玄関にへばりつくばあたんに、ひたすら付き合うこと一時間。
何とかばあたんを、部屋の中へ誘導することに成功。
「上田(ばあたんの出身地)の桃を、手に入れたのよ。
↑これは、捏造です(笑)
すごく高かったけど、ばあたんに食べて欲しくて、
たまちゃん、おこづかいで買って来たんだよ。
ばあたんが食べないなら、わたしも、食べたいけど、我慢する」
この一言が効いた。
ばあたんは私にへばりついたまま中に、入ってきた。
ばあたんを、私の腰につかまらせておいて、
桃を剥き、食べやすい大きさに切る。
切った桃を、横からつまみ食いして(以前は決してこんなことはなかった)
「おいしいわね」とにこにこ顔のばあたん。
内心「よっしゃぁ~!!」と叫びつつ、おくびにも出さないで
「ほら、おじいちゃんとおばあちゃんの分、持っていこうか」
ぱくぱく食べるばあたんを見ていて、涙が出た。
…殆ど今日一日何も食べなかったのだ。ほっとした。
その後もずっと、ばあたんの話を聞き、優しく着替えをして
髪や顔、入れ歯の手入れ、トイレ介助などをさせてもらい、
気がつけば9時。ばあたんは、眠そう。
今日一日、これだけ暴れた(不安な気持ちで過ごした)から、
安心したら急に疲れが出たのだろう。
チャンスなので睡眠薬を飲んでもらい、そのままベッドへ。
15分もそばについていたら、いびきをかき始めた。
***************************
ああ、しまった、と私は思った。
これなら、介助犬ばうに、頼む必要はなかった。
じいたんを早く床に入れられるし、
私も早く出て、少しでもばうばうをねぎらうことができる。
そう思い、書斎へ行くと、
「ばうちゃんは、まだかね?」と満面の笑みのじいたん。
しかも、ふと見ると、
さっきまでの下着姿ではなくて、
ちゃんとシャツとズボンを着用している。
「じいたん、寝巻きに着替えといて。
夜遅い訪問だから、そのほうが、ばうばうも安心するし」
わたしが言うと、じいたん、
「いや、こんな年寄りを訪ねてくれる気持ちがうれしいんだよ。
わしの好きにさせてくれ」
いや、いつもアンタ好きなようにしてるやん…orz
突っ込んでみたいのをぐっと押さえ、
仕方なく引き下がり、ばうばうにメール。
「ごめん。ばあたんは予想に反して、落ち着いて寝てくれたけれど、
じいたんが、ばうばうをお待ちかねなの。ごめん。」
すぐ返信が来た。
「たま、いいじゃない。
おじいちゃんお疲れ様、のお茶会すれば」
携帯の画面がにじんで読めない。
*****************************
ばうばうが到着すると、じいたん、満面の笑顔で出迎える。
私に、「早くお茶とお菓子を出してあげなさい」とせかす。
本当に本当に嬉しそうだ。
ばうばうも、丁寧に話し相手をしている。
話しながら、じいたんは、ふとうたたねする。
そして、はっとして「くわっ」と目を開け、話の続きをする。
ばうばうは、見なかったふりで、話し相手をする。
じいたんは、まるで
「がんばって起きているから、
もう少しだけ、この楽しい気分を味わわせて」
と眠い目をこする、ちいさな子供のようだ。
そんなじいたんが、それでも眠気に持ちこたえられなくなったところで、
祖父母宅を辞去する。
いつまでもばうばうに手を振るじいたんの、姿が
なんだかせつなかった。
そして、手を振り続けてくれる、ばうばうの優しさに
わたしは
いちにちの疲れを優しくぬぐってもらうのだ。
何とかばあたんを、部屋の中へ誘導することに成功。
「上田(ばあたんの出身地)の桃を、手に入れたのよ。
↑これは、捏造です(笑)
すごく高かったけど、ばあたんに食べて欲しくて、
たまちゃん、おこづかいで買って来たんだよ。
ばあたんが食べないなら、わたしも、食べたいけど、我慢する」
この一言が効いた。
ばあたんは私にへばりついたまま中に、入ってきた。
ばあたんを、私の腰につかまらせておいて、
桃を剥き、食べやすい大きさに切る。
切った桃を、横からつまみ食いして(以前は決してこんなことはなかった)
「おいしいわね」とにこにこ顔のばあたん。
内心「よっしゃぁ~!!」と叫びつつ、おくびにも出さないで
「ほら、おじいちゃんとおばあちゃんの分、持っていこうか」
ぱくぱく食べるばあたんを見ていて、涙が出た。
…殆ど今日一日何も食べなかったのだ。ほっとした。
その後もずっと、ばあたんの話を聞き、優しく着替えをして
髪や顔、入れ歯の手入れ、トイレ介助などをさせてもらい、
気がつけば9時。ばあたんは、眠そう。
今日一日、これだけ暴れた(不安な気持ちで過ごした)から、
安心したら急に疲れが出たのだろう。
チャンスなので睡眠薬を飲んでもらい、そのままベッドへ。
15分もそばについていたら、いびきをかき始めた。
***************************
ああ、しまった、と私は思った。
これなら、介助犬ばうに、頼む必要はなかった。
じいたんを早く床に入れられるし、
私も早く出て、少しでもばうばうをねぎらうことができる。
そう思い、書斎へ行くと、
「ばうちゃんは、まだかね?」と満面の笑みのじいたん。
しかも、ふと見ると、
さっきまでの下着姿ではなくて、
ちゃんとシャツとズボンを着用している。
「じいたん、寝巻きに着替えといて。
夜遅い訪問だから、そのほうが、ばうばうも安心するし」
わたしが言うと、じいたん、
「いや、こんな年寄りを訪ねてくれる気持ちがうれしいんだよ。
わしの好きにさせてくれ」
いや、いつもアンタ好きなようにしてるやん…orz
突っ込んでみたいのをぐっと押さえ、
仕方なく引き下がり、ばうばうにメール。
「ごめん。ばあたんは予想に反して、落ち着いて寝てくれたけれど、
じいたんが、ばうばうをお待ちかねなの。ごめん。」
すぐ返信が来た。
「たま、いいじゃない。
おじいちゃんお疲れ様、のお茶会すれば」
携帯の画面がにじんで読めない。
*****************************
ばうばうが到着すると、じいたん、満面の笑顔で出迎える。
私に、「早くお茶とお菓子を出してあげなさい」とせかす。
本当に本当に嬉しそうだ。
ばうばうも、丁寧に話し相手をしている。
話しながら、じいたんは、ふとうたたねする。
そして、はっとして「くわっ」と目を開け、話の続きをする。
ばうばうは、見なかったふりで、話し相手をする。
じいたんは、まるで
「がんばって起きているから、
もう少しだけ、この楽しい気分を味わわせて」
と眠い目をこする、ちいさな子供のようだ。
そんなじいたんが、それでも眠気に持ちこたえられなくなったところで、
祖父母宅を辞去する。
いつまでもばうばうに手を振るじいたんの、姿が
なんだかせつなかった。
そして、手を振り続けてくれる、ばうばうの優しさに
わたしは
いちにちの疲れを優しくぬぐってもらうのだ。