いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

快刀ホン・ギルドン 23 終わりと始まり

2014年03月31日 | 快刀ホン・ギルドン
難しい。
この23話は、わたしにとってたいへん難しい回です。
見終わった今、この瞬間、いったいどうとらえていいのか。
自分の心の落としどころがぜんぜん見えません。

よし、心の赴くままに、着地点を探っていこうぜ!

まずさぁ、ギルドンだよ。

ギルドンはチャンフィのことを、
「結局おめぇはこの世の中を変えたくなんかないんだろ?
おめぇが守りたいのは、世襲制で王様が決まって、
身分制度はやっぱり連綿と守られていく、両班たちの世の中なんだろ?」
と思っているらしいのだが、わたしにはとてもそーは思えない。

変えたいよ!

変えたいからこそさぁ、ギルドンを登用したんじゃん。
賤しい身分のギルドンが官僚になることで、庶民にも希望が生まれたわけじゃん。
「この国も変わっていくぜ!」とみんなが思ったわけじゃん。

ギルドンが、両班の世界でいろんな横紙破りなことをして、
変えていくことを望んだんだよ、チャンフィも。

ゆるやかにね。

チャンフィが良い王になり、民のための善政をしいて、世の中を変えていくんじゃだめなのか?
あんただって、一応「民が選んだ王」を立てたわけじゃん。

ギルドンの望む世の中は、最終的には、
「王なんかいなくて、指導者がいる、民主的な世の中」だということは理解できる。
でも、それは急には無理だよね?
だから聖君のもとで、力をつけて、だんだん理想の国を作っていこうと思ってたんだよね?

ギルドンだってわかっているはずなんだ。
そういう理想の世の中を作るには、
両班の世界でチャンフィが、民の世界でギルドンが、
みんなの意識改革をしていけるよう、努力するしかないんだって。

でもギルドンは何度も言う。
「力をつけなきゃいけない」って。
その「力」ってななの?
もちろん「軍事力」じゃないよね?
国民ひとりひとりが、国をよくすること、他人のために尽くすこと、
自分のしあわせと、周りのひとのしあわせを、同等に考えられるようになること、でしょ?
和尚がいうように、民衆を導いていかなきゃならないんだよ。

それなのに、
ギルドンが「力をつけなきゃいけない。戦い続けなきゃいけない」って言うたびに、
「活貧党としての力をつけなきゃいけない」って意味に聞こえちゃう。
だからチャンフィも、見過ごせなくなっちゃうんだよ~。

「お前は王になったから、それで終わりなんだろ。満足なんだろ」みたいなことを
チャンフィに言っていいわけないじゃん!
そうじゃないって信じてたから、一緒に戦ったんじゃないのかよ!
「信じてたけど裏切られた」みたいに言うけど、そうじゃないよ!

もっとちゃんと話し合いなよ!

チャンフィは四寅剣を捨てて、民の心を信じるべきだ、というのは正論だけど、
民心を得たのはギルドンのおかげだと思っているから、
こわくて四寅剣を捨てられないんだよ~。
そこをわかってあげなくちゃ……。

そしてチャンフィ。

そもそも彼は、ギルドンについては最初から懐疑的だった。
利用するだけ利用して、最後はつぶせばいい、くらいに思ってた。
求める世の中の形が違いすぎることはわかってた。

王として立つなら、
両班と民衆、
どちらも等しくこの国の民なのだ、という思想は、しごくまっとうだ。

だからそのへんは、わたしはチャンフィ寄り。
いま、朝鮮の王となったからには、
国自体がふっとぶような改革はできないのだ。

そのへんはいいや。

問題は、イノクを手放すにしても清に行かせちゃうってどーよ?ってとこだろ~。

わたしは王として、ギルドンを討たなくてはならない。
イノクは手放したら、ギルドンのところに行くだろう。
そうしたら、イノクも討たなくてはならなくなってしまう。
そんなことはできないから、まったく関係ない清に行かせよう。

この現実逃避というか、臭いものには蓋チックな対応策ってどーよ?

ここにきて男をさげないでくれよ、チャンフィよ。

イノクを手放すって決めたときは、拍手喝采したのに!

中途半端!

あ、もしかして、イノクがギルドンに会いに行くのも織り込み済み?
想定内?
なんか凡人のわたしなんかには考え及ばない解決策があってのこと?

……わからん。

ギルドンとチャンフィは、
「民の選んだ王を立てる」
「民の望むような王になる」ってことで、一応の利害は一致してたでしょう。

それがこの23話で、急速に反目しあう仲になり、とうとう決裂してしまうってのは
どーゆーこと?

う~ん。と考えつつ、今日は寝ます。
明日また考えよう……。

と、ここまでが23話を観た直後の感想でした。

で、あれからずーっと考えていて、
マヌケなわたしには、どうしてもふたりが戦わなきゃいけない理由が納得できないので、
今回はあらすじを追いながら、自分自身の気持ちを整理していきたいと思います……。

しかし、連続テレビドラマでこんなに悩むなんてどういうことなんでしょうか。
普段、あんまり頭を使って考えてないってことなのか。
読解力の著しい低下を感じて、寂しいです。反省。

あ、なお、あらすじに沿った私の独り言は青文字で記入しております。

《あらすじ》

チャンフィは、偽りの密命で得た王位を手放す気はない。
民に公開すると約束した即位式を、真夜中に決行する。
両班たちの要求を呑み、人事権をチェ儒生に一任。
彼らを自分の勢力としてしっかりと抱き込むつもりだ。

チャンフィ……これはあせらずにはいられませんね。
四寅剣が偽物だったと判明した以上、さっさと即位式をして、王になっておかないとヤバい。
儒生たちの要求を呑んでおかないと、こじらせたまま即位が遅れれば、また何が起こるかわからない……。
みんな結局、自分たちの権力を確保してくれる王を欲しがっているだけなんですから。
「チス!」って呼んだ時は驚いた。
なんだ、ムク犬さん、そばにいたんじゃん。


イノクを呼んだチャンフィは、「お前を手放す気はない」とはっきり告げた。
「お前に選択肢はない。昔のわたしなら、お前のしあわせを願い、手放したかもしれない。
でも今はできない。後戻りはできないのだ。
お前が死にそうになっても手放さない。もしそうなるなら、わたしのそばで死ね」
チャンフィの激しい言葉に、イノクはごめん、と謝るしかない。
「そうだな、謝ってもらわねば。お前はこんなに無垢なのに、
わたしはこんなにも汚れてしまった。不公平だな……」

イノクにはいつも優しいチャンフィだったのに……。
やっぱり彼らしくないですよね。よっぽど動揺してるんだな。
あの時のギルドンとの会話を聞かれちゃったんだな、とさすがのイノクも察した模様。


チャンフィは幽閉中の廃王に会いに行く。
そして、自分を殺して自分の二の舞になれ、という兄を退けるのだ。
「復讐のために王になったのなら、わたしも狂ったかもしれない。
しかし、わたしは王になる意味を民から教わった。
民を守るために、この王座は手放さない」
「ギルドンも密命が偽物だと知っている。
民がお前を立てただと?お前はただの傀儡だ!」
廃王の言葉も、チャンフィを傷つけることはできない。
「確かにこれまでは四寅剣にすがっていた。だが、偽りと知り、どん底にたたき込まれた。
これからは、自分の力で立ち、我が道を進みます」
チャンフィは、兄王の流刑を命じた。

おお!ここでわたしは自分を恥じました。
もしかしてチャンフィ、あまりのショックに自分を見失い、狂気の淵に立っているのかと
思っていたんだよ~。
でも違った。
彼はギルドンとの出会いで得たものを、忘れてはいなかった。
立派だよ!あんたは立派な王様だよ、チャンフィ。
廃王、あてがはずれましたね。

最初、廃王だけのカットからカメラが引いてチャンフィが同席していることがわかります。
あ!チャンフィいたんだ?!と、驚きました。
面白い演出だった。


彼はひとり、王座で苦悩する。ギルドンが真実を黙っていたことについて。

そうそう、兄王に対しては気丈にふるまっていたチャンフィですが、
やはりギルドンが事実を隠していたことにショックを受けてるんですね~。
このシーンを見た後に、再度先ほどの対決シーンを見返すと、
チャンフィ自身が自分に言い聞かせるように兄王を退けた、って感じがします。
ほんとにこの人は、心が強い。
一瞬くじけそうになる自分に負けないで、やるべきことをやり通す人なのです。
不遇の時代に培った精神力。


チャンフィはギルドンを宮殿に呼び出した。
「こんな格好をしなければ、お会いできないのですか」
「そうだ。官服を着れば、私たち関係がおのずとはっきりするな。
なぜ、四寅剣が偽物だとわたしに黙っていた?
真実を知れば、わたしが王座を捨てて逃げ出すとでも思っていたのか?
あるいは、兄のように狂ってしまうかと心配だったか?」
「ノ尚君の心配は取り越し苦労だったようだな」
「自分たちが選んだ王だから、わたしを守ると言ったな」
「そうだ。両班たちに振り回されないように、俺が守ってやる」
「もちろんだ。これ以上、振り回されない」
チャンフィはギルドンを強い視線で真っ直ぐに見た。

チャンフィが王になったからといって、無条件にひれ伏す気はないギルドン。
こういう態度が、チャンフィにとっては、ムカつくところでしょう。
ギルドンの力を認めているからこそ、彼を脅威に感じているチャンフィ。
この気持ちは、最初の出会いからずーっとチャンフィの心に存在しているものだと思います。
なんだかんだ言って、チャンフィはやっぱり王子なのよね。
そういう教育を受け、そういう扱いを受けて育っているから、
どうしても、民のひとりであるギルドンが偉そうな態度を取ると、ムッときちゃうんだと思う。
「振り回される気はない」って、暗に「お前にもな」と一言付け加えられている気がする。


廃王は、流刑の道中、ある村でひとりにされる。
王に恨みを持つものが多く住まうこの村で、たったひとり、美しく咲く梅の花を愛でる。
それはチャンフィの密かな命令だった。
従者から知らされた村人たちは、手に手に武器を持って廃王のもとへ向かった。
彼らの姿に気付いた王は、取り乱すことなく振り返る。
「わたしもこの梅のように美しく咲くことができたのに。
善良な王になれたのに……。
無念だと言えば、怒るだろうな」
そして静かに、自分の最後を受け入れた。

この兄王も、思えば哀れな人でした。
そして驚くべき、チャンフィの無慈悲。
自分の心の闇となるから、兄王は殺さないとか言ってたくせに。
報いを受けて死ね!といわんばかりのこの仕打ち。
毒杯を飲ませるより残酷な殺し方です。
この人は、やろうと思えばこういうこともできる、と、
チャンフィの穢れ、というかブラックチャンフィを表現するエピソード。
汚れちまった哀しみ。


左議政はウネの進言を参考に、チェ大監に取り入る。
四寅剣の秘密を知り、弱みを握っているうえ、ギルドンを共通の敵として共闘を申し出た。

ウネはこのままフェイドアウトするのかと思いきや、
お父さんと一緒になって最後までドラマを引っかき回します。
捨てキャラのいない良い脚本ですね、ホン姉妹スゲー。


ギルドンは、この人事に納得できない。
なぜ左議政が留任するのか?
弱みを握られて、妥協などしていては、世の中は変わらない!
「ではお前も官職につけ。わたしを守ると約束しただろう?」
「いいとも、やってやろうじゃないか!イカした役どころを用意しておけよ!」

チャンフィはどうしても、ギルドンを自分の土俵に引っ張ってきたいんだなぁ。
そうすれば、王と家臣、という序列が保たれるもの。
同時に、やっぱりギルドンにちからを貸して欲しいのだと思うの。
自分と一緒に世の中を変えていく盟友として存在していて欲しいんじゃないかな。
孤独なの、つらいもん。宮中には味方がいないし。


ギルドンは兵曹判書に任命された。
酒場に入り浸る両班どもを捕まえてきて、訓練させる。
「これからは両班たちも徴兵するぞ!
国中の民がすべて兵役を務めるまで戦うからな!」
この調子でやられてはたまらない。
大臣たちは、すぐさまギルドンの免職を願い出た。

次に移動させられたのは、不正を暴く司憲府。
大金持ちの商人宅に監査に入り、裏帳簿や裏金を次々と取り上げる。
これにも泣きが入り、大臣たちからはまたもや免職願いが……。

ははは、ギルドンの本領発揮。面白い。
せっかくお前は王になったんだろ?やっちゃえ、やっちゃえ、って
チャンフィをあおってるんだね。


民はギルドンの活躍に大喜びだが、チャンフィは頭を抱えてしまった。
両班たちがギルドンを攻撃する口実を作ってしまったようなものだ……。
「どうしようもないとあきらめてしまった問題も、
誰かが切り込めば変えていけるということを見せてやりたかったんだ。
結局元通りになっただけだけどな」
「お前を配下に置いて制するといって臣下を丸め込もうとしたのだがな」
「…困らせてしまいましたね。申し訳ありません」
そう、うそぶくギルドン。
「お前のように世の中を変えていこうとするものも、
今の世の中を守ろうとするものも、わたしにとっては等しく我が民だ。
わたしはどちらも切り捨てられない」
「結局王様は今の世の中を守りたいのですね。
そうすれは君主の座も守られますから。
もっとも位の高い王様と
わたしのようにどん底から這い上がってきたものが手を携えれば、
争い事をなくせるでしょう。そう信じます」
ギルドンはそう言って、宮殿を去って行った。

問題はここなんだよな~。
チャンフィとしては、より現実的に改革を進めたいと思っている。
一歩進んで二歩下がる、的な。
ギルドンは、そんなまだるっこしいことしてたららちがあかないと思ってる。
本気でやりゃあできるんだ、と。
改革なんて一気にやらなきゃ、せっかく澄んだ水は濁っていくばかりだ、と。

チャンフィが王座を守りたいのは、民を守りたいからなのに。
ここはギルドンがまったく誤解しているような気がします。
でもまだ、チャンフィを一緒に闘う同士だと信じている様子です。


ウネは、密かにギルドンを主人公にした英雄物語を書いて、民衆に流布した。
賤しい出自のギルドンが民衆のために立ち上がり、
大活躍の末、自らが王になる物語。
民は大喝采で物語を楽しんだ。
チェ大監は、事態を重く見て王に忠告する。
「あのものが書いたわけではない」
ギルドンを守ろうとするチャンフィも苦しい表情だ。

ウネ……。イノクのじいちゃんが書いたホン・ギルドン伝も参考にしたのか。

チャンフィはギルドンに、直接ぶつかる。
「俺は関与していない」
「わかっている。だが、見過ごせない。
この物語はこの国の秩序を覆すものだ。」
「俺の望みとは違う。俺はたとえ国を興しても、王になったり、王をたてたりしない」
「お前の望む世に、王は必要ないのか?」
「指導者はいるだろう。だが、民が王を選べるようになれば、国も変わるだろう」
「いまこの国では、民が王を選んだりはしない。
お前は、この国の君主制と身分制度を壊したいのか?」
「王や両班が消えても、新たな支配層が生まれる。
支配者がいれば、やも生まれる。
みんなが平等な国は、あの世にだって存在しない。
だからこそ支配されるものたちは、平等な世の中を夢見て戦うんだ。
俺や活貧党は、そんな人々の心に存在する」
「理想の世になるまで戦い続けるつもりなのか?」
「夢に近づくためだ」
「やめろ、わたしの守るこの国とぶつかることになる」
「この世を変えるまで、おれは力を養っていく。
お前を脅かさない限り、戦わせてくれるんだよな?きっといい世の中になるさ」

ここも問題。
だけど、先ほどのぶつかり合いよりも、事態はずっと深刻。
さっきは方法論が違っていただけなんだけど、
ここでは、根本的なところで、意見の食い違いが出てきちゃったもんね。

でもギルドン、わかってよ~。
あんたは外側にいて力をためていけばすむかもしれないけど、
チャンフィは施政者なのよ?
あっちこっちのいざこざ、こぜりあいをまとめ、
政治のパワーバランスを保って国を運営していくのはたいへんよ?

そういういいわけしてると、確かになかなか改革は進まないけどね。

チャンフィも頭が固いのよ。
ギルドンの理想国家は何歩も先を行ってる。
とうより、やはりギルドンの理想は、虐げられてきた人々の抱く理想なのよ。
チャンフィはそもそも、支配層の考え方しかできないからね。
想像がつかないんだ。

ギルドンの夢の方が、より大きく、高い視点から語られているものなのだ。
おそらく一生かかってもやり遂げられない夢。
だってあの世にだって、そんな平等な世の中なんてないんだもん。


イノクはウネから情報を得て、
ギルドンとチャンフィが対立しているようだと心配している。
チャンフィは、諍いを避けようと努力しているつもりだ。
イノクの心配は、それだけではなくて、
果たしてマヌケな自分が王妃になっていいものかどうか……。
「生まれた時から決まっている。この国の王や王妃はそうして決まるのだ」
チャンフィの言葉に、どうしても納得いかないイノク。
もし、マヌケなわたしにマヌケな子どもが生まれたら、その子は王になるのだろうか?
「そうだ」
そうなったら、この国の行く末が心配だ……。
「マヌケだと言いながら、お前はギルドンと同じ考えを持っているんだな」

ギルドンが言うと角が立つんだけど、
イノクの口からこんな風に言われると、ギルドンの考え方が正しいことがわかる。
やっぱり寂しいチャンフィなのです。


町で左議政が民にこづきまわされる事件が起きた。
報復を恐れた民は、活貧党の根城に助けを求めた。
ギルドンは彼らをかくまってやる。
両班の不安と不満は最高潮に達する。
もはや活貧党を討つしかない。
チャンフィは最後まで苦悩し、抵抗するが、
四寅剣のことを持ち出され、半ば脅されてしまう。
「わたしたちは、どんな名分も作り出すことができるのです。どうか懸命なご判断を」

こ、こいつら~。本物の憂国の士はおらんのか!
どいつもこいつも自分の権力を守りたいだけの自己中なやつらだな。


和尚はギルドンに忠告する。
民が暴徒と化さないよう、導く必要がある。
大きくなっていくお前の力に、今の朝鮮は耐えられないかも。
もしかしたら、崩れ去ってしまうかもしれない。

悩むチャンフィは、ギルドンの根城に少数の側近を連れて現れた。
「今後もお前と手を携えていきたい。だからこのあたりでやめるんだ」
「王になれたからか?俺たちの戦いは始まったばかりだ」
「わたしは王としてこの国を守らねばならない」
「俺は理想の世になるまで戦い続ける」
「その力を、国のために使って欲しいのだ」
「この力の恐ろしさがわかる王だと信じていた」
「……これからも、戦い続けるつもりだな。
今後お前をどうするか、考えさせてもらう」
「ここで手を引くなら、今後王とどう付き合うか、考えさせてもらう」

ここで完全に、ふたりはたもとを分かってしまうんだよね~。
チャンフィは「終わり」だといい、「もうやめろ」という。
ギルドンは「始まり」だといい、「戦い続ける」という。

でもさ、戦い方が変わってきたってだけの話なんじゃないの?
チャンフィは中から、ギルドンは外から戦うから、方法が違ってきただけでしょ?

とにかくギルドンは、「俺を自由にやらせてくれ」と願ってる。
チャンフィは、「もっと自重してくれ。俺だってがんばるから」と思ってる。
ううううう~ん。


打倒ギルドンの計画を立てている臣僚のところへ乗り込み、
チャンフィは宣言する。
「わたしがギルドンを倒す!
お前たちの望みをかなえてやるのだ。
二度と四寅剣のことを口に出すな。
もしそのようなことがあれば、容赦なく殺す!
何人たりとも王を脅かしてはならない!
わたしは万人の上に立つ王なのだ!」

こんな激しいチャンフィは久々。
言葉だけ読むと、威張っためちゃくちゃな暴君みたいに見えますが、
表情はとっても苦しそう。
ギルドンを討つと決断し、こんなことを言わなきゃいけない状況がつらいんだ。


こうしてチャンフィは、四寅剣にまつわる禍根を断った。
そして、最後にイノクを手放すことを決める。
孫娘を王妃に、と望んだチェ大監は不満だが、チャンフィの決意は固い。
「祖父のあなたより、わたしの方があの子をよくわかっている」

チャンフィは、イノクを自由にしてやる。
「お前はバカだから、王妃には迎えられそうもない。
お前は王妃にふさわしくない。そうだな?」
イノクはうなずく。
「わたしには、お前を捨てられない。だから手放す。
お前らしく生きられるようにしてやる。
お前は運が強いし、純粋だ。だから心配しなくていい……」
「ありがとう。若君はほんとにいい人ね……」

イノクや、わたしもそう思ってました……。
でも、ギルドンを討つということを若君は隠しているんだよ~。


イノクはノ尚君と清へ旅立つことになった。
遠くへ行けば、ギルドンを忘れられるだろうと、イノク自身も思っている。

チャンフィはギルドンを討つべく、軍を組織する。
ギルドンは、戦い続けるために根城を捨てる決心をした。

このあたり、状況を読めるギルドンは賢い指導者ですね。

イノクは最後にひとめギルドンに会おうと、ノ尚君に許しを求めた。
「なりません。今行けば、危険な目にあいます」
「どういう、意味ですか?」
「活貧党を討ちに、官軍が行きました」
「どうして?ふたりは仲間でしょ?」
「ふたりの望む世は、互いに相容れないものなのです」
「わたし、ギルドンの元へ行きます!」
そんなイノクを、チェ大監が必死で引き留める。

官軍が攻め込んでくると知ったギルドンは、根城で王を迎え撃つと決めた。

(つづく)


はい~、これで一応ドラマをなぞった感想は終了です。
ここまでお付き合いいただいた方、どうもありがとうございました。
1万文字を越えてるよ、この記事。

だが!まだもう少し続くよ。

もう3日くらいずーっと考えてて、こうして何回も観て、
ようやくわたしの胸に落ちてきた感想は、

ふたりとも追い込まれたんだな

ってことです。

はじめは、ギルドンを利用しようと思っていたふしのあるチャンフィ。
しかし、共闘する中でギルドンの思想に触れ、人柄を理解し、
いつの間にかギルドンに影響され、彼を信頼するようになっていた。
一緒に闘える同士だと。

ところが、その生い立ちや立場から来る考え方の違いが、
まわりの圧力によって大きく大きくなってしまったんだなー。

こんな風に決裂する気はなかったのに、
両班たちからの圧力が、チャンフィを追い込んだんだと思う。
ギルドンにしても、血気にはやった庶民の軽率なふるまいによって、
微妙な立場になっちゃった部分もあるよね。

ギルドンだって、昔は世をすねて好き勝手やってた悪童だったわけだし、
今は開眼したけれど、聖人君子というわけではない。
カチンときたり、なんでわかんないんだ!って思うことはいっぱいある。
近くにいる和尚がブレーキ役になってはいたんだけど、
もうそれがきかなくなってしまったんだろうな。
イノクがそばにいないし。

だからちゃんと話合ってよ!

何度も直接会って話しているギルドンとチャンフィ。
それなのになんでこうなっちゃうかな~。
お互い譲れないところが多すぎるのかな~。
彼らをとりまく人々のせいで、こういう風になってしまった気がします。
はじめから避けられない衝突だったのね。


とうとう王になったのに、いばらの道は続く……。

正直、恋愛問題はもうどうでもいい。
だってイノクがぜっんぜん、チャンフィの気持ちを理解してくんないんだもん。
鈍感だから、鈍いから、マヌケだから、ではすまされないくらい、
チャンフィに対して冷たすぎる。
若君にはずいぶん助けられたというのに……。
ギルドンに対して一直線で、ギルドンもイノクに対して一直線で、
このふたりの愛情関係に揺らぎはいっさい無いため、
ほんとうに若君、お気の毒ですね、というしかない。

「耐えられる」とか「耐えなくちゃ」とか、何度もしつこいわ!
そんな気持ちでそばにいられる方の身にもなってくれ!
ま、これはわたしがチャンフィ贔屓なせいで感じることなんですけど。

状況打破は、ギルドンとイノクの決心次第だと思うのですが、
なぜふたりはこうまで悶々として我慢してしまうんでしょうか。
「親は変えられないからね」とマルニョは言いますが、
そもそもそんなこと、そんなに重大に考えている人たちだったですか?

わりと自由人な思想のふたりだったのに、
こと恋愛問題に関しては、すごく不自由な因習に縛られているような気がする。
あの日、イノクがギルドンを刺しちゃったことが大きいのかな。
彼らの中に、自分では意識していなかった感情があったのかもしれませんね。
親同士の確執が子世代に暗い影を落としている。
親の仇の息子を愛してしまう、というのは、やはりゆるされないことなのね。

そんなことどーでもいいじゃん!と思うのは、
やはりわたしが部外者だからなのでしょう……。
(当事者なんかになりたくないけど)

次回最終回、きっとイノクはふたりの衝突を止めてくれると思います。
信じられないほど純粋なイノクだから、子鹿の瞳でなんとかしてくれるでしょう。
ギルドンとイノクについてはあまり心配してません。
結局一緒にいられることになるんでしょ?
残された若君が心配。
押さえ込んだとはいえ、四寅剣が偽物だったとわかっている官僚たちと
この先、国を治めていかなければならないことにはかわりがないのだから。
そしてきっとイノクはそばにいてくれないし。

チャンフィのこの先に、少しでも希望が見える最終回になってほしいなー。
ノ尚君とともに、切に願っております。



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チャンフィ王子が恋しい)
2024-09-26 07:14:00
ブログ主様のupより、10年の月日が流れてしまってますが、コメント失礼いたします。
快刀ホンギルドン視聴終了しました。
私はチャンフィ王子に恋をしているせいか、チャンフィ王子の恋を応援していたのですが、ブログ主様の、耐える耐えないうるさい!は笑ってしまいました笑
私も思ってたんです!笑
付け加えて、ギルドンギルドンうっせーわとも笑
イノク、全然チャンフィ王子の気持ち無視で自分の気持ちの主張ばっかやん!ってイライラしてましたから汗

チャンフィ王子に全く見向きもしないなんてそれこそ流刑です
🥷

結ばれて欲しかったです。本当に。

終わり方は確かに悲しい結末でしたが、とてもいい作品に出会えたと思っています。

今更ながらコメント失礼いたしました🙇‍♀️
ブログ主様に届きますように。
返信する

コメントを投稿