めまいと吐き気で伏せりがちなわたしに、
じいたんが、大量にりんごをくれた。
毎年、じいたんが取り寄せる、特別なりんご。
長野で作られる、「蜜入り」のふじりんご。
「一日一個の林檎で医者知らず、というよ、お前さん。
おじいさんにしてあげられるのは、これくらいしかないけれど
お前さん、早く良くなっておくれ」
わたしが動けないと察したじいたんは、
わたしの家に出向いて、その林檎を届けてくれようとしたのだ。
祖父母宅から私の家まで、距離はそう遠くない。
徒歩なら15分~20分くらいだ。
ただ、道がすこし複雑で、口で説明するのは難しい。
じいたんは、しっかりしている面も多分にあるのだが、
方向や空間の見当識は、著しく低下している。
じいたんは、タクシーを使ったのだが、
とうとうわたしの家にはたどり着けなかった。
そこで、じいたんは、考えた。
考えたすえ、
わたしの自宅の近くのお弁当屋さんに、
その、手提げ袋ふたつ分の林檎を預けた。
そして、
近所の奥さんと一緒に取りに行くよう、
わたしに電話をくれたのだった。
体調が落ち着いてから、あわてて取りにゆき、
お弁当屋さんに、お礼を言った。
お弁当屋さんは、
「とんでもない、いいんですよ。素敵なおじいさまですね」
と言ってくださった。
三つほどおすそ分けして、食べられもしない弁当を買い、
自宅へ戻った。
帰り道、手に提げていても立ち上ってくる、甘い匂い。
さっそく一つ、切ってみたら、中にはたっぷりの蜜。
子供の頃から変わらぬ味、…じいたんからの贈り物。
もう、92歳なのに、
こんな寒い、寒い季節なのに
風邪を引いて肺炎にでもなったら、
それだけでもう命取り、そんな身体なのに
自分より、わたしの心配をしてくれる、じいたんの気持ち。
そして、まるで種子を護るかのように、
蜜がたっぷり入っている、林檎。
台所に立ったまま、ひとくち、かじった。
…涙が出た。
じいたんが、大量にりんごをくれた。
毎年、じいたんが取り寄せる、特別なりんご。
長野で作られる、「蜜入り」のふじりんご。
「一日一個の林檎で医者知らず、というよ、お前さん。
おじいさんにしてあげられるのは、これくらいしかないけれど
お前さん、早く良くなっておくれ」
わたしが動けないと察したじいたんは、
わたしの家に出向いて、その林檎を届けてくれようとしたのだ。
祖父母宅から私の家まで、距離はそう遠くない。
徒歩なら15分~20分くらいだ。
ただ、道がすこし複雑で、口で説明するのは難しい。
じいたんは、しっかりしている面も多分にあるのだが、
方向や空間の見当識は、著しく低下している。
じいたんは、タクシーを使ったのだが、
とうとうわたしの家にはたどり着けなかった。
そこで、じいたんは、考えた。
考えたすえ、
わたしの自宅の近くのお弁当屋さんに、
その、手提げ袋ふたつ分の林檎を預けた。
そして、
近所の奥さんと一緒に取りに行くよう、
わたしに電話をくれたのだった。
体調が落ち着いてから、あわてて取りにゆき、
お弁当屋さんに、お礼を言った。
お弁当屋さんは、
「とんでもない、いいんですよ。素敵なおじいさまですね」
と言ってくださった。
三つほどおすそ分けして、食べられもしない弁当を買い、
自宅へ戻った。
帰り道、手に提げていても立ち上ってくる、甘い匂い。
さっそく一つ、切ってみたら、中にはたっぷりの蜜。
子供の頃から変わらぬ味、…じいたんからの贈り物。
もう、92歳なのに、
こんな寒い、寒い季節なのに
風邪を引いて肺炎にでもなったら、
それだけでもう命取り、そんな身体なのに
自分より、わたしの心配をしてくれる、じいたんの気持ち。
そして、まるで種子を護るかのように、
蜜がたっぷり入っている、林檎。
台所に立ったまま、ひとくち、かじった。
…涙が出た。
ここ新潟も随分寒くなりました。たまさん お祖父様 どうぞお身体 おいとい下さいますよう…
↑のカササギさんのお歌がすばらしいので、歌でお話しするのはやめときます。
私も、蜜に包まれたように、幸せな気分になりました。アリガトウ
そのあとに、↑のかささぎさんのお歌の素晴らしさにびっくりして。
私もありがとうございます。
いつも素敵な歌を詠んでくださって、ありがとうございます。
こちら神奈川も霜が下りるようになりました。新潟の冬ってどんな感じなんでしょうね。案外あたたかい、そんなイメージがわたしのなかにはあります。
師走です。かささぎさんのところは、丁度山場だと思います。
過労にならないように、どうぞお気をつけくださいね。
かささぎさんのお歌、とても素敵ですよね。わたしには到底詠めないわ。
幸せのおすそ分けがもし出来たなら、とても嬉しいです。
ありがとうございます^^
ホント感謝でいっぱいです。
ありがとうございます
祖父母宅には、彼が編み出した創意工夫で溢れています。
じいたんの良さを、わかってくださって、うれしい。
ありがとうございます。
皆が幸せなクリスマスを過ごせますように
じいたん、頑張ってくれるんですよ。
ホント、時々「ああ!年寄りの冷や水」って思うこともないわけではないけれど、それでも祖父の気持ちを大切にしたいし、祖父の気持ちをまず喜びたいんです、素直に。
ぴーちゅさんも、ハッピーでいらしてくださいね。
春はもうすぐそこです