早まるとロクなことにならない。安い買い物でもないし。
ここはグッと我慢して、1週間くらいかけて調べてみることにしました。

結果、やはり単眼鏡にも用途によっていろいろ種類があるらしく、踏みとどまって良かった。
ちなみに博物館や美術館で使う単眼鏡は、「ギャラリースコープ」「ミュージアムスコープ」と呼ぶそうです

以下、ギャラリースコープを選ぶ際のチェックポイントをいくつか挙げてみます。

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【1】 最短焦点距離(焦点至近距離)

単眼鏡には近距離用のものと、中~遠距離用のものがあります。
前者がミュージアムスコープ、ギャラリースコープとして使えるもの。
後者はオペラなど観劇や野外での自然観察に使うもので、美術館ではまず使い物になりません。

近距離用か否は、カタログの「最短焦点距離」の数値を見ると解かります。
文字通り、ピントが合う最短の距離を示すスペック。
たとえば「最短焦点距離」が1m以上の単眼鏡で1mより近い場所にあるものを見た場合、
像のピントが合わずピンボケになってしまうのです。

どれくらいの焦点距離のものを選べばよいかは、鑑賞する対象と用途によります。
大型の展覧会で人ごみの後方から覗き込むように作品を見たい、と言う用途なら1m程度で十分でしょう。
一方で工芸品の細部を至近距離から鑑賞したい、という場合は20~30cmのものを選ぶべき。


【2】 「倍率」と「明るさ」「視野」

倍率が高ければ高いほど良いだろうと思いがちですが、実はそうでもありません。
倍率の高さと両立しない性能が主に2つあります。

 (1)「倍率」が高いと「明るさ」が低くなる。
  まず、超ざっくり言うと、倍率が高いものほど見え方が暗くなってしまいます。
  (ただし、レンズが同じサイズの単眼鏡同士を比較した場合)

  像の明るさ・暗さの度合いは、そのまま「明るさ」というスペックで表されます。
  博物館は照明も抑え気味なので、作品の色合いを肉眼に近い明度で楽しむためには
  「明るさ」がある程度高いもの(9以上のもの)を選ぶと良いらしいです。
  
  で、話を戻すと、この「明るさ」と「倍率」は両立せず、
  例えば倍率が8倍で明るさ9以上という製品はほとんどありません。

 (2)「倍率」が高いと「視野」が狭くなる。
  倍率が高いと視野が狭くなります。
  (これも同じレンズの大きさの単眼鏡で比較した場合)

  視野が狭いと、文字通り限られた狭い範囲しか見ることができません。
  また、離れた距離から鑑賞する場合は像が手ブレしやすくなるという欠点があります。

  中には8倍の単眼鏡だと手ブレしすぎて酔うという方もいるので要注意です。
 
 
・・・というわけで、倍率が高けりゃ良いというわけでもないのです。
好みにもよるので断言はできませんが、
個人的にはギャラリースコープは4~6倍程度が丁度良い倍率ではないかと思います。


【3】 アイレリーフ

これは眼鏡をかけている人は特に気にすべき数値です。
「接眼レンズからどれだけ目を離してよいか」を示します。
アイレリーフ距離以上にレンズから目を離すと、見える範囲が狭くなってしまうのです。
(これを視野がケラレると言います)

眼鏡をかけている方は、アイレリーフ15mm以上のものを選ぶべきです。
ちなみに15mm以上のものを、「ハイアイポイント」「ハイアイ」と呼びます。


【4】 ピント調整方式

ピントの調整はレンズ間の距離(=筒の長さ)を変えて行います。
これには「スライドレバー」「ピントリング」「手動」の3種類の方式があります。

「スライドレバー」「ピントリング」は、片手で操作しやすい方式です。
「手動」方式は両手を添えて筒を伸縮させる必要があり、手がふさがってしまうのが難点です。

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個人的に重要なポイントだと思ったところは以上です。

長くなったので、続きはその2

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