ガラパゴス通信リターンズ

3文社会学者の駄文サイト。故あってお引越しです。今後ともよろしく。

「血液型は何ですか」?

2006-07-16 00:14:03 | Weblog
どうして血液型性格判断という疑似科学のような代物が、この国でこんなに幅をきかせるようになったのでしょうか。「血液型は何ですか?」。これはあまりなじみのない人と話す時に、話のとっかかりとして無難なものでしょう。

 出身地の話も、みんなが知っているようなところならよいかもしれない。しかしぼくの生まれた鳥取など印象が薄いようで、「ああ、あの出雲大社の」とかいわれるのがおちです。出身校の話はもっと危険です。たちまち上下序列の感覚がそのなかから生じてきます。血液型は4つしかない。それぞれに与えられた紋切り型のイメージも、どれが上でどれが下ということもありません(「B型差別」というような話もありましたが…)。だから、「無難な話題」ということになるのでしょう。

 しかしぼくが相手だと血液型の話はちっとも「無難」ではなくなります。「血液型は何ですか」と聞かれて、実際にこんなやりとりになったことが幾度かあります。「1999年の10月4日まではAB型でした。同年10月5日以降はB型です」。「は??!」。「白血病に罹って兄の骨髄をもらいました。骨髄移植で問題になるのはHLA=白血球の型です。ABO=赤血球不一致の場合は、ドナーの型に変わります」。

 お気の毒に。相手は凍りついてしまいます。がたがたと震えていた人さえいました。ぼくは99年の10月の4日と5日とで自分の性格が激変したとは全然思いません。血液型性格判断などいい加減なものなのです。入院中、血液内科の若い医者が、やはり若い看護師さん(女性)に「君、血液型は何?」と鼻の下を伸ばして聞いているところを何度かみました。こんな輩の医師免許は取り消してもらいたいものだと思いましたまる