曼荼羅は、多面的な価値観の象徴なんですね。
21世紀のいまの社会は、何かにつけて
一元的な価値観が最優先されます。
グローバリゼーションというのは、まさにそれでしょう。
邪魔者は切り捨てろと言わんばかりに、一つの目標に一目散に
突き進んでいるわけですが、
曼荼羅の世界観はその真逆です。
欠陥品や余計なもの、邪魔なものを集めてきて、
一つの社会をつくる。
一つひとつを見れば欠点が多くても全体を支える
掛け替えのない分担者であり、
それらが集まって完璧な全体をつくり上げる、
というのが曼荼羅の世界です。
この考え方は、人間一人ひとりのよさを生かし、
理想の世の中をつくる上では
非常に大事な思想だと思います。