いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

善徳女王 第30話

2013年04月09日 | 善徳女王
《あらすじ》

これまで王室が握っていた神権が脅かされる。
トンマンの決定に、王室は困惑を隠せない。
アルチョンですら、トンマンの決定に納得できない。
ユシンはトンマンを信じているし、
ピダムはトンマンの天才を理解し、決定を高く評価しているのだが。
市井のおおかたの人間は、天文台のことだとて、
新たな神殿くらいにしかとらえていないのだ。

トンマンは、ウォルチョン大師と約束した。
「王女は、神権を誰にも独占させぬよう、公開するのだ」
「しかし、それはもともと王室のものです」
アルチョンも譲らない。しかしトンマンはにっこり笑った。
「天は、誰のものでもない」

トンマンがこのような考えにいたったのは、大師を味方につけるために考えたこと。
しかしユシンは、高く評価した。
トンマンは、ミシルと話すうちに、どんどん成長していた。
彼女自身も驚くほどに。
トンマンは、ミシルを心底すごいと思う。
幼い頃に読んだ英雄伝の中の英雄のようだ。

ミシルはトンマンの計画を評価しない。
おそらく民が受け入れないだろう。
「そんなこともわからぬのに、このミシルに刃向かうなど!」
いらつくミシルに、ソルォンが優しく声をかける。
「璽主、正しいのはあなたです。なのになぜ、そんなお顔を?」
ミシルは、唇を咬んだ。
「あのものが、ねたましいのです」
「え?璽主、いったい何がねたましいのです?」
「ひとつめは、発想力。宮殿で育った私には、あのような発想はできない。
ふたつめは、あの若さ。いつか、祭事・政治・格物が分離される時がくる。
でもわたしは年をとりすぎました。
三つ目は、三つ目は……」
「どうしました、璽主」
ソルォンの声音に、優しさといたわりがこもる。
「なぜ、わたしは聖骨に生まれなかったのか。
王妃になる夢がかなっていれば、その次の夢も見られたのに……」
思わず涙ぐむミシルだが、自分を哀れむ暇などない。
「わたしには、次の夢を見る機会は与えられなかったのです」

トンマンは、ミシルとの問答の後、思わずミシルに言っていた。
「どうぞ長生きしてください」
もっと話したい、ミシルという人と話をしていたい、心底そう思ったのだ。
ミシルもその言葉をきいて、思わずトンマンを抱きしめそうになったのだという。
「ムンノに奪われず、双子に生まれなければ、私が育てていただろうに」

そのムンノは、街中の張り紙を見て、20年前のある日を思い出していた。
ソファと赤子を託した家から、ふたりが消えた。
彼女は、書き置きを残していた。
「国仙は壮大な計画をお持ちですが、わたしが陛下から頼まれたのは、
この子を守るように、ということだけです。
この子に過酷な運命を背負わせたくはありません。お許しください」
ムンノは、ソファと赤子がどうなったのか、経緯がまったくわからない。

ピダムがムンノのもとへ帰ってきた。
「師匠、今こそ世に出るときです。私は王女様に仕えます」
「王女がお前を受け入れるか?」
「師匠、ヤンジ村で会ったあの郎徒が王女だったんですよ!」
驚くムンノは、ピダムからトンマン王女の話をきくのだった。

和白会議は、チョムソンデの建設をあっさりと認めた。
トンマンには、ミシルの狙いがわからない。
「賛成する必要があったわけではありません。
反対する必要がなかっただけです」
ミシルの謎かけのような言葉に、トンマンは不思議な表情だ。
トンマンは、日蝕を利用して天神の王女となったのに、
チョムソンデ建設は自らの地位の根拠をでたらめだと告発するようなもの。
「この矛盾をどう切り抜けるのか、見ものです」

「王女様はミシルに勝てますか?」
「なんだ、急に敬語なんか……」
トンマンは、考える。
ミシルは自分より圧倒的に強いが、20年来敵を持たなかった。
自分にはミシルという強敵があり、そのおかげで強くなれる。
ミシルは民の言葉を聞くことを恐れるが、自分は恐れない。
むしろ、民からの質問が、自分自身を作り上げていくだろう。
全力で答えを探していけば、きっとミシルを超えられる。
ピダムは、そんな王女に忠誠を誓う。
「こないだは完全にやられたから、敵に回したくありません」
「私もお前を敵に回したくないよ」

浮かれて歩く夜道、ピダムはチルスクに襲われる。
「あれは確かにムンノの剣でした」
ソルォンは、それを確かめるためにチルスクをはなったのだ。
あのとき、感じた印象は、間違いではなかった。

チョムソンデの建設、私軍の整備、復耶会のふたりのソラボル定着。
トンマンは夜も眠らず、精力的に仕事をこなしている。
ポジョンにソファの処遇を尋ねられたミシルは、
「もういらぬ。あのものを人質にでも使うと思ったか?」と一蹴。
ソファは殺される運命だったが、トンマンの姿を見た記憶がよみがえり、
必死で逃げ出すことに成功する。

チョムソンデの地鎮祭について、人々の話をきいていたソファは、
トンマンに会うために必死に走る。
ピダムもムンノを誘って、地鎮祭へ向かう。
後を追うのはチルスクだ。

地鎮祭には、貴族の参加はひとりもない。
集まったのは、願いごとを必死で訴える民衆だけ。
反応の薄さにがっかりして帰るトンマンだが、
なぜか自分を呼ぶ声がしたように感じて、輿を引き返す。

「トンマナー!」
トンマンを呼ぶ母ソファの声。

母と娘は、ようやく再開を果たす。

(つづく)

う~ん、トンマンのでっかい度量と、未来を予想する力に、
誰もついてこられないのね。
すごいことを言って、すごいことを決断してのける、すごい王女なのだが……。

あ、ミシルとピダムは別格か。
この人たちだけは、トンマンのすごさを理解しています。

ミシルは今回、人間くさいよね~。
「あのものがねたましい!」っていっちゃったりして。
ミシルには、十分能力があるのよ。
トンマンのやりたいことも、ちゃんと理解している。
本当は、トンマンみたいに、国の未来を作り上げていくような仕事がしたい。
新しい政治の時代に活躍だってしてみたい。
だって自分には、それだけの力があるんだから!
でも、ミシルは聖骨じゃないばっかりに、
自分の能力を王妃になるという目的のために使わなきゃいけない。
地位さえあれば、もっともっと大きな夢を見ることだってできるのに……。
もっと自分の可能性を試せるのに!もっとすごいことができるのにー!

無念……。才能の無駄遣い……。
なんか仕事のできる女性が、会社での地位を守るために
すっごく能力をさかなきゃいけない状況に、似てますね。
そんなくだらないポジション争いなんかなければ、
もっと本来の業務で、いい仕事ができるのに。

とはいえ、それも運命だからな。

相変わらず、ミシルを支えてくれるソルォン公が優しい。
この人、頭もいいし、忍耐強いし、強いし、優しいし、いい男なんだよねー。
もともといい家の出じゃないから苦労してるしね。
こんなに尽くしてくれる男が側にいるなんて、ミシルはしあわせだよ。
ここんちの親子、わたしは結構好きなんです。

ミシルとトンマンは、不思議な関係になってるね。
結局似たもの同士、なんだろうな。
お互い認め合った政敵同士でもあるし、
師弟関係でもあるし、互いに向かう憎悪もある。
トンマンがどんどん成長して自分に迫ってくるのは、
ミシルにとって驚異でもあるけど、楽しみでもあるような気がする。
彼女がトンマンを教育してたらどうなっただろうね?

がんばっているとはいえ、トンマンもまだまだ未熟。
ミシルの言ってた矛盾をどう解決するか?
これからの成長が楽しみです。
ユシン郎との約束があるけど、復耶会もどう掌握していくのか……。
ピダムのこともねぇ、どうなるのかしらね。
きらきらと目を輝かせて、ミシルとの対決を楽しみにしているトンマン。
それを優しく見つめるピダム。
トンマンに忠誠を誓ったシーンは、
お姫様と騎士ごっこみたいに見えたけど、本物の絆になっていくのかしら。

とうとうソファとも再会できそうだし、
トンマンの周辺も安定してきて、いよいよ本格的な戦いになりそうですね。
ソファがミシルの手にあったことだけは心配だったけど、
人質に使うつもりなんてないわ!と言い切ったミシルは立派。
しかし、即殺せ、と命令するミシルは冷酷……。
しかもはっきり殺せと言わずに、におわす程度。
息子ポジョンには、そこまでの非情さはまだないのであった。
この息子、ちゃんと育ったらいい花郎になるのに……。
なんか後々、このちょっとした優しさが命取りになって
死んじゃうんじゃないか、と思いました。
ちょっと心配。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿