ひよこ造船工房

納期遅れ常習犯の船大工。 猫画、オーディオ、たまに造船記♪ since 2008.11

改めて電源タップを自作!!

2014年06月06日 | 特殊工作

 前回までのタップ"改造"はお楽しみいただけましたでしょうか 

 

 …ということで(謎)、今回調子に乗ってタップを自作するトコロまでやってしまうことにしました。 実は、手持ちの電源タップFURMAN SS-6B自体、オーディオグレードプラグを強引に差し込んで壊してしまったり、長年(?)の抜き差しで金属製の外装自体ヤワになってましたので。 (下写真)

 

 

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* 電気製品の製作は危険なので真似をしないでください。 ラインケーブルと違い、電力が関わる部分は発火・感電などの危険があります。 

 

 

 

■ 計画(設計)

 

 設計というほどでもないです、過去見たことのある『自作タップ』のカタチを模倣するだけ その他、希望の機能・性能として、(既製品では無理な)壁コンセントまでの過不足のない長さ、最低でもコンセント差込口を6コ確保したいですね…。

 

 具体的には、過去、某プロケーブル店で製作販売していたタップと似たもの。 某プロケ仕様と違うところは、コンセントをUL規格にしたことです。 (通常日本で見られる角型枠のコンセントはJIS規格となります。 といっても双方同じプラグを挿すことが出来る規格です)

 

 

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 改めて、今回製作した6個口タップ用の部材。

 

 ・ スイッチボックス(タップ本体) : Panasonic DS4913(フタ付)

 ・ コンセント : アメリカン電機 7110GD ×3

 ・ コンセントプレート : 神保電器 807A-3

 ・ シールコネクタ : 三桂製作所 E2BG1216

 ・ 電力ケーブル : フジクラダイヤケーブル CV-S 3芯 2.0sq

 ・ プラグ : Panasonic WF5018 (明工社 ME2591)

 ・ 別売ビス : M4規格 20mm平頭ビス(「皿ねじ」とも)

 ・ 他、圧着端子を用意。 内部配線は電力ケーブルをバラしたものを使用

 

 

 

■ スイッチボックス加工

 

 スイッチボックスに電源ケーブルを通す穴を空けます。

 

 

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 ケーブルを固定するためのシールコネクタの取り付け径は20mm。 この部分はケーブルの太さに適合するシールコネクタに合わせてます。 スイッチボックスDS4913には直径約22mmと約27mmの円状のガイドが四面・底面にあるので参考に。 我が家はオーディオラック背後が狭いため、ボックス短辺面からケーブルを出す計画。

 

 ちなみに、スイッチボックスは本来、壁に埋めたり背面を壁・柱にビス止めするなど固定して使用するものです。 タップとしての使い方は適用外なのでご了承を。 また、プラスチック製スイッチボックスはどのメーカー製でも大概ヤワで変形しやすいので、タップとしてそのまま床置きするのは安全面でも振動面(音質面?)でも不適です。

 

 

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 こういったドリル(ホールソー)を使って穴あけしましょ。 必ず、防護ゴーグル、回転加工専用手袋、ドリル・部材を固定できる冶具などを用い、くれぐれも注意して加工をしてください。

 

* 部材を固定する冶具が無ければ、ボックスを安全靴・厚手の長靴を履いた両足で挟んで固定し、両手で持ったドリルを上から垂直にあてるようにします。 工具・部材が跳ねる可能性や摩擦で発生する高温がかなり危険です、『利き手にドリル、反対の手にボックス』という持ち方は厳禁です。

 

 

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 穴辺縁部はヤスリ掛けもしておきましょう

 

 

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 なんとなく…、内部ケーブルがボックスに直に触れると盛大に振動を拾ってしまいそうなので、底面に絶縁も兼ねたスポンジシートでも貼っておきます。

 

 

 

■ シールコネクタ取り付け

 

 シールコネクタとは、当ボックスなどの筐体からケーブルを出す穴へ取り付ける、異物・液体の侵入を防ぐスクリューキャップのようなモノです。 (何をどの程度防げるかは製造各社のHPを参照のこと)

 

 当タップは製作費節約のためにインレットは付けずケーブル直出し。 それでもケーブル外皮保護やホコリ・虫の侵入を防ぐため、(それと見た目的にも)しっかりしたコネクタを取り付けます。

 

 

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 全てのメーカーを見たわけではありませんが、三桂製作所のこのタイプは締め込みがラクなのでオススメです。 具体的には、内部のシールゴムが蛇腹状になっており、スクリューを締めていくとゴムが潰され内径側に締まっていく構造なんですね。 他のメーカー製には、口径の狭い固いゴムを通さなければならなかったり、固い爪で固定するものもあり、製作が難しかったり、ケーブルを傷付けそうなものもありました。

 

 

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 このサイズ・グレードで200円(小売価格)程度とお手頃ですが、通常は絶縁テープをぐるぐる巻きにして済ますのも手です。

 

 

 

■ コンセントの配線

 

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 各コンセントを接続するための導線の製作。 モノ自体は電力ケーブルをバラしたものですヨ。 アース線は、まぁとりあえず付けておけば今後接地環境に変わっても不都合が無いだろうということで…

 

 撚り線のハンダあげの可否ですが…、これは音響的には難しいところです。 電気安全的にいうと、ハンダあげをすると弾力が無くなり(塑性変形し)、経年痩せもするので後々外れる危険があり禁止事項なんですが、再生品質的には裸の撚り線では歪が出て、特に音声の再生品質に難が出ます。(…神経質w ちなみに、設備用の太い単線は亀裂が入りやすく折れやすいので取り扱い注意)

 

 なので、ハンダは全体を覆わず、半面だけ極薄く覆うだけにします。 撚り線は再度きつく撚り、外から撚り線であることが分かるような撚りの模様が見える程度のハンダに留めます。

 

※ ハンダあげした線に圧着端子を付けるのは厳禁。 摩擦力が低いため抜けてしまいます。 どうしてもハンダで覆いたい場合は圧着後にします。

 

 過度の被覆剥きは厳禁。 必ず挟む金具の分だけ剥くようにし、露出しないようにします。 圧着端子もなるべく金属露出をなくすためにチューブを取り付けます。(写真右)

 

 

 

■ 組み立て

 

 次の問題はコンセントの配線の仕方です。 コンセント7110GDはL、Nそれぞれ2つの導線差込口があるため、この記事のタップはリレー式(隣のコンセントへ配線を橋渡しする方式)を採用します。

 

 

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 この配線は線材の節約が出来ますが、前のコンセントを経由することによる接点増加で再生品質の変化(神経質レベル)も心配されるやり方でもあります。 後々、引き込んだ配線を分岐させる方法も試してみる予定。(コンセント裏に各1つずつしか導線差込口が無い場合は、事前の分岐が必須となります) ちなみに、ショートしないように接続し、機器・ケーブルの規定電圧・アンペアを守れば、電気安全上問題はありません。

 

 アース接続の可否は各自にお任せします。 商業設備・機器が近場にある環境だと接地した方がいいのですが、最近はそもそもアースを持つ(有効に機能させる)オーディオ機器が少なくなりましたしね…。

 

 

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 プレートを付ける直前の状態です。 ここまで組んだらテスターで正しく配線されているか確かめます。

 

 注釈としては、"コンセント固定用ビス"はどこにも付属していないので、『M4』規格20mm長以上のビスを別途購入します。 頭が大きいとプレートがつかえますので、頭が小さいネジ(皿ねじ)を推奨します。 また、ひよこはそのまま締め込みましたが…、強く締めるとコンセントの取り付け金具が歪んでしまうので、ビスにシャフトを通した方がいいかと思われます。

 

 最後にプレート。 このままコンセントプレートを置いてビスを締めていくと中央が沈んでしまいます。 プレート下に厚さ3mmほどになるようワッシャーやシャフトなどを挟むといい感じになります。 (プレート807A-3には取り付け用ビスが付属。 この際、金属を内部に落とさないように注意)

 

 このあとシールコネクタでケーブルを締め、ケーブル先端にプラグを付けたら完成です。

 

 

 

■ 完成披露

 

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 とりあえず完成。 といってもこれは独自設計ではなく模倣なので、取り立てて素晴らしくもないんですが… 凝る方なら全体にバフ掛けをして磨くとか、塗装するなんてのもいいかもしれません。

 

 じっくり見てみると…、これ、"電源タップ"というより、『壁コンセントを引きずり出した』という感覚に近いですw

 

 

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 恥ずかしいですが、機器裏にセッティングした様子。 狭いので、市販のゴツいタップだと入りきれないですし、ケーブルをインレットにすると外れやすかったり(挿し直しが面倒)と、まぁ自作で安上がり&ブログネタにもなったので良しとします。

 

 肝心の音質・画質変化ですが…、タップケーブル交換以来、明確な再生品質変化は感じられていませんw まぁ完全に"作って満足・自己満足"な企画となってしまいました。

 

 また機会があれば改造・製作ネタをご披露しますので、期待せずお待ちくださいませ

 

 

 

■ 注意点

 

* 電気製品の製作は危険なので真似をしないでください。 ラインケーブルと違い、発火・感電などの危険があります。 電気工事士の資格をとって経験を積んでからの製作をお勧めします。

 

 なお、ひよこはこれらの品を不特定多数に売ったり譲ったりすることは今のところありません。 2014.6現在、ネットオークションに出回っている同型の電源タップはひよこ作ではありません。 お間違いの無いようお願いします。

 

 

 


 

 

 

電源タップのケーブル・プラグを交換

壁コンセントを3ピンに交換…

端材で電源ケーブル自作

改めて電源タップを自作!!

 

 

 


 

 

 

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