カロカンノート

へぼチェス日記

(・o・)

2010年01月26日 | 林葉直子
「日刊ゲンダイ」2006年11月10日号によると林葉直子さんが約6000万円の負債を抱えて自己破産していた。

官報の平成18年11月9日の17ページに林葉さんが破産手続きをしたことが載っている。1億2000万円の豪邸を父と共同名義で所有していたが、2005年2月に父が死去したため、約5000万円のローンを1人で抱え返済不可能となったらしい。

「日刊ゲンダイ」2006年11月15日「この人物のオモテとウラ」によると、「周囲の迷惑など一切考えず、エゲツない話題やグロテスクな裸を切り売りして食いつないできた女だからね。好き放題やってきて自己破産したんだから誰も同情などしませんよ」 と関係者は冷たいという。

「AERA」1991年7月2日号によると林葉直子さんは1968年生まれで福岡県出身である。5歳のときから警察官の父親に将棋を仕込まれる。小学5年生のとき週刊誌の企画で米長邦雄さんと対局したことがきっかけで米長さんの内弟子になった。高校は地元の私立福岡第一高校に進んだ。11歳で女流アマ名人戦に優勝、13歳で女流王将となると10期連続防衛と華々しい成績を残す。大学は第一薬科大学に進学するが2年生で中退する。1987年「ペントハウス」のグラビアにセミヌードを掲載し、将棋界の先輩方から批難された。このヌードを撮影を担当した編集者の紹介でライトノベルを書きはじめる。この時代から林葉さんの書く小説はエッチなところがある。1988年には南野陽子主演で小説とんでもポリスシリーズを映画化する企画もあった。1990年ごろは作家として3000万以上の収入があったようである。1993年には歌手デビューの話(1993年5月20日報知新聞「林葉5段歌手デビュー」)があり、「魔の刻の合わせ鏡」、「風があわない」が録音されたが日の目をみなかった。1994年6月に大局をすっぽかす失踪騒ぎを起こす。1995年8月24日には将棋連盟に退会届を提出し、同年写真集「CONFESSION 告白」(1995、竹書房)にてヘアヌードを発表した。1998年には中原誠永世十段との長期に渡る不倫が「週刊文春」に取り上げられ、妊娠・中絶の経験があることも明らかにした。中原誠さんは、電話に留守録で「(林葉の自宅に)突撃しま~す」というメッセージを吹き込んだ。「突撃しま~す」というフレーズは流行語にもなった。林葉さんも会見で「センセイに恋していたのか将棋に恋していたのか今はもうわからない」などと会見で発言した。

1998年ヘアヌード写真集「SCANDAL」(1998、テイアイエス)を発売した。また1998年には半自伝的小説である不倫短編集『アバンチュール』(1998、竹書房)を出すした。この作品では主人公は不倫をするし、父親には縄で縛られたり鞭でぶたれたりロウソクを垂らされたりして愛される。また『不倫旅行・夏』(1998、テイアイエス)という不倫小説も発表した。「罰」(2001年、モッツ出版)で豊胸術後の乳房をはじめ、大胆に肢体を露出させた。「罰」は性器が見えるというデマが流れて結構売れたらしい。2001年には、R-15指定作品の「秘宴」というVシネマで主演し、乱れた人妻を演じた。このころ「週刊宝石」に「林葉直子の肉感的人生相談ビショ濡れクリニック」という連載を持った。

2004年には六本木にインドカレー店「Woo Curry(ウーカレー)」をオープンしたが2005年10月に閉店した。『週刊新潮』2006年3月16日号の「今度は「タロット占い師」に転身「林葉直子」」によると、「ウーカレー」では店に将棋盤を置いたため客の回転がわるかったという。それでも店で作った赤字は400万ほどだった。タロット占いに初めて触れたのは12歳のときで、今では林葉さんのサイト「林葉直子の「お悩み晴らします」。」から占いの申し込みを受け付けている。また、将棋漫画「しおんの王」(ペンネーム「かとりまさる」)の原作もやっている。

林葉さんの父親の林葉恵男さんも、『娘の怒鳴り方―熱血オヤジの体当たり的教育論』(1994、ザマサダ)という本を出している。

このように書いていくと林葉直子さんは問題のある人だと思うかもしれないが、同情すべき点もあるように感じる。

林葉直子『ひとりぼっちの対局 だから青春!』(1983、ノラブックス)には次のような、記述がある。

 私の夢っていうと、将棋センターを建てることかな。

 女実業家ってカンジであんまリステキじゃないかしら。

 できればね、東京に建てたいの。福岡もまあまあ大きい街だけど、東京とはくらべものにならない。それだけ将棋人口も多いってことだもの。

ね、ここいらへんシッカリしているでしょう。

 そうね五階建てくらいのビルがいいな。三階くらいまでは将棋とレストランのフロアにして、四階、五階に家族が住むの。もちろん私の部屋はいちぱん上の五階。朝陽がさしこむような大きな窓があるといいな。(153ページ)



林葉さんが女流王将10年間維持して稼いだ金額がトータルで800万円だと証言している。これが事実なら女性棋士は賞金だけで生活することは不可能である。「スポーツ報知」2006年12月2日の記事によると、女流棋士は将棋連盟の正会員ではない。毎月の基本給料もなく、厚生年金の加入もない。また棋戦など自ら運営できず、待遇面で恵まれていない。男性のプロ棋士の平均年収は1000万円ほどと言われるのに、女流棋士は対局料だけでは年収100万円にも満たない人も多いと言う。これはジェンダーの問題だろう。林葉直子は作家としての収入もあったはずだがその管理は実家に任せていたという。これでは林葉さんの高校時代の夢が叶わないのも無理はない。

「日刊ゲンダイ」2006年11月15日の「この人物のオモテとウラ」によると、出版プロデューサー、芸能プロ、雑誌編集者、テレビディレクターといった連中が、金儲けのため寄ってたかって「スキャンダル女・林葉」をつくり上げたという事実があるという。中原誠さんとの不倫騒動のさいも、もともとは林葉と中原の不倫関係をつかんだフリーライターが雑誌社に持ち込み林葉さんに高額ギャラを払って、ののしり口調でとことん暴露させた。豊胸手術の一件でも、林葉さんのヘア写真集を普通に出したって売れないと考えて、一部スポーツ紙にうっすら性器が見えるといった情報を流して記事にしてもらい、写真集をあおった。最初、林葉は豊胸手術を拒否したが、何度も説得されて納得したらしい。

それに有名棋士には変な風聞もある。ヌードを披露したのは、将棋界で林葉さんだけではない。米長邦雄さんも「FOCUS」1985年11月1日号「米長邦雄十段のショーゲキヌード――将棋「十段」戦を前に、鳥取砂丘に遊ぶ」でヌードになっている。「噂の真相」1998年7月号「林葉直子・中原誠不倫騒動で分かった棋士の生態と将棋連盟を巡る暗闘」によると米長さんは宴席で性器をだしてしまうことも少なくないようである。屋敷伸之さんは競艇狂いで先崎学はギャンブル好きだという。また将棋の世界では男性棋士の女性棋士へのセクシャルハラスメントも少なくないという。また対戦は男性同士の場合5時間で2回だが、女性同士の場合2時間で2回、男女で対戦するときは5時間で2回である。女性は男性と対戦するときは時間の配分が変わるので男性と対戦するときの時間配分が難しいのではないだろうか。

将棋界がもう少し女性棋士にとって生きやすい環境だったら林葉さんの人生も違うものになっているのでは、と思った。林葉さんの自己破産を期に、将棋界のジェンダーの問題に関心を持つ人が増えてくれたら、と思う。

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