【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

現代の探検家《植村直己》 =021=

2017-09-14 06:21:37 | 浪漫紀行・漫遊之譜

○◎ Great and Grand Japanese_Explorer  ◎○

探検家になるために必要な資質は、臆病者であることです =植村直己

= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =

 自分が主役になるよりは常にメンバーを影でサポートするような立場でいたい ☠ 

◇◆ 先住民に学ぶ =2/6= ◇◆

 しかし「原住民」も「先住民」も、未開人であるという意味づけはもちろんのこと、いかなる差別的な意味もないはずである。私はここで現在の一般的な風潮にしたがって「先住民」という言葉を主として用いることにするが、意味としては「原住民」と変わるところはない。またそこにいかなる差別感覚もないことはいうまでもない。

植村自身の言葉を聞こう。彼は、冒険の方法、自然への適応と順化についてまことに淡々とした調子で語っている。

《私はもともと金がなかったから、何とかして現地の人に受け入れてもらわなくちゃやっていけないという実際的な事情がありました。厳しい自然のなかでサバイバルの技術を身につけるということはひとまず別にしても、食と住で、そして衣も含みますが、エスキモーの人たちに頼らなくちゃなりませんでした。


 頼る以上は、自分の勝手にするわけにはいきません。自分の都合とか理屈をおさえて、エスキモーの生活にできるだけ溶け込む。それが結果としてけっこう極地への順化、適応に役に立ったと思います。そして彼らの生活に適応していきますと、そこには極地での生活の長い歴史が生んだ貴重な知恵があるわけですから、おのずと、極地という自然への適応になっていくんです。》(『植村直己の冒険学校』「たどってきた道」文藝春秋)

 まずエスキモーの人たちに現地で受け入れてもらう必要があったと語っているけれど、1972年9月にグリーンランドのシオラパルク村に入ったのは、犬橇の操縦を学び、身につけるというはっきりとした目的があった。それが南極大陸単独横断という夢を実現するための、最低の必要条件だった。そして、エスキモーの生活に溶け込んでいった結果、極地の自然への適応につながった、というのは偽りのない順序だろう。

 ただし、先住民に頼る、という植村のやり方は、このグリーンランド行が初めてではない。先の引用の少し後に、彼は話を続けている。

《現地の人には、その風土に生きる知恵がおのずとあるわけだから、そこで自分が何かやろうと思ったら、少しでも自分をそこに順化させていくというのは、当然ですね。


 これは極地ばかりじゃなく、アマゾンなどでも同じですね。アマゾン河を筏で下ったのは、金がないから舟なんか買えず、それで筏でということもあったんですが、筏でやれるんじゃないかと思ったのは、原住民が筏を使ってアマゾン河を通行していたからです。彼らはそうやってそこに住んでいる。オレだってそこに住めないわけじゃないだろう、という単純な発想が生まれてくる。彼らと同じようにやることができればいいはずだ、という気持ちになってくる。》(同前)

 彼らと同じようにやることができればいいはずだ。これを単純な発想だと植村は謙そんしていうけれど、ここにはじつは深い考えがこもっている。冒険の対象とする場所(地域)に人が生きている以上、彼らの生き方に学ぶことが方法としてベストであるという考え方は、少しでもそこに住む人びとに対する差別感覚があっては成り立たない。

 植村は、アマゾンの先住民にも、ネパールのシェルパ族にも、極地のエスキモーにも、自分と同じ人間という、ごく当り前の感情をもちつづけた。それが彼の人間を見る目だった。エスキモーのサバイバル技術には深い敬意をいだく一方で、ダメな相手に対しては、困った奴という思いをちゃんともつことができた。そこがすごい。

=補講・資料=

エスキモーの食生活

伝統的なエスキモーでは、食生活は狩猟によって得た生肉が中心であった。獲物は漁を中心とするエスキモーはアザラシ・クジラ等、また陸での猟をするエスキモーはカリブートナカイ)などである。生肉の他は、ツンドラの原野に自生するコケモモの実などを食することもある。ただし、気候上農業は不適なので穀類を食べることはなかった。旧石器時代食を古くからの食文化としている。

アメリカのエスキモーについては、現在アメリカの食文化が流入しており、伝統的な食文化が失われつつある。この結果、伝統的な食事(生肉)や料理法(加熱をあまりしない)からは得られていたビタミン類などの栄養成分が不足してしまうなどの問題が起きている(太陽光線の弱い北極圏では、北欧に住むコーカソイドのように肌のメラニン色素が薄い人種は太陽光線を多く皮下に取り込みビタミンDなどを体内で作り出していた。しかしながら、モンゴロイドであるエスキモーは色素が濃く太陽光線の皮下取り込み量が不足してしまう。そのためにも狩猟した動物の生肉や内臓を食べる必要性があった)。 現在は医師や栄養士のアドバイスにより不足するビタミン類をサプリメントから得ている。

グリーンランドのエスキモーには海鳥の発酵物キビヤックを食する習慣がある。乳酸菌による発酵で微量のビタミンCが生成される。極寒の土地であり酒を含む発酵食品はエスキモーには存在しないというかつて存在した定説は間違っていることが明らかになっている。

シロクマやハスキー犬など局地に住む動物の肝臓には、温暖な地域の動物に比べて非常に多くのビタミンAが含まれており、一般的な人間が食べるとビタミンA 過剰症を引き起こし、最悪の場合死亡する場合がある。一方、極地での食生活に順応しているイヌイットの身体には高濃度のビタミンAを代謝する能力がある。

伝統的な生活を営む者もいるが、地球温暖化が進んだ現在では、氷上を移動すると氷が割れる恐れがあるため、猟師たちはアザラシやシロイルカなどから、内陸部のカリブーに狙いを変えるようになった。こうして、現在のエスキモー社会は、海岸から離れて暮らすようになっている。

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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