新型・『オレ日』★☆☆☆☆

丸8年経ちました。
9年目となりタイトルに☆が増えました。(^_^;)

FLAME 6 【WB】

2005-07-02 06:06:06 | GUNDAM
その日から座学と実習の日々であった。
V作戦の発動に基づいて、MS搭載艦に改修されるホワイトベースに付きっきりの状態だ。
ジャブローAブロックにある1号ドックには関係者以外は立ち入る事も許されない厳重な警戒態勢である。
すぐそばのドックでは1番艦であるペガサスが改修されている。
が、こちらはエンジンの不調による改修に相当な手間が掛かっているらしい。
このまま行くと2番艦であるホワイトベースが先に完成し、進宙する事になりそうだ。
まあ逆に負けず嫌いな性格が「絶対にホワイトベースをペガサスよりも先に完成させてやる!」と思わせてしまう。

「中尉、各ブロックの状況を確認して欲しいとの事です。」
「わかった、すぐに行く。」
ホワイトベースとそこで運用されるMS等の補給部隊の所属とは言え、実際にそれらのものは無いのであるから、
現状の実務と言うのは改修作業そのものの監督が主となっている。
でもこれは非常に良い勉強である。
現物が出来上がって行く過程に携わる事で、実戦でサポートするべき部分が非常に明確になる。
逆に言えば、壊れそうな部分、壊れると厄介な部分、大きくは無いが設計上の問題など、細かく把握する事が可能だ。
建造と同時に、予備品の製造も行うのであるが、そのリストは数日毎に見直しを迫られる。

「どうした?」
「あっ、中尉。設計部の方からなのですが...。」
「ん?何か言われたのか?」
「ええ。どうも上層部から圧力が掛かったらしいんですけど、エンジンブロックの切り離しシステム、やめるかもと。」
「何?どうしてだ?」
「少しでも早く完成させたいとの意向らしいです。」

ホワイトベースは内部が各ブロック毎に細かくブロック化されている。
エンジンもその1つである。両側のエンジンは切り離しが可能な構造で、いざという時はブロック毎交換可能な設計だ。
そもそもこのペガサス級は、各艦隊の旗艦として活躍可能な設計となっている。
艦橋の広さ、重力ブロック区域の数と広さ、何よりその形状は視認しやすい。
艦隊や部隊の旗艦という物は、常に中心に存在し続けなければならない。
その為にもブロック構造という技術は、破損箇所の早急な復旧における重要な技術なのである。

「わかった。設計部には私から話しておく。そのまま作業を進めてくれ。」
「しかし...」
「君たちは最高の技術で最高の艦を作ってくれ。このブロックシステムが必要な時は必ず来る。」
「ちゅ、中尉...。」
「何かあった時の責任は私が取る。何も心配する事は無い。頼んだぞ。」
「はっ!わかりましたっ!」

設計部やV作戦管理担当士官にどう話すかな?と思うと少々「憂鬱」な気分であるが、
生き残る為のシステムは絶対に必要だと考えていた。
破壊された艦そのものを放棄する戦い方は、単なる物量作戦でしかない。
そんな事はビンソン計画で実行すれば良い話だ。V作戦では不要な話だと自分に言い聞かせた。



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