ガラパゴス通信リターンズ

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ちりとてちん(あけおめことよろ2010・声に出して読みたい傑作選99)

2010-01-01 10:44:23 | Weblog
あけましておめでとうございます。「門松や 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」。50を過ぎると身にしみる一首でございますなあ。百年足らずでこの世をおさらばするのが人間の定め。これはあまりにも短すぎると感じないでもございません。しかし、どうなんでございしょうか。人の一生が、地質年代を超えて続くとなると、これは何とももうっとうしくはございませんか。

 新聞に、「鳥取市の「野の花診療所」で、世界最高齢者の男性が亡くなった。この男性の死亡で先カンブリア期生まれの人はいなくなった」という記事が載っていたりするわけでございます。このおじいさん、何歳まで生きたんでございましょうか。何十億歳?そんなお齢の方と話をするのは、さすがの徳永進先生でも大変だったのではないかと拝察いたします。

 「降る雪や ジュラ紀は 遠くなりにけり」。外では雪が降っている。熱帯性の植物が繁茂して、巨大な恐竜が地上を闊歩していたジュラ紀は、遠い昔になってしまったことだよなあ…。この句の作者は、子どもの頃、恐竜と相撲をとって身体を鍛えたのでございましょうねえ。「新生代生まれの奴らには気骨というものがない」と悲憤慷慨しておられたのでございましょう。

 当然この世界には、本物の氷河期生まれの方がいらっしゃいます。どんなに若くても1万歳。それでもここでは、若者(!)のくくりです。不遇な人生を強いられたこの世代の一人の男性が書いた「巨大隕石でぶっ飛ばしたい」という論文が話題になりました。かつて恐竜を駆逐し、地球上の生態系をリセットしたとされる巨大隕石の地球への落下が再び起こることを熱望する論文です。

 この「巨大隕石待望論」は年長世代の左翼から、強い批判を受けます。「お前は若いからあの時の苦しみを知らない!」。「氷河期世代だけが隕石落下の恩恵を受けるなどと思うなよ!!」。ところでこの左翼の方々は何紀のお生まれなのでしょうか。何?左翼には未来がない。もう沈没してしまっている。だから、デボン(ドボン)紀。おあとがよろしいようで。