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採擷一縷微風

採擷一縷微風

ぜかそのことを伝えるの

2016-08-12 11:43:40 | 日記

そのかたわらにまた別の人影が形をとりはじめた。それはやがて黒い髪をした若い男の姿になったが、その顔は驚くほど見覚えのあるものだった。突然、ガリオンはその男と自分がそっくりだということに気がついた。「ベルガリオン、わが息子よ」男の幽霊がかれに呼びか
「おとうさん!」ガリオンは叫んだ。他に何を言えばいいのかわからなかった。
「わたしたちの祝福を、ガリオン」しだいに薄れていく姿のなかから、男の幽霊が叫んだ。
「おとうさん、かたきはぼくが討ったからね」ガリオンは父の姿にむかって呼びかけた。ながひどく重要に思えた。だが果たしてかれらにガリオンの声が届いたかどうかはわからなかった。
 ポルおばさんはひどく疲れたような顔で、ぐったりと窓枠にもたれかかっていた。
「大丈夫かい」ガリオンは気づかわしげにたずねた。
「これはかなり体力を使うのよ」そう言いながら彼女はものうげに手で顔を覆った。
 だが氷の底にぴかりと何かがひらめいたかと思うと、今度は前に見たことのある青い狼の姿があらわれた。それはウルゴの山中で、かれがエルドラクのグラルと戦ったとき、ベルガラスと力をあわせて活躍した狼だった。狼はしばらくその場に座っていたが、すぐに真っ白いふくろうの姿になり、次に黄褐色の髪をした金色の目の女性に変わった。彼女の顔は驚くほどよくポルおばさんに似ていたので、ガリオンは思わず交互に見較べずにはいられなかったPretty Renew 價錢
「ポルガラ、まだ開けたままよ」女性の声は暖かく、夏の宵の風のように心地よかった。
「わかってるわ、おかあさん」ポルおばさんは答えた。「今すぐに閉めますから」
「いいのよ、ポルガラ」狼婦人は娘に話しかけていた。
「おかげでかれの顔を見ることができたのですもの」そう言うと金色の瞳の婦人はじっとガリオンの顔に見入った。「やはり、少し面影が残っているわね。目とあごのあたりがよく似ているわ。この子はもう知ってるのかしら」
「まだ全部というわけではないわ、おかあさん」
「たぶん、そのうちにわかるでしょうね」ポレドラが答えた
 再び氷の黒い深みより、別の姿が浮かびあがった。二番目にあらわれた太陽のような黄金色の髪をした女性は、最初の狼婦人よりもさらにポルおばさんによく似ていた。「ポルガラ、わたしの大好きなお姉さま」


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