ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

流星ワゴン  重松 清

2010年09月08日 | 小説-日本-
2005年
講談社文庫
☆☆☆



38歳、妻に離婚をつきつけられ、息子は中学受験の失敗から家庭内で暴力をふるいひきこもる。
そして、会社をリストラされ、病院に入院している父親を見舞うことでもらえる車代をあてに嫌いな父親の見舞いを月に何度も行く。

もう、どうでもよくなり「死んでもいいや」と思いながら
ベンチでたたずんでいると
そこに、赤いワゴン車がやってきた。

その赤いワゴンに乗っていたのは
5年前に免許を取って初めてのドライブで事故を起こし即死した親子だった。

ワゴン車に乗り、自分の人生の”重要な日”に戻る
ただし、やり直しはできないが、
何が起こって、何に気付かなかったのかがわかる。
そして、
今、病床についている父親が、自分と同じ38歳の状態で現れ
一緒にワゴン車に乗り”重要な日”の旅をする。

父親と自分、自分と息子、そしてワゴン車の親子
親子のあり方、親として息子としての話が、ジンとくる。


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2 コメント

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こういうのもいいな (ぶー)
2010-09-09 03:48:53
その38歳の男が親子を即死させてしまったのですか?
(親子が単独で事故って死んだのかどちらか??)

「大地の子」「沈まぬ太陽」を読み続けていたので、こういう人と人の心を通わす物語が心にしみ続けています。

ぽちっとします。
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ぶーさんへ (ぶーくん)
2010-09-09 22:34:34
5年前に親子3人でドライブに行き
母親だけが生き残り父と息子(ここもいろいろ伏線があるのですが)が即死し、
その事件の記事を38歳の男が読んでいたという設定です。
間接的ながら、この二人を知っていたので、
この男の前に現れたのだと思われます。
設定がファンタジーのようですが、
リアリティがあるところが、ジンとくる所以なんでようね。
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