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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

【ほうとう】山の神(高尾)

2012年06月17日 02時18分03秒 | 






先日、夕食で利用させてもらった高尾のいろり料理の店『ごん助』。その隣にある姉妹店『山の神』のほうとうがかなり美味いらしい、との評判を得たので行ってみた。
“山の神”と言えば柏原竜二だが、この店は同選手が得意とする箱根路を彷彿とさせるような峠(大垂水峠)の鞍部にある。高尾山の麓、と言った方が伝わりやすいかもしれない。
名物は先にも述べた「ほうとう」と、伊勢志摩などの名物で知られる「手こね」、そして「麦とろろ」。加えて「田舎カレー」といきたいところだが、もちろんそんなものはないぜ。
「山の神」という店名の前に“爺々婆々の手料理”というフレーズが冠されることからも察せられるように、店内は山里の庵よろしく心なごむ素朴な雰囲気に溢れる。百軒分の農家の大黒柱や梁を組み合わせて作ったという建物は、柱や梁、テーブル、床などすべての木材が囲炉里による燻蒸で深く輝いており、天然建材ならではの温もりが感じられる。そんな山の神が宿っているかのような店内で味わう、山の幸をふんだんに使ったほうとう……。これは期待せずにはいられねえぜ。



ほうとうにはいくつかの種類がある。『森のきの子のほうとう』『お肉たっぷりほうとう』『具たくさんほうとう』の3つがその内訳。初訪店ということもあり、もっともバランスの良さそうな『具たくさんほうとう』をチョイスした。

注文を受けてから材料を仕込むのであろう、30分以上もかかってやっとこさ料理が運ばれてきた。
ほうとうは御膳形式となっており、天ぷらや小皿、香の物、デザートなども付く。思った以上にボリュームである。そしてこの砲塔、いやほうとうが実に美味いのであった。「ほうとう鍋」の名が示すように、根菜類をメインとした具材を味噌ベースのスープで煮込んだ「鍋」の一種であるが、麺に官能的とも言えるしっかりとしたコシが残っており、美味いさぬきうどんを食ったときのような感動がある。具は里芋、きんぴらごぼう、かぼちゃ、しめじなどのきのこ類に豚肉などなど。さらにその上にとろろが欠けられネギが散らされている。その名に偽りなしの具だくさんっぷりである。プンと薫る味噌ベースのスープの香ばしさも素晴らしく、するすると食べさせられてしまう美味さがある。文句なしに今まで食ったほうとうの中でNo.1の味だろう。
「さすがだな」と感じさせられたのは、小鉢にノビルのぬたが載っていたこと。数日前、朝の散歩番組で俳優の岡本信人氏が多摩川の河川敷に群生していたノビルを採取し、その場で食べているのを見て、「きっと滋味深くて旨いんだろうなぁ。食ってみてえなぁ」と興味を感じていただけに感動もひとしお。山里の料理屋でなければ、まず口にできない一品だろう。少し甘めの酢味噌で和えられており、野草ならではの苦みが程よく中和されていて美味かった。



竹の子と白身魚の炊きもの。あっさりとした上品な味付け。



天ぷらは野菜が中心。ほうとうとは別に揚げたてを持ってきてもらえるのが嬉しい。塩でいただいた。



デザートはかぼちゃのアイス。これが思わぬ逸品でコク深くて美味!





食後は店の周囲を散歩。清流のせせらぎとフィトンチッドに満ちた森の澄んだ空気。こんな場所を散歩すれば消化効率も3割増しだ。やっぱり山はいい。


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