最前線の育児論byはやし浩司

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●就眠儀式

2007-02-01 09:55:02 | Weblog
●誠司(孫)の就眠儀式(ベッド・タイム・ゲーム)

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乳幼児には、毎晩、眠る前に、同じ儀式を
繰りかえすという習性がある。

これを、日本では「就眠儀式」という。
英語では、「ベッド・タイム・ゲーム」という。

誠司の就眠儀式について、二男がこんな
ことを書いている。

二男のBLOGより。

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【次男のBLOGより】

誠司を寝かせるのはいつも僕の役割なのだけれど、子供の生活の中に、何かひとつでも「パパ」じゃなきゃだめっていうことがあるのは、とても嬉しい。子供って、ルーティーンが大切だって言うけど、いつも誠司が寝るときのルーティーンは、カソリック教会の儀式顔負けの物と化してきている。以下が誠司の「儀式」。

8:45PM

パジャマに着替え、なぜかキャッチボールをする。これをしないと後の儀式へと移行できない。

8:55PM

歯磨き、おしっこ。

8:57PM

くまのぬいぐるみ、シッピーカップに入った牛乳、小さなおもちゃ(日替わり)を持ってベッドへ入る。必ずこの3品。

8:58PM

2冊本を読む。一冊目は日替わりだが、2冊目は彼が2歳ぐらいの時から読んでい
る「Good Night Moon」という本。

9:05PM

「ふるさと」と「誠司の子守唄」を歌う。必ずこの二曲。

9:08PM

キス、そしていつもの決まり文句。「Keep the door open. Don't turn off the light(ナイトライトのこと).」就寝。

……というのが彼の儀式。順番を間違えたり、きっちりこの手順どおりにやらないと、最悪の場合一晩中ベッドで泣き叫ぶことになったりもする。原発を運転するがごとく、このルーティンをこなすのが、ポイントだ。子供っていうのはおもしろい。

Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司


●寝起きのよい子どもは安心

 子ども情緒は、寝起きをみて判断する。毎朝、すがすがしい表情で起きてくるようであれば、よし。そうでなければ、就眠習慣のどこかに問題がないかをさぐってみる。とくに何らかの心の問題があると、この寝起きの様子が、極端に乱れることが知られている。たとえば学校恐怖症による不登校は、その前兆として、この寝起きの様子が乱れる。不自然にぐずる、熟睡できず眠気がとれない、起きられないなど。

 子どもの睡眠で大切なのは、いわゆる「ベッド・タイム・ゲーム」。日本では「就眠儀式」ともいう。子どもには眠りにつく前、毎晩同じことを繰り返すという習慣がある。それをベッド・タイム・ゲームという。

このベッド・タイム・ゲームのしつけが悪いと、子どもは眠ることに恐怖心をいだいたりする。まずいのは、子どもをベッドに追いやり、「寝なさい」と言って、無理やり電気を消してしまうような行為。こういう乱暴な行為が日常化すると、ばあいによっては、情緒そのものが不安定になることもある。

 コツは、就寝時刻をしっかりと守り、毎晩同じことを繰り返すようにすること。ぬいぐるみを置いてあげたり、本を読んであげるのもよい。スキンシップを大切にし、軽く抱いてあげたり、手でたたいてあげる、歌を歌ってあげるのもよい。時間的に無理なら、カセットに声を録音して聞かせるという方法もある。

また幼児のばあいは、夕食後から眠るまでの間、興奮性の強い遊びを避ける。できれば刺激性の強いテレビ番組などは見せない。アニメのように動きの速い番組は、子どもの脳を覚醒させる。そしてそれが子どもの熟睡を妨げる。ちなみに平均的な熟視時間(眠ってから起きるまで)は、年中児で10時間15分。年長児で10時間である。最低でもその睡眠時間は確保する。

 日本人は、この「睡眠」を、安易に考えやすい。しかし『静かな眠りは、心の安定剤』と覚えておく。とくに乳幼児のばあいは、静かに眠って、静かに目覚めるという習慣を大切にする。今、年中児でも、慢性的な睡眠不足の症状を示す子どもは、20~30%はいる。日中、生彩のない顔つきで、あくびを繰り返すなど。興奮性と、愚鈍性が交互に現れ、キャッキャッと騒いだかと思うと、今度は突然ぼんやりとしてしまうなど。(これに対して昼寝グセのある子どもは、スーッと眠ってしまうので、区別できる。)


Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司

【愛知県のR子さんより、はやし浩司へ】

こんにちは、先日は講演すごくよかったです。
ありがとうございました。
ホームページもとても充実していますね、びっくりしました。 先生が作ったのですか?

はっきりわかりました。
自分は「マズイ」ぞっと、思いました。
お話の中心は幼稚園に通う子どもの年齢だったのですが、
上の子は八歳で男、下の子は四歳で女です。
下の子は特に問題はないと思うのですが、
(上の子は)保育園の時からなんですけど嫌な事をいやと言わないみたいです。
だからたたかれたりしても、怒らないし、やり返したりしないみたいで、
保育園では年下の子には人気があったようですが
(なにしても怒らない優しい子だったようです)

園長先生にもこのままだといつか爆発するよ!っといわれました。
本人に聞いたこともあるのですが。(嫌な事されても言わないから)
「遊びだからいいんだ!」っと言っていて? 大人みたいっと思っていました。

家ではものすごくいやだーと泣くし妹とよく喧嘩をするし、
パパがあきれてうるさがるくらいの大声で泣きます。
でも、小学校に通ってもどうもたたかれたり、しているみたいで、
帽子のゴムをきられてしまったり、まあふざけているうちはいいんですけど、
エスカレートしたら困るなと思っています。

私が小学校の時に三、四年の頃いじめられていて本当にいやで、
先生にそれらの子と、別なクラスにして欲しいっとお手紙をだしたりしました。
クラスが変わってからは明るい人生でしたが、あの時のようになったら
困るなーと心配になります。

私が情緒不安定で怒りっぽいし、だから安心できなくって
どっしりとできないのかなぁーっと思いました。
人の顔色をうかがうように、上手い事を言ってくれるのもそうなのかぁー。
っと思いました。
それをやはり私が自覚して気をつけるようにしないとだめなんだなぁー
つくづく思いました。まったく
自分の母親やパパから、よくそこがあんたの悪い所だよ、よくないよっとは言われても
実際に私の悩みの答えがそこにあるとは思わなかったです。

「子供がおびえるようになるよ。」っと母に言われても
私は「?」なんで???
「だってイライラが爆発してしまうと、、、
子供が忙しい時にあーでもないコーでもないとなると。
爆発しちゃうもん。」「反省はしているけどさー。」って感じでしたが。。
先生の言っていることがあんまりにも当たっているのでびっくりでした。

大泣きをしている時、ママを求めてぶそくりながらもわざとキーキーないている時は
「わかっているから」っと言って抱きしめてあげるようにしてはいます。
でも忙しくって大半は
パパは「いいかげんにしろ」っと怒鳴るまでほって置いてしまいます。
あまえているのか、あまったれているのか?
いまだに赤ちゃんの火がついたように泣いている時
どうやった安心できるのかと思ってしまいます。

パパもD君を怒りすぎて悪かったっと思っています。
太陽のお母さんになりたいのですが、大地の母になりたいのですが、
現実はそうもいかず。反省
でもお話を聞く事はやっぱりいい事ですよね、知らない事いっぱいあるし
そうなんだ-っと思うことが出来たし。
今回ぎくっと特にしてしまったので、いきなり長いメールになってしまったのですが。

下の子は上の子を見ているのか甘え上手です。
両方ともとっても可愛くって大好きです。

「勉強は何故しないといけないの?」っといつも上の子に聞かれます。
「K子ばっかり遊んでいてずるい」っと
宿題をする時間より遊んでいたいから、だっと言っています。

私は「知ることは面白いよ、字が読めれば本人の好きなプラモデルが自分で作れるし、
恐竜の本も自分で読めるよ」とは言ってみても、わかんないっと言っています。
できたとかやれるようになった喜びをいっぱい感じて欲しいし、と思うのですが

私は勉強が嫌いで高校でもう勉強はまっぴらご免って感じでした。
二〇歳の頃仕事をしながら宅建の勉強をした時に覚える事が面白いと思いまして、
あーもっと前に気が付いてやっていたらなぁーっと思いました。

去年はパソコンの勉強を会社でさせてもらい、朝早起きをして勉強する一年でした。
教室が夜の六時から八時週二回だったので子どもたちが寂しかったかも?
でも充実していました。

大泣きをしている時いまさら恥ずかしいんだけど、どうしたらいいのでしょうか?
勉強は何故しないとっと聞かれた時の私の返事はマズイでしょうか?
夜寝る時には「D君が大好き、D君だーいじ、D君ちゃん大丈夫。ママや
パパがいるからね」っと、言っているのはかえって良くないのかしら?
安心できるかなぁっと思ってたまに言ったりするのですが、

学童保育に行っていてもどーも、いい子みたいでおとなしいようです。
家ではくそババーとか言っているし、威勢はいいのに。
でもそれは私の情緒不安定が悪かったのには参りました。

今先生の講演を聴けたきっかけを忘れずにしようと思いました。
ありがとうございました。
パパにも聞かせてやりたかったなぁと思いました。
二人で聞けばもっとD君について話ができるから。

またメールします。

(愛知県T市・R子より)

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【R子さんへ、はやし浩司より】

 メールから浮かびあがってくるご家庭は、とてもすばらしいですね。どこか全体にほのぼのとして、それでいて活気があって。R子さんの、生き生きしたママぶりが、目に浮かんできます。まったく問題ないですよ。順にご質問について、考えてみます。

●いやなことを、『いや』と言わないこと……長男、長女は、総じてみれば、神経質な子育てをしてしまうため、その分、子どもも萎縮し、(あるいは無理をするため)、どうしても意思表示がへたになります。いやなことがあっても、「いや」と、はっきり言うことができないわけです。しかし「がまん強い子」と誤解してはいけません。このタイプの子どもは、ストレスを内にためやすく、そしてその分だけ、心をゆがめやすくなります。ひねくれる、いじける、ぐずる、つっぱるなどの症状があれば、要注意です。

 しかし一度、そういった行動パターンができると、なおすのは容易ではありません。ただしここで誤解していけないのは、そのパターンはだれに対しても、同じというのではありません。子どもは相手によって、パターンを変えますので、一部分だけをみて、それが子どものすべてと思ってはいけません。家の中で見せる様子と、友だちとの世界で見せる様子が、大きく違うということはよくあります。A君に見せるパターンと、B君に見せるパターンが、大きく違うということもよくあります。

 だから一部だけを見て、「うちの子はダメ」とか、「心配だ」と思ってはいけません。もちろん威圧的な過干渉や、神経質な過関心が日常化すると、子どもの心は内閉しますが、(あるいは反対に粗放化することもあります)、そういうケースでは、全体に行動や言動が萎縮します。もしそうなら、それは子どもの問題ではなく、親の問題だということです。

●「いつか爆発するよ」と言われたこと……多分、園長先生は、「ストレスがたまると、それが心をゆがめ、それがあるとき臨界点を超えて、爆発することもある」という意味で言われたのだと思います。

 一般に、ふつうでない家庭状況で育てられた子どもは、大きく分けてつぎの二つの経過をたどります。ひとつは、そのままのパターンでおとなになるタイプ。もうひとつは、その途中で、ゆがんだ自分を、自ら、軌道修正しようとするタイプ、です。

 たとえば親の過干渉で、精神そのものが内閉したような子どものばあい、そのまま内閉したままおとなになるタイプと、その途中で、そうした自分を一度リシャッフルするタイプがあります。リシャッフルといっても、ふつうのリシャッフルではありません。心に受けたキズが大きければ大きいほど、あるいはあとになればなるほど、はげしいリシャフルのし方をします。はげしい暴力をともなう家庭内騒動に発展することも珍しくありません。子どもの成長ということを考えるなら、一見、扱い方がたいへんなように見えるかもしれませんが、後者のほうが、好ましいということになります。

 もちろんR子さんのケースがそうだと言っているのではありません。これも一般論ですが、幼児教育の世界では、「いい子」ほど、心配な子どもなのです。親に向かって、「ババア」とか、「クソババア、早く死んでしまえ」と言う子ども、あるいはそういうことが言える子どものほうが、正常だということです。子どもの口が悪いことを、あまり深刻に悩まないこと。言いたいだけ言わせながら、相手にしないようにします。相手は、子どもなのですから。

●イライラすることについて……約72%の母親が、子育てでイライラしています(日本女子社会教育会・平成七年調査)。そのうち、7%は、「いつもイライラする」と答えています。だから、ほとんどの母親は、子育てをしながら、イライラしていると考えて、まちがいないようです。R子さんだけが、例外ではないということです。
 
 そこで大切なことは、そのイライラを、自分の範囲にとどめ、それを子どもにぶつけないこと。……と言っても、子育てはいちいち考えてするものではありません。子育てはいわば、条件反射のかたまりのようなものです。たいていの母親は、「頭の中ではわかっているのですが、いざその場になると、つい……」と言います。子育てというのは、そういうものです。あまり自分を責めないように。子どもにも適応能力があるので、その能力を信じてください。情緒不安もある一定の範囲なら、子どものほうがそういう親でも適応してしまいます。

 子育てをしていて、イライラしたら、子育てそのものから離れる方法を考えます。少し無責任な言い方かもしれませんが、ときには、「なるようになれ!」と、子育てそのものから離れるような「いいかげんさ」も大切だということです。またそのほうが、子どもも羽をのばすことができ、かえって子どもの表情も明るくなります。

●「赤ちゃんが火がついたように怒る」について……かんしゃく発作が疑われます。時期的には、もうそろそろ落ちついてくるものと、思われます。自意識(自分の意思)で、コントロールするようになるからです。ただこのタイプの子どもは、興奮性だけは残りやすく、そのため年齢が大きくなっても、緊張したりすると、声がうわずったり、反対におどおどしたりすることがあります。興奮させないように。食生活の面で、カルシウム分やマグネシウム分の食生活が、この時期、たいへん効果的ですので、一度、ためしてみてください。

●甘えじょうず……心の開いている子どもは、甘えじょうずです。甘え方が自然で、親のほうがやさしくしてあげると、そのやさしさが、スーッと子どもの心の中にしみていくのがわかります。R子さんのお子さんは、「甘えじょうず」ということですので、心の問題はないとみます。このままスキンシップを大切にして、お子さんたちが心を開いてきたら、それをいつもやさしく包んであげてください。一般に愛情豊かな家庭に育った子どもは、ぬいぐるみを見せたりすると、ほっとするようなやさしさを見せます。

●「どうして勉強しなければいけないの?」について……R子さんの答え方は、満点です。視線がお子さんの目の高さにあるのが、よくわかります。コツは、言うべきことはしっかり言いながらも、あとは「時」を待つということです。その場で、「わかんない」とか言って、反応がなくても、あせってはいけません。子どもと接するときのコツは、言うべきことは言いながらも、そのときは、わからせようと思わないこと。

イギリスの格言に、『子どもの耳は長い』というのがあります。もともとの意味は、「子どもはおとなのヒソヒソ話でも聞いてしまうから、注意しろ」という意味ですが、私は勝手に、「子どもの耳は長く、耳に入ってから脳に届くまで時間がかかる」と解釈しています。参考にしてください。

●寝る前の愛情表現……心安らかな眠りは、子どもの情緒の安定のためには、とても重要です。欧米では、「ベッドタイムゲームの時間」として、たいへん大切にしています。日本でも就眠儀式といいますが、子どもは毎晩、眠りにつく前、同じ行為を繰り返すという習性があります。

まずいのは、子どもをベッドへ無理に追い込み、電気を消してしまうような、乱暴な行為です。子どもの情緒が不安定になることがあります。R子さんのやり方でよいと思います。概して言えば、日本人は、元来スキンシップの少ない民族です。遠慮せず、ポイント的に濃厚な愛情を表現してみてください。ベタベタの愛情表現がよいわけではありません。要するに、子どもを安心させるようなスキンシップを大切にします。

●「いい子みたいでおとなしいようです」について……内弁慶外幽霊というのですね。

 以上です。R子さんの子育てで、参考にしていただければ、うれしく思います。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 幼児の就眠儀式 就眠儀式 ベッドタイムゲーム ベッド・タイム・ゲーム)