


しかし、先生からそのじゃがいもの由来について教えてもらうと、「へえ」とうなった。日本も以前は旬の野菜や食べ物にも由来があり、それを大切するという食文化があったと思うが、フランスでも同じように信仰心と季節感が大切にされているのだ。
さて、その特別なジャガイモの名は、La Bonnotte。タイトル画像の、小さめでころころしたジャガイモだ。Noirmoutier(ノアムチエ)という、ナントの南西にある小さな島で作れている。
このじゃがいもの種まきが行われるのは、毎年2月2日。この日は聖燭節(フランス語ではChandeleur)、すなわち、聖母マリアが天使ガブリエルから受胎告知を受けた日。父親のいない子を身ごもったマリアが村八分にされていたものの、神の子を宿したと告げられて、ろうそくの灯された道を村に戻ったことに由来して、chandelle(ろうそく)を灯すChandeleurと呼ばれているとのことだ。教会でミサの始めに蝋燭を持った行列が行われ、この日でクリスマスシーズンが終わる。じゃがいもは、種まきから90日以降に収穫され、市場に出される。
そのため、このジャガイモが買えるのは、5月の上旬のちょっとの間だけで、しかも生産量が限られているので、売り出されてもすぐに売り切れちゃうのだそうだ。そのため、Bonnotteが売り出される季節を覚えていないと買いはぐってしまうのだ。先生いわく、「このじゃがいもを買ってプレゼントするというのは、相手のことをいつも考えていますよ、ということなのよ。ちょうど、この時期に誕生日の友人がいるのだけれど、箱入りのBonnotteを贈るととても喜ばれるの。私は、いつもあなたのことを考えているわよ。」
先生は、私の母よりちょっと年が下だし、私より7歳ぐらい若い娘さんもいるのだが、いつも私を娘のようにかわいがって、気にかけてくれている。本当にありがたいことだ。
ちなみに、去年は私の夫にこの特別なじゃがいもをくれたそうなのだが、私は母の病気と仕事があってパリにいられなかったので、このじゃがいものことはぜんぜん知らなかったのだ。夫は大事に冷蔵庫に入れて保管した挙句、腐らせたらしい。。。

今年は初めてパリの春を迎えて、知らなかったことがいろいろ経験できて、わくわくする毎日だ。

というわけで、昨日の夕食はさっそくBonnotteを使ってフライドポテトを作った。フランス語のレッスンで、ちょうどフォアグラとフォアグラに合う貴腐ワインの話をしていて、むしょうに貴腐ワインを飲みながらフォアグラを食べたくなり、帰りに私の大好きなスーパーInnoに行って、Mousse de Foie au Sauterneを購入。ソーテルヌとは、ボルドーの貴腐ワインなのだが、貴腐ワインにぴったりのお惣菜だ。さらに、Pain d'Epiceを買う。スパイスの入ったちょっと甘めのパンは、フォアグラをのせて食べるとなんともいえないおいしさ。以前、レストランで友人が前菜に注文していて、一口食べさせてもらったらおいしかったので、家でもぜひやってみたいと思っていたのだ。それから、アオカビ系のチーズBleu d'Auvergneに、お気に入りのバゲットを、Innoの入口のパンやで入手。ほんとはアオカビ系のチーズは苦手なのだが、このBleu d'Auvergneだけはクリーミーで臭みをあまり感じず、好きなのだ。


今日の貴腐ワインは、定番のソーテルヌではなく、同じくボルドーだが、ソーテルヌとはジロンド川をはさんで対岸のSainte-croix-du-montのものにした。これは、ワイン講座で教えてもらって、そのときにフォアグラやロックフォールチーズと一緒に頂いて、とってもおいしかったので気に入ったものだ。ちょっと香ばしいなかに、蜜りんごの味がする。

おまけは、自作の野菜スープ。まずさ加減が伝わらないようにわざとポンぼけにしました。(うそ、最近手ブレが激しくなって心配です)


フライドポテトはおいしかったですか?
今日の煮物はいかがだったのでしょうか?
私も、野菜やら魚やら、いろいろもらいものが多いですが、ほんとにありがたいですね。
しかも、先生のお気持ちが込められていて・・・。
ワインの写真背景の窓の手すり?が、とってもおフランスの香りを漂わせています。
ボワシエールさん、ほんとにおフランスに住んでいらっしゃるのですね。
なんだか、おフランスの香りも感じるのが不思議です。
ちょっとじゃがいものデザートに挑戦する勇気はありません。
主婦降格のパンダ係長より
それとも、私からはおフランスの香りが漂わないということでしょうか?
ただ、今回のワインの写真が、「ほんまもんのパリ」という雰囲気をかもし出していたので、そういう表現になったのです。
書き方悪かったですね・・・
いつも、おフランスの香りは香ってます。
でも、ボワシエール宅の写真は窓辺のを見たことがなかったので・・・。
特に窓辺がすっごく「パリ!」って感じのお写真です。
素敵~。
さりげない「パリっぽさ」が醸し出されてるって感じです!
一度だけ、パリに行ったことがあるのですが
ああ、窓とかああいう感じのおうちを
見たなあ、なんて思い出しました。
「アメリ」だわー。(すみません、発想が単純で)
5月に行きましたが、日がすごく長くて驚いたのを覚えています。
ジャガイモにチョコレートですか…。
気にはなりますが…やる勇気は出ないかもしれません…。
いえいえ、気にしないでください。冗談です。
うちのアパートは築100年以上なので、外から見てもちょっとステキです。せっかくパリに住むのだから、パリらしい部屋を借りたいと思って、古いアパルトマンを中心に探したのです。家の中はもちろん改装していますが、大家さんの趣味が良くて(除くカーテン)、アンティークの家具などもおいてあるんですよ。
ちひろさんもパリにいらしたことがあるのですね。
「アメリ」のカフェは、18区でモンマルトルの丘のふもとのほうにあります。あの辺りもパリらしくて、ステキな雰囲気のところですよね。
ワインの写真は偶然です。あんまり構図とかよく考えていなかったので。お料理の写真、もっとステキに撮れるようにがんばります。
農産物がマリア様の受胎告知とエピソードがからんでくるあたり、さすが~おフランスです
フランス語のセンセの粋な計らいですね~。
家にPARISの地図貼ってあるけど、
ボワシエールさんちがあるんだよな~
と思うと、不思議です。
(入り組んだ地図だ・・・。
PARISは・・・。)
う~む、つけあわせもパンもスープもうまそうだよ~。
関係ないが、ボワシエールさんが良く会うあの方N村E子さんの本がでたよ・・・。
(ご近所かもなんでしょ?)
聖燭節は日本でいうと立春みたいなものでしょうかね。
ところで、N村E子さん、どうやらほんとにご近所みたいです。この間は、うちの最寄駅がある大通りでテレビ撮影してました。ベビーカー押して。
http://www.ocn.ne.jp/info/announce/2006/03/16_1.html
4月の雑誌「クロワッサン」に出てました~
(ちなみに・・・。パリ特別取材で字絵ーン・バー金が出てますた・・・。)