詩人・「長田弘」の詩集より抜粋して取り上げます。
イツカ、向コウデ
人生は長いと、ずっと思っていた。
間違っていた。おどろくほど短かった。
きみは、そのことに気づいていたか?
なせばなると、ずっと思っていた。
間違っていた。なしとげたものなんかない。
きみは、そのことに気づいていたか?
わかってくれるはずと、思っていた。
間違っていた。誰も何もわかってくれない。
きみは、そのことに気づいていたか?
ほんとうは、新しい定義が必要だったのだ。
生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。
きみは、そのことに気づいていたか?
まっすぐに生きるべきだと、思っていた。
間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。
きみは、そのことに気づいていたか?
サヨナラ、友ヨ、イツカ、向コウデ合オウ。
上記は「死者の贈り物」全20編の中の一編です。もう、10年位前になりましょうか、この「詩集」に遭遇しました。
「少年ジャンプ」何ぞに代表される「青臭い」ものに対する強烈なる「アンチテーゼ」とも読み取れます(まあ、読み方の一つですよ・・・)。ここに書かれているものは有る意味「真実」ですね。
私は「ふたご座」の権化の様な人間ですから、こう言う「アウトサイダー」的なものには妙な共感さえ覚えてしまうのです。
「マトリックス」の「真世界」を見ちゃった~~と言う感じです。
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