DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

夢(64)

2014-03-12 23:56:34 | ButsuButsu


2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって、福島第一原発が被災した。

当初、多くの原子力の専門家がメルトダウンはしていないだろうと述べていた。

しかし、現実には1号機から3号機までがメルトダウンし、3年たった現在でも深刻な放射能汚染が発生している。

厄介なことに、溶融した炉心近くの状況は不明で、何が正しい情報なのかさえ把握しがたいのが現状だ。

専門家が完全にはあてにならない顕著な事例だ。

その後、日本各地で反原発運動が起こり原発の再稼働停止と再生可能エネルギーへの転換を求める活動が続いている。

最近では、小泉元首相が脱原発を熱心に提唱している。

確かに、人類が完全には制御できない原子力発電に依存せざるを得ない社会構造そのものに欠陥がある。

一方で、再生可能エネルギーへの転換も容易ではない。

例えば、太陽光パネルを作る際にかかる経費や使用するエネルギーは決して小さいものではないし、仮に稼働できたとしても賄える総エネルギーは、我が国で必要な電力の10%程度に過ぎないだろう。

さらに問題なのは、地球温暖化の深刻化である。

海面水温の上昇は大規模低気圧の発生を加速させており、気候の不安定化を深刻にしている。

大陸の加熱はボディブローのように自然環境を変えてきている。

例えば、シベリアにある永久凍土の溶解は大量の溶存有機物の流出をもたらし、日本海の水質を変えつつある。

また、地殻の膨張や縮小が大規模地震を誘発している可能性も指摘されている。

琵琶湖も例外ではない。

琵琶湖北湖に注がれる太陽の年間全天日射量は、約6.8×1014 Kcalである。

これは,電力量に直すと約7.9×1011 kWhとなり、滋賀県で年間に使用する電力量1.25×1010 kWh(2002年実績)の約60倍に値する。

また、日本における全発電力量の78%にも達する。

驚くほど多くのエネルギーが、太陽から琵琶湖に注がれていることになる。

こうして琵琶湖に取り込まれた太陽エネルギーのほとんどは,湖水を温めるために使われる。

大気から湖水に入る年間の熱エネルギーは3.05×1014 Kcalで、湖水から大気へ出る年間の熱エネルギーは3.03×1014 Kcalである。

したがって,琵琶湖に注がれる全天日射量の約45%が正味の水温上昇として使われることになる。

加熱と冷却の間に少し差があるのは、湖が少しずつ暖まってきていることを示している。

実際、琵琶湖内に蓄積した熱量は5.5×1013 Kcalであり、その結果、水温は約2.0℃上昇している。

これは過去25年間における滋賀県の平均気温上昇とほとんど同じであり、琵琶湖の水温変化が地球温暖化傾向と同調していることを裏づけている。

琵琶湖に存在するエネルギーで利用が可能なのは、位置エネルギーと運動エネルギーである。

夏になると、水面近くが暖まるが、湖底は冷たい。

この温度差を利用して発電する方法がある。

一方、水平の圧力勾配と地球自転の偏向力(コリオリ力)がバランスして回転する環流も存在する。

これは水中の台風のようなもので、一番大きな環流(第一環流)は時計と逆回りに回転している。

このような流れを地衡流と呼んでおり、これを用いて発電しようというアイデアもある。

何しろ、原発数基分のエネルギーを蓄えているのだから魅力的な話だ。

原発や化石燃料の利用を可能な限り軽減させ自然のエネルギーを利用するとしたら、太陽エネルギーが集約される自然現象を活用する方がよい。

私はこれを自然エネルギーレンズと呼んでいる。

そしてこのような発電をGeostrophic Power Stationと呼ぶ。

直径10㎞ほどの人口湖を用いた発電所が世界中にあっても悪くないだろう。

何しろ100%自然のエネルギーを使うのだから。

もっと進めば、台風からエネルギーを取り出すことも想定できる。

こうした地球規模の技術が実現した時初めて、原発に依存しない社会を作ることが可能になる。


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