いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

善徳女王 第33話

2013年04月13日 | 善徳女王
《あらすじ》

ソヨプ刀に記された文字は、

徳業日新(国の大業を日々新たにし)
細羅四方(四方を網羅せよ)

そして「三韓一」……。
三つ目の意味は、三韓統一であった。

比才でのムンノの質問には、誰も答えられない。
「残念ながら、誰も正解者がいないようです」
ミシルの言葉をさえぎるように、ユシンが答えた。
「徳業日新 細羅四方です」
「正解だ!そしてそこに隠された意味は?」
ユシンは、これ以上の意味があるとは思わなかったと切り返す。
ムンノは惜しそうにうなずいて、ユシンの一勝を告げた。

ミシルは、ムンノの意図をはかりかねている。
トンマンを指導するつもりなのか、いさめるつもりなのか……。

トンマンはムンノを呼び出した。
「徳業日新 細羅四方についてお話があります。
そのためですか?私が王になるのを反対するのは?大業を為し得ないと?」
「そうです」
「私が女だからですか?」
「失礼ですが、そのとおりです」
ムンノとて、女性の能力を軽視しているわけではない。
だが、トンマンは大業を為すために何を持っているのか?
トンマンは、自分が大業を為すために必要な個人的野望を持っていると主張する。
ミシルは個人の野望と新羅の大業を一致させられない。
彼女は聖骨ではないから。

聖骨であることは、大業を為すための道具にすぎない。
ムンノが考えるべき事は、今の時代に何が必要かということだ。
「貴族の強化?王室の強化ですか?」
「もちろん王室の強化ですが、女王は認めません」
ムンノの態度も一貫してきびしい。
これまで新羅に女王がいなかったのは、女王の婿争いで
王室内で勢力争いがおこるからだ。それでは王室の勢力が弱まってしまう。
しかも、女が王になるなど、貴族が反発するだろう。
民にいたっては、まったく理解できないに違いない。
「それを乗り越えても大業を成し遂げると?
それができるなら王女様がするまでもない。まれなる政治家ミシルがやり遂げるでしょう」

しかし、トンマンはひるまない。
「いいえ、ミシルにはできません」
「なぜですか?聖骨ではないからですか?」
「いいえ、ミシルには、夢がないからです」
ミシルは王になる能力はあっても、王になろうとは思っていない。
夢を持つものだけが、計画を立て、方法を見つけることができるのだ。
トンマンは、ムンノが反対する3つの理由を利用して、
貴族や民の紛争や分裂を収めてみせると豪語する。
「苦しんできた民の怒りを、私の怒りで鎮めます。
聖骨の身分で貴族を制圧します。
そして、私同様新羅にも不可能な夢を持たせます」

トンマンが利用するのは、「希望」
武士ならば、新羅人なら、胸がいっぱいになってしまうような「希望」
三韓統一の夢を、トンマンと貴族、民が共有するのだ。
「これがあの問題の本当の意味では?」
側できいていたピダムは、にやりと笑った。

ユシンは、自分は脇役に徹すべきだと思っている。
王になる誘惑を断って、王に仕えるべきだと。
トンマンの婿になれば、王座も夢ではない。
しかし、伽耶出身のユシンが王になれば、新羅の貴族が反乱を起こすだろう。
三韓統一の夢を見ることが、伽耶族にとっても最善の道だと信じている。
そのためには、必ず風月主にならなくては……。

トンマンは姉の霊廟で、肖像画に静かに問いかける。
「姉上……会いたいな。私にできるかしら……」

一方ピダムは、三韓統一の話を聞き、昔のことを思い出していた。
ムンノと一緒に諸国を回っていた少年時代。
百済や高麗をまわり、論語を勉強した。
「お前が将来為すべき大業のために、準備をしているのだよ」
ムンノの言葉に、喜ぶピダム。
「じゃあ、これは私のものですね!全部私のためなのですね!」

ムンノを待っていたピダムは、大事に抱えていた本を、悪い男たちにとられてしまった。
食べ物と交換しに行くといって、悪党の巣窟に出かけていったピダム。
心配したムンノは必死で彼を助けに行くのだが、
そこには大勢の人間が血を吐いて倒れていた。
しかし、ピダムは無事だった。
「ピダム、大丈夫か?」
「はい、師匠!私が全部殺しました!」
驚愕するムンノ。

ピダムは、大切な書物をとられたために、彼らを毒入りの食物で殺したのだ。
「誰にもみせてはいけないと言ったでしょう?
やつらは私のものを奪った悪い奴だし、見てはいけないものを見たので殺したのです」
その書物とは、百済、高麗の詳細な地図「三韓地勢」だった。

ピダムは、師匠のお使いだといつわって、三韓地勢を見に行った。
(師匠は三韓統一の準備をしていたんだ。俺のものだっていわれたよな)
地図とともに、箱の中には、ある人物の誕生日を記した紙が入っていた。
「インミョン?誰だ?お、俺の誕生日だ。ヒョンジョン?」
そこで、ピダムはソファの言葉を思い出す。
「ピダムが誰の子がわかっているのですか?」

ミシルは、ユシンを訪ねて、忠告する。ポジョンの強さを。
伊西郡の戦いとは、わけが違う。心構えの問題だ。
けっして油断してはならない。
ユシンは、なぜミシルがこんな忠告をしにきたのかわからない。
ただミシルは、つまらない勝負など見たくないだけだというのだ。
そして、まだユシン郎を敵にまわしたくないのだと。

ポジョンも、ユシンの強さをわかっている。
だからこそ、次の試験は命がけだ。

ソルチとウォルヤがユシンを訪ねてきた。
ソヒョンの養子となり、花郎の地位を得たのだ。
彼ら復耶会は、ユシンが風月主となり、いずれトンマンと結婚すると思っている。
そして亡国の無念を晴らし、王となってほしいと願っている。
そのためには、協力を惜しまない。
もしユシンが風月主となったら、けして彼を裏切らないと誓った。
ユシンの肩には、多くの人の期待がかかっているのだ。

ピダムは、トンマンに近づいて、王室の図書室に入れてもらう。
そこでチンジ王とミシルの息子がヒョンジョンだと知った。
あの紙に書かれたヒョンジョンの誕生日は、自分の誕生日だ。
そしてインチョンという名の紙には、トンマンの誕生日が書かれていた。
自分は、チンジ王とミシルの子、ヒョンジョンではないか?
ピダムの様子をうかがっていたソルォンも、
彼がヒョンジョンかもしれないと、感じるのだった。

直後、ピダムはミシルとすれ違う。
「名はピダムといったな。ムンノの弟子だったとは。
よく鍛えられている。度胸もあって頭もいい」
「璽主様ほどではありません」
ピダムの、怖じけないものいいを面白がるような表情のミシル。
「私と比べるのか?」
「あはっ、いけませんでしたか?
師匠には気に入られていません。素行が悪いし、冷酷だと。
思いやりがなく、平気で人を殺すと。璽主様もそうでしょう?」
ミシルは、警戒しながらも話を続ける。
「それを自分で認めるのか?」
「殺してしまって申し訳ないと思うと、つい笑ってしまうんです。
それで冷酷だと言われます」
少し考えて、ピダムに忠告するミシル。
「笑うのはやめなさい。口の端を少し上げると、強く見える」
「こんな風に……ですか?」
にやりと笑ったその表情は、ミシルによく似ている。
複雑な顔でミシルを見送るピダム。ミシルが母だと、彼は確信を持った。
(ピダム……)
ミシルもまた、何かを感じている。

ピダムが師匠のもとへ帰ると、
「馬鹿者!お前という奴は!」と大声でムンノに怒鳴られた。
勝手に地勢を見たからだ。
「私のものだと言われました。すべて私のために準備したのだと!」
明日の比才にでるというピダムに、ムンノは言う。
「もし出るなら、お前は破門だ!」
「弟子だと認めてくれているのですか?
弟子ではないなら、破門なんかできませんよ。
あのことのせいですか?子どもだったのです!」
子どもだったからこそ、ムンノは衝撃を受けたのだ。
こんな子どもが、こんなに冷酷に人を殺せるのかと。

ピダムは、ムンノを父とも思い、慕っていた。
しかしあの一件から、急にムンノは冷たくなった。
何が悪いのか教えてほしかった。師匠に褒められたいだけだったのに。
「人を殺したのに、私に叱られるのを恐れるだけで、死者への哀れみが一切なかった……」
「だからですか?あれから師匠は、私を恐れるようになった!
弟子を恐れる師匠などいるものか。
まだ、子どもだった。一度くらい、抱きしめてほしかったのに」
ピダムは涙を流した。
「ピダム!」
ムンノの声も、もう届かない。
ピダムは走って出て行き、子どものように、泣いた。

そして霊廟で祈るトンマンのもとへ現れて、言った。
「明日の比才で、王女の夢をかなえてさしあげます。
ユシン郎が、風月主になるのです」

翌朝、比才の対戦相手を決めている武芸場に、ピダムがあらわれた。
「わたしも比才に参加します」
驚く人々。もちろん報告を受けたトンマンも驚いている。
なぜピダムが?

(つづく)

ピダムの過去には、そんな秘密があったんだ……。
ムンノはしくじったな~。
この子はミシルの子なんだ、という先入観が、恐れを倍増させたんだと思う。

父親のように育てていたのなら、
あのときムンノはピダムを殴るべきだった。
あそこでこそ、「馬鹿者!」と怒鳴るべきだった。
そして、何かが足りない息子の哀れに涙し、抱きしめてやるべきだったのに。

あの後、何も言わずになかったことのように接したんじゃないでしょうか。
でもピダムは敏感に、ムンノの恐れとよそよそしさを感じ取ってた。
最初はなぜかわからずに、戸惑ったでしょうね。
で、そのうちに「アレが原因なんだ……」と理解したけれど、
何が悪いのかはよくわからないまま成長したんだね。
本当に大人になってからは、その理由がわかったけれど、きっと納得はしていない。
(まだ子どもだったんだから、仕方ない)と思っているのだ。

でもさー、ピダマ。
普通の子どもはあんなことやらないんだよ……。

「すべてお前のためだ!すべてお前のものだよ!」とニコニコしていたムンノと、
そんなムンノの愛情を感じてすごく嬉しそうだったピダム。
親に捨てられ、師匠に遠ざけられて生きてきた彼が哀れでしょうがない。
平気で人を殺すくせに、人を殺して笑ってしまうくせに、
師匠には、一度でいいから抱きしめてほしかった、と子どものように
愛を求める危うさが、彼の魅力なんでしょうなぁ。

私は絶対ピダムにはまらないぞ、と、なんか決意しました。
だってそんなことになったら、ユシン郎がかわいそすぎるもん!
純愛ガチガチでトンマンに仕えて、でも気楽にも話せないで手も握れないで
我慢しているユシン郎がかわいそうでしょ!
トンマンの婿になりゃいいじゃん、とかけしかけられて、
そんなことできたら万々歳だけど、それはダメだ!と決めているユシン郎……。
伽耶遺民の命は賭けられないからって……。
うわーん!いい男じゃないかー!

この人、一度決めたら絶対揺るがないから、婿にはならないんでしょ?
私はユシン郎のこと好きだから、トンマンと結ばれてほしいけどさ。
なんというか、これまでトンマンの方がわりとあっさりしてたよね?
(思い出にしたほうがいいのかも、とか、捨ててください、とか言って)
ユシン郎は実質ふられちゃったも同然なのかな、と感じております。
お互いに思いを断ちきったんだよね。
もちろん同志としては、固い絆で結ばれてるんだろうけど……。

ピダムはなんとも自由な男だしね。
おどけて話しかけて、野草の花束をプレゼント、なんてかわいい真似は
ユシン郎には絶対無理だもん。
しかもそれって、誕生日を聞き出すための策略ですよ?
そのうえ、「勉強しないとあいつらにバカにされるから~」と
かわいく駄々をこねてみせるという……。
ピダマかわいすぎっ!
勝てないよ……ユシン郎……。

なんで急にこんな気分になったかというと、
善徳女王撮影現場インタビューみたいな動画をちょこっと見ちゃったのね。
そしたら、ピダムとトンマン仲いいんですよ。
トンマン役のイ・ヨウォンさんが、1才年上なのね。
ほぼ同い年だからか、気さくな雰囲気で楽しそうなふたり。
もちろんユシン郎も一緒に楽しそうなんですが、
なにせふたりより6才も上なんで、遠慮があるというか。
なんだかそんな雰囲気が、ドラマの関係性とオーバーラップしちゃって。

ユシンらーん!それでも私はユシン郎の味方だからねっ。
ちょと独りよがりなところがあっても、真面目なユシン郎が好きだからっ。

ピダムはずるいんだよねー。
あんなに無防備に、ムンノの前で傷ついて泣いちゃってさ。
ピダム廃人が続出する気持ちは、十分わかります。
正直このままドラマが進んでいったら私だってあぶないよ。

ミシルはピダムが息子だと確信しただろうか?
申し訳ないと思うと笑ってしまうのは、自分も同じだったから、
あの口の端をちょこっと上げる笑い方を伝授したのかしら?
チンジ王、チヌン大帝にはあんまり評価されてなかったみたいですけど、
チョンミョンの夫だったヨンス公といい、ピダムといい、
息子には恵まれた人だったようです。

ムンノって無口だったし、すごく謎めいていたので、
私、過大評価していたかもしれません。
トンマンが王になるのは反対ですって言った時、すごくショックだったの。
ええっ?ムンノが認めてくれなければ、この先どうしたらいいの?って。
でもトンマンは偉かった。
ムンノの言葉や態度に臆することなく、
自分の信念をはっきりと述べましたね。
ミシルを政治家として非常に高く買っているムンノ。
情にほだされず、冷静な状況判断ができる冷静さは、さすが国仙。
そのムンノに、優秀さを示し、納得させることができれば、
トンマン女王の誕生も近いでしょう。

三韓統一という野望を、国民にもしらしめ、希望を持たせる。
夢を持たせる。
人は、そんな希望のためなら、苦労を苦労と思わず働くものです。
ほんと、こういうのある意味あくどい。
だって戦場にだってかり出されるし、
自分の住む土地が戦場になったりもするでしょう。
一般人にとっては、そんな夢ない方がいいんじゃないかと思いますけどね。
国民が賢くなるのはいいけれど、好戦的にならなくてもいいと思うんだけどなぁ。
共存しながら豊かに暮らせる道を探るのが、良い政治家のような気がします。

ねぇ、なんかミシルが王妃になって、
侵略を防いで地道に生きてく国でもいいんじゃないですか?
王としての大業とか、昔の王様の遺言なんだし、どうでもいいじゃないですか。
私がただの一般人だから、そう思うんですかねぇ。
民の願いは豊かで平和な暮らし。
それが三韓統一でもたらされる!というプロパガンダは、怖いな。

トンマンはやはりただ者じゃないですね。
チョンミョン王女の弔い合戦だ、という動機だけで
わたっていけるほど、政治の世界は甘くない。
ミシルを倒すぞ、と意気込んでも、その次が見えていなければ、
国、というでっかいものを動かすことはできない。
ミシルが、「王女様はわたしよりも狡猾な人だ」といった意味が
わかってきたような気がします。

お、そうそう、あらすじでは書きませんでしたが、
この回でチュクパンがソファに本気で恋をしちゃったようですね~。
一緒に監禁されてた時は、別にそんな風でもなかったのに。
口がきけるようになってきれいになったソファに、マジ惚れモード。
でも強力な恋敵がいるんだな-、これが。
意味ありげに見つめ合うソファとチルスク……。
放浪中はソファが放心状態だったけど、彼女、チルスクの言ったことや
してくれたことをちゃんと覚えていて、思い出したみたいじゃない?
そうなると、ふたりの想いが成就してもおかしくないわよね~。
ってか、若い情熱の日々を、逃亡と探索に費やしたふたりには、
ぜひ晩年にしあわせになってほしい。
チルスクアジョッシも、トンマンのこと聡明で勇気があって、って
気にいってるみたいだから……。
ムンノだって嫁とってたんだし、チルスクアジョッシだって結婚したっていいでしょ!
若い崇拝者が出てこないからといって、ミシルはおっさん連中を囲い込みすぎよ!

ユシン郎のこと、まだあきらめてないっぽい発言もしてたし、
ミシルは本当にすごい人です。
でも、かつて捨てた息子登場で、何かがかわったりするのかな?



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2 コメント

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親子関係 (しーま)
2015-12-15 14:37:16
子供は親を選べないですもんねーヽ(´o`;

トンマンは、ソファに愛情いっぱいに育てられて、
いい子に育った、

ピダムは、ムンノに恐れられながら育てられて、
あんな風になってしまったのかな…

ビスコさんの言う通り、あそこで叱るべきでしたよね( ; _ ; )

そう思うと、可哀想な気がします。
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うまくいきませんね (ビスコ)
2015-12-15 23:39:59
トンマンもピダムも、ともに捨てられた子どもなんですよね。
でも、ソファの愛情のおかげでトンマンは
幸せな子ども時代を過ごすことができた。
ピダムにも、楽しかった時間はあったと思うんだけどな……。
ムンノは父親にはなれなかったんだね。

初登場時はアホの子みたいだったピダムも、
だんだん賢くなってきました。
ここからですよ~。
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