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The Rolling Stones 『Shine A Light』

2008-12-18 | cinema & drama


今年の4月にロンドンの友達がプレミアム・ショーに行ったという報告を聞いてから半年以上、楽しみにしていたThe Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)のライヴ・ドキュメント映画 『Shine A Light』 を観に行ってきた。
観終わった感想をひと言で表すと・・・「シビレた~!」。ホンットにカッコ良くて素晴らしかった。やってくれました、マーティン・スコセッシ監督。
監督自身がストーンズの大ファンで音楽通ということもあり、ツボを押さえまくり。もう、映画という枠を超えていた。
2006年の秋に、ニューヨークのBeacon Theatre(ビーコン・シアター)で行なわれたライヴで、もう今ではスタジアムでのツアーが当たり前のストーンズを、3000人弱のキャパシティの劇場スタイルでフィルムに収めているので、臨場感は溢れんばかり。
ライヴが始まるまでのイントロダクションが面白かった。そしてそのイントロダクションで、これは映画であって映画でないというのが垣間見えた。
撮影の打ち合わせはほとんどなく、スコセッシ監督にセット・リストが渡されたのは、一曲目の 「Jumping Jack Flash」 でキース(Keith Richards)がギターをかき鳴らすのと同時だった。
ライヴが始まると、その音に鳥肌が立ち、涙さえ浮かんできてしまった。カッコ良すぎる・・・。
それにしても、ミック(Mick Jagger)はもはや人間ではないのでは・・・と思わせるばかり。とても65歳(撮影当時は63歳)とは信じられない。スリムのブラック・ジーンズに身を包み、スレンダーでセクシーなプロポーション。短いTシャツから覗くお腹はキュッと引き締まって、お尻はプリプリ。
そして若い頃以上に、動く動く。相変わらず変なダンスだが踊りまくって走り回る。決して息切れはしない。それどころか、逆にだんだんと声に艶とハリが増して行く。恐るべし!!
キースの茶目っ気ぶりとチャーリー(Charlie Watts)のジェントルマン気質は変わらずで、何度笑わせられたことか・・・。
キースがロニー(Ron Wood)の肩に身を寄せてニコニコしている姿がとても可愛くて、肘をサッと挙げてオープン・チューニングで弾くお馴染みのスタイルにカンゲキ。自由気ままにステージを楽しんでいるという感じが、キースらしくて微笑ましかった。
途中、黒のロング・コートを羽織って煙草片手に 「You Got the Silver」 と、続けて 「Connection」 と2曲ソロで歌ったのだが、キースのVo.もちっとも廃れていない。かつてドラッッグの影響で歯が全部抜けて生まれ変わった辺りから、彼もまた人間という域を超えているのかも知れない。
ミックが、ドラムの目の前で猛烈にチャーリーにアピールしているのに、チャーリーは殆んど目を合わそうとせずに時折フッと笑い、最後にカメラ目線でほっぺを膨らませてふーっとため息をつく姿には笑わされた。タイトル写真の、チャーリーの服装にも注目したい。
ロニーは相変わらずいい男っぷりを発揮していたし、「Faraway Eyes」 でペダル・スティールの前に座り、ミックに “変な楽器、弾けんの?” と言われてニマッと笑い、完璧にカントリーの世界を作り出すところは見もの。
キースの12弦アコギだけで歌った 「As Tears Go By」 には、再び鳥肌が立った。
曲間に時々昔のインタビュー映像が挿入されていて、これがまた笑いを誘う編集で、監督の愛が感じるステキで粋な構成だった。
ゲストで登場したThe White Stripes(ホワイト・ストライプス)のJack White(ジャック・ホワイト)と、Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ)とのそれぞれのデュエットもとっても良かったが、圧巻だったのが、「Champagne & Reefer」 で登場した名ブルーズ・ギタリスト、Buddy Guy(バディ・ガイ)。ギターはもちろんのことだが、その声はとても渋くて迫力満点だった。そんな渋いブルーズ・マンは、水玉ギターとお揃いの水玉ストラップという可愛い一面も・・・。
歌い終わったあと、キースが自分の弾いていたギターをバディ・ガイに渡し、“プレゼントだ” と言うのが可笑しかった。
「Brown Sugar」 では、スクリーンを見ながら “フーッ!” と叫びそうになったし、私を含め、一曲終るごとに小さく拍手していた満員の観客も、最後には皆大拍手。自分もライヴに参加している気分にさせてくれる作品だった。
ライヴが終り、カメラはステージから袖を通って外に出ると、そこに居た監督が “上へ上へ!” と叫び、カメラはニューヨークの夜の街をパーンして上空から捉え、空には満月。そしてその満月がストーンズのベロ・マークに変身すると言う粋なラスト・シーンだった。
余談だが、観客はステージにかぶりつき。最前列はほとんど女性で、それがまた綺麗な女性ばかりだった。アレはやはり仕込みだろうか・・・。(笑)

この作品はもはや、21世紀のロックのマスター・ピースと言えるだろう。
グルーヴィでブラックで、そしてファンキーなストーンズは、その名の通り、転がり続けている。
DVD化されたら、買わずにいられない。もう一回くらいは生のステージを見てみたい・・・できれば国外で・・・。


★日付が変わったので・・・Happy Birthday, Keith!!


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