プラネタリウム
こじんまりとした熱帯魚屋を営む男が、
ひょんなことから想像を絶する破滅の世界へ導かれていく姿を描いた作品。
主婦なのに食事は冷凍食品の寄せ集めで電子レンジを駆使しているのにはビックリ!
吉田の荒っぽいご家族にはもうひと暴れしてほしかった気もしたなぁ。。。
美津子役の若い女優さん健康的すぎてグレている役には見えなかったのよね。。。
かの国のエログロ映画顔負け?の物凄いありさまの浴室だったわ。。。
清純派?の私は途中で少し気分が悪くなりWCへ直行してしまったな。。。
観賞後、焼き肉屋へ行く予定だったんだけど、さすがにキャンセルしてしまいました・・・。
この監督の『愛のむきだし』同様、善人は一切登場しない。
キレイ事な台詞も言わない。
狂ってる人達を妙なテンションで浮き彫りにしている。
心の奥底でモヤモヤ宿っていても表に出せない嫌な感情をあぶり出している印象。
道徳的には決して共感したくはないけど、
一瞬「よくここまでこんな悪趣味?を映画にしてくれたよね~。」
と監督に拍手をおくりたくなった自分もいて、なんだか自分が怖くなったよ。。。
どちらかというと脇役が多かった人達がメインキャストで
皆それぞれ怪演していたんだけど、
特に愛子役の黒沢あすかが凄まじかったですネ!
本性がつかめないうらぶれた悪女役を演じさせたら右に出る者はいない感じ。
幾度とあるラブシーンなんかは無駄な場面にも思えたんだけど、
後から思えばそれらの場面も伏線になっているような気もした。
後味は良くはないし、映画の作りとしては細かな部分で粗もあるので
傑作とまではいかなくても佳作以上だと思いましたよ。
P.S.
黒沢あすかって声の質感や面差しが中澤裕子に似ていると思うのは私だけかしら?
私はこの作品はエンタテインメントだと思っているんですね。人間の持つ狂気を表現するのに、こんなユニークなやり方もありのかと感心しました。グロいだけだったら私は大の苦手なんで観たくなくなっていたと思うのですが、目が釘付けになっていたもので…。
普段は脇役が多い方々ですが流石に上手い人は、どんな役やっても上手いですねぇ。
この作品は賛否両論分かれているようですね。
点数で言えば100点か0点に分かれる映画なのかも?
本来は観客によって意見がハッキリ二つに分かれて
観賞後あれこれ言いたくなる映画が真の娯楽映画だったような気がするんですよね。
近年の日本映画はベストセラー原作モノや人気ドラマのスペシャル版といった
確実に興行収入を見込める映画ばかり製作していて安全圏を狙いすぎている・・・。
そういった中で万人受けを狙わず、思いきったチャレンジをした
監督・スタッフ・キャストの意気込みを讃えるべき作品のように私は感じましたよ。
普段は脇役が多い人をメインキャストにしたのは
韓国映画『チェイサー』を意識したのかもしれないですね。
今まで引き立て役に徹していた人が大きな役(チャンス)を得た事で底力を発揮する
その効果を活かす演出意図だったのかもしれないですね。