最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●悪性自己愛症候群

2009-03-25 09:57:53 | Weblog
●悪性自己愛症候群



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自己愛の三大特徴は、(1)極端な自己中心性、(2)

完ぺき主義、(3)他者の批判を許さない、ですね。



「自分は最高」と思う、その返す刀で、自分以外の

人の価値を認めません。歴代の独裁者たちに、その

例を見るまでもありません。



その自己愛が、さらに変質すると、ここでいう悪性

自己愛症候群と呼ばれる症状を見せるようになります。



こわいですよ~、



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 小学生の少女を殺害するというような犯罪者に関して、「悪性自己愛症候群」という言葉が聞
かれる。



 自己愛者は、少なくない。一般論として、自己中心性が、極端なまでに肥大化し、「世界の中
心にいるのは私だけ」「私さえよければ、あとはかまわない」などと考えるようになるのを、自己
愛という。極端な完ぺき主義、他者の価値(人格)の否定なども、その中に含まれる。



 そうした自己愛が、さらに社会との隔絶などによって、独特の世界をつくることがある。多く
は、引きこもり(withdrawal)や、退却(retreat)をともなうことが多い。他者と良好な人間関係を
結べないためである。



 こうした状況が長くつづくと、性嗜好性障害のほか、倒錯的趣味や妄想性、空想的虚言性な
どが加速される。他者への暴力的攻撃性が出てくることもある。そうした症状を、総称して、
「悪性自己愛症候群」という。



 こうした悪性自己愛を防ぐためには、どうするか。



 言うまでもなく、他者との共鳴性を、大切にする。(他人の立場になって、他人の苦しみや悲し
みを共有することを、「共鳴性」という。)



ここ10年ほど、学校教育の現場でも、ボランティア活動の利点が見なおされてきているが、そ
うした活動、つまり損得を考えない他者への犠牲的行為、貢献をとおして、子どもに利他の心
を学ばせる。



 自分勝手で、わがままであるなど、子どもに利己的な様子が見られたら、「それは悪いこと」
と、はっきりと、さとしていく。言うまでもなく、利己と利他は、相反する、相克(そうこく)関係にあ
る。利己を修正するためには、利他的行動を子どもに求めるのが、もっとも有効である。



 さらに言えば、こうした利他性は、子どものばあい、(使いこむ)ことによって養われる。「子ど
もは使えば使うほど、よい子」という格言は、こうした背景から生まれた。ただしその時期は、
満4・5歳まで。この時期をすぎると、子どもは、親の指示に従わなくなる。



 この時期の家庭教育が、きわめて重要であることは、言うまでもない。

(はやし浩司 自己愛 自己愛者 悪性自己愛症候群 利己 利他 共鳴性)



(付記)



 「子どもに楽をさせるのが、親の愛の証(あかし)」などと、もしあなたが考えているなら、それ
は、とんでもない誤解である。



 子どもは使う。家事でも、何でも、だ。「あなたがこれをしなければ、家族の皆が困るのだ」と
いう雰囲気を、家庭の中につくっていく。子どもを決して、王子様や王女様にしてはいけない。



 子どもをかわいがるということは、子どもに楽をさせることではない。子どもにいい思いをさせ
ることでもない。子どもに好き勝手なことをさせることでもない。



 子どもをかわいがるということは、子どもを、いつか、よき家庭人として、自立させることであ
る。そのために、親としてはつらいところだが、子どもは使って使って、使いまくる。そういう育
児姿勢の中から、子どもは社会性を身につけ、忍耐力を養う。そしてここでいう「利他の心」を
学ぶ。余計なことかもしれないが……。



【補記】



 人はその成長とともに、「愛」を自分に対するもの(=自己愛)から、他人への愛(=対象愛)
へと転換していく。



 しかし乳幼児期に何らかの原因(多くは、愛情飢餓、欲求不満など)によって、その転換が、
遅れることがある。あるいは、内にこもったまま、外部に発展できなくなってしまう。



 自己愛者は、(自己)をすべての中心におき、自分を絶対化する。そのため完ぺき主義にお
ちいりやすく、自分の失敗はもちろん、他人からの批判、批評を許さない。批評、批判されただ
けで、混乱状態になる。



 日常的な行動としては、猪突猛進型。人の意見を聞かない。わがままで、自分勝手。しかし
当の本人は、そうは思っていない。「私が正しい」「私の正しさがわからないのは、それだけ、世
間の人たちが、愚かだから」と。



 自己愛者は、それでいて、他人の目を気にする。愛他的自己愛という言葉もある。他人の目
を意識したとたん、自分をよい人間に見せようと、見せかけの愛情を、ふりまいたりする。



 自己愛の中心にあるのが、幼児期の自己中心性。そのためフロイトは、自己愛者は、「リピド
ーが、自我の範囲にとどまって、他人に届かない状態」と考えた。つまりは、精神の未発達な
状態である、と。(これに対する、異説、反論は多いが……。)



 自己愛のことを、「ナルシズム」ともいう。ギリシア神話に出てくる、ナルキッソスに由来する。
自分の顔の美しさに自己陶酔してしまった男の話である。



 ほかに、自分の経歴や過去、さらに家柄に固執し、「私は絶対だ」と思うのも、変形自己愛者
と考えてよいのでは……? 日本には、まだ、このタイプの人が多い。

(はやし浩司 自己愛 対象愛 ナルシズム 自己陶酔 ナルキッソス)



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●自己愛について



自分を大切にすることを、「自己愛」と誤解している人がいる。



 しかし自分を大切にすることと、「自分だけが大切な人間だ」と思うことは、別。自己愛は、も
ともと極端な自己中心性が肥大化して、そうなる。



 たとえば私の兄は、頭が半分ボケている。痴呆症というより、人格そのものが、崩壊し始めて
いる。



 だから、こんな奇妙な現象が起きている。



 兄は、いつも時計ばかりを見ている。そして夕方、5時ごろになると、台所へやってきて、わざ
と時計をのぞきこむしぐさをしてみせる。



 もちろん、家事など、いっさい手伝わない。時計をのぞきこむしぐさを見せるのは、「夕食はま
だか?」「早くつくれ!」というサインである。



 そこであわてて、ワイフは兄のために夕食を用意する。私たちは、いつも7時ごろ、食べる。



 で、用意し終わって、「さあ、どうぞ」とワイフが声をかけると、兄は、こう言う。「ごくろうさん」
と。



 「ありがとう」ではなく、「ごくろうさん」である。



 つまり夕食を用意するのは、私たちの義務ということになっている。これが自己中心性であ
る。兄は、自分のことしか考えていない。



 兄のばあいは、極端なケースだが、こうした自己中心性は、いろいろな場面で経験する。程
度の差こそあれ、だれにでもある。しかしあのフロイトは、こうした自己中心性は、人格の未発
達によるものと、位置づけている。



 つまり自己中心的であればあるほど、その人の人格の完成度は、低いということになる。



 そこで最初の話にもどる。



 自分を大切にするといのは、高度な精神作用によるもの。自己の尊厳や自尊心をそれによ
って、守る。その人の自己中心性とは、まったく異質のものである。自分を大切にする人イコー
ル、自己愛者ということにはならない。



【付記】



 自己中心的な人が、自分の自己中心性に気づくことは、まず、ない。自己中心的であること
が、(ふつう)になっているからである。



 このタイプの人は、たとえば、いわゆる(ただ働き)をしない。利益につながらない労働は、損
と考える。たまに(ただ働き)をしてみせることはあるが、それは他人の目の中で、自己評価を
あげるためである。「こういう仕事をしてみせれば、みなは、私のことをすばらしい人間と思うだ
ろう」(愛他的自己愛、偽善)と。



 で、よく観察してみると、こうした自己中心性は、親から子へと、代々、連鎖しているのがわか
る。自己中心的な子どもがいたとする。そういうばあい、母親自身も、たいへん自己中心的で
ある。



 そんなわけで、子どもが自己中心的であっても、今度は、それに気づく母親は、まず、いな
い。母親自身が、子どもが(ただ働き)をしていたりすると、「そんなバカなことはやめなさい!」
とたしなめたりする。こんな例があった。



 ある高校生が、私にこう言った。「文化祭の実行委員をしているヤツらは、あほだ」と。理由を
聞くと、「そんなことをしていれば、受験勉強ができなくなる」と。そこで私が、「そんな話を聞い
たら、君のお母さんは、がっかりするだろうな」と言うと、「ママも、そう言っている」と。



 自己愛も、またしかり。



 そこで改めて、自己愛診断テスト。



【あなたは、自己愛者?】



(  )いつも自分が、(他人から見て)、いい人に思われていないと気がすまない。

(  )「ころんでも、ただでは起きない」が、一つの人生観になっている。

(  )完ぺき主義で、他人に重要な仕事を任すことができない。うるさ型。

(  )他人が自分より幸福だったり、裕福だったりすると、嫉妬しやすい。

(  )他人の悪口や、不幸な話、ゴシップ話を話したり、聞いたりするのが好き。

(  )他人に批評、批判されることを好まない。批判されると、激怒する。

(  )人の好き嫌いがはっきりしている。嫌いな人を、徹底的に排斥する。

(  )自分の利益につなげるため、その場だけをうまく、すりぬけることが多い。

(  )自分の思いどおりにならないと、気がすまない。自分勝手でわがまま。

(  )信じられるのは自分だけ。他人を信ずることができない。そのため孤独。



 10項目あげてみたが、半分以上あてはまれば、自己愛者の可能性が高い。言うまでもなく、
自己愛者は、自己を愛するのと引き換えに、かぎりない孤独の世界に身を置くことになる。



 「クリスマス・キャロル」の中に出てくる、スクルージーが、自己愛者の典型と考えてよい。






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