goo blog サービス終了のお知らせ 

Be Organic

女性の美と幸福の源は オーガニックです

ヘアケア製品の中身を見る~その1「アジエンス シャンプー」

2006年05月17日 | コスメ
ここ数年美容業界では、髪をカラーリングすることから黒髪に戻す方向にシフトしています。
その流れで出てきたのが”アジア”を強く意識した花王の「アジエンス」と、”日本”を前面に押し出した資生堂の「TUBAKI」です。

市場で先行した「アジエンス」は、東洋に古くから伝わる美容成分を配合していることが”売り”になっています。
では、実際の成分を見てみましょう。

実際にボトルに表示されている「アジエンス」の成分です。
「ラウレス硫酸アンモニウム」が、このシャンプーの主要な洗浄成分です。優れた泡立ちが特徴の石油系合成界面活性剤です。
本名は「ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウム」と言い、”ポリオキシエチレン”という部分から、この成分が酸化エチレン化合物ということが分かります。酸化エチレン化合物は、生成過程で発ガン性物質の「ジオキサン」が発生し、その混入の可能性があることから、問題視されています。
またアンモニアが入っていることから、環境中に排出されると、水の富栄養化や土壌の窒素過剰をもたらす可能性があります。

「ジステアリン酸グリコ-ル」も合成界面活性剤。乳化を安定させたり、製品にパール感や粘りを出すために使われます。
「ラウラミドプロピルベタイン」は起泡作用、帯電防止作用のある合成界面活性剤です。
「ジメチコン」は合成ポリマー、「ミリスチルアルコール」は油剤です。

「ラウレス硫酸Na」は「ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム」が本名。つまり、酸化エチレン化合物です。合成界面活性剤であり合成ポリマーでもあります。全成分表示以前は、アレルギーや感作の可能性があるとして表示を義務付けられていた「旧表示指定成分」です。

「コカミドMEA」の”コカミド”は「ココアミド」、”MEA”は「モノエタノールアミン」の略。泡立ちを良くしたり、粘りを出すためのヤシ油由来の合成界面活性剤です。
「イソデシルグリセリルエーテル」が良く分からないのですが、”デシル”が「デカノール」で、炭素が10列並んでいる酸、”グリセリル”がアルコールの「グリセリン」だとすると、反応すれば水とエーテルになるので、そういうことでしょうか?

「リンゴ酸」は天然と合成があり、この表示ではどちらか判断できません。ちなみに「DL-リンゴ酸」が合成、「L-リンゴ酸」が天然です。

ここから「ユーカリエキス」「ダイズエキス」「オタネニンジンエキス」「ツバキ油」と天然成分が続きます。しかし原料の産地や栽培方法はもとより、どのように成分を抽出しているかも分かりません。大手メーカーは業者からこのようなエキスを買って使っているからです。

「加水分解コンキオリン」は合成界面活性剤。”コンキオリン”は貝殻たんぱくのことです。たんぱく質を加水分解すると界面活性剤になり、エモリエント効果が出ます。
「ポリクオタニウム-10」「ポリクオタニウム-7」は水溶性の合成ポリマーで、皮膜形成剤です。

「ラウレス-4」は乳化剤、「ラウレス-16」は洗浄剤兼乳化剤で、石油系の合成界面活性剤です。”ラウレス”とは「ポリオキシエチレンラウリルエーテル」の略なので、酸化エチレン化合物であることがわかります。「ポリオキシエチレンラウリルエーテル」はPRTR法(有害物質管理法)で、「移動、排出を管理、報告、公開すべき有害物質」に指定されています。

「ビス(C13-15アルコキシ)PGアモジメチコン」もよく分かりませんが、合成ポリマーであることは確実です。”ビス”は「水素化牛脂」、”PG”は保湿剤で旧表示指定成分だった「プロピレングリコール」、”アモジメチコン”はヘアコンディショニング剤として使われる合成ポリマーです。

ここから保存料が続きます。「安息香酸Na」は旧表示指定成分で配合量に制限があります。「BG」は「1,3ブチレングリコール」といい、保湿剤やエキス抽出に使われることが多いのですが、殺菌効果もあるため保存料にもなります。
「ベンジルアルコール」は自然界に存在しますが、天然物が使われることは少なく、ほとんど合成です。刺激が強く感作の可能性が高いため、旧表示指定成分でした。

「トルエンスルホン酸」もよく分かりません。マウスによる実験で毒性は確認されず、生分解性も高いそうですが、直接この物質を扱う場合は吸い込みや皮膚への暴露に厳重注意が必要とされています。殺菌剤か保存料として微量が配合されているのでしょう。

「水酸化K」「水酸化Na」、共にアルカリ剤です。「カラメル」はお菓子でおなじみの着色料。「香料」は、これだけでは天然か合成か判断できませんが、700円台で売っていることを考えると、合成香料と思われます。


最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アグロナチュラ・パパ)
2006-05-23 11:34:20
はじめまして、アグロナチュラ農業協同組合のブログを現地で綴っております。パパです。←自分で言うのはちょっとこそばゆいですね。



TBをしていただいて、初めてこちらのブログのことを知りました。



とても専門的でかつ正確な知識と、社会に警鐘を鳴らさんばかりの有意義なテーマ内容ばかりで、大変興味深く、また感心しております。



私たちも元々地域社会への貢献を目的に発足したという背景がありますが、なかなか社会貢献だけでは組織を運営しにくい面もなくはありません。実際、悩みは尽きません。



しかし、少しでも世の中に役に立てられることを続けていこうという代表者ピエールカルロを始めとする組合員全員の意思は、ここぞの時には踏ん張っているようで、私たちも懸命に後を追いかけているような毎日です。



何せ基本的に農家の集団です。

新しい試みの面(化粧品ですとかの完成品)で素人ゆえの綻びもあるような気がしますが、Be Organicさまのような方々に叱咤激励を受けながら、むしろ厳しいご意見を沢山戴ける事で、さらに本来の目的のための前進を

続けて行きたいと考えております。



今後とも是非、温かく、厳しく、お見守りくださいますよう、お願い申し上げます。



アグロナチュラ農業共同組合

パパ

返信する
コスメで世の中を変えること (Be Organic)
2006-05-26 12:13:53
>アグロナチュラ・パパさま



ご訪問ありがとうございます。アグロナチュラのブログはまめに立ち寄っていますが、パパさまがラベンダーの香りで私と同じ体験をしておられたので、TBさせていただきました。



私は大学では国文学の専攻でしたから、化学はド素人です。

でも、自分の体験で、”化粧品の成分には関心を持たねばならない”と知ってから、本を読んだり、石けんメーカーの方に聞いたりしながら知識を増やしてきました。

でも、毎年初めて見る名前の成分が出てきたり、大学で化学を専攻していた人でさえ、分からない成分が出てくるのが化粧品の世界。

まして、「化粧品成分が人体や環境に与える悪影響」を研究している人はごくごくわずか。

基礎からやらなきゃだめかなーと、最近は高校の化学の参考書も読み始めました。



自然成分に詳しいだけの人間は歓迎されますが、私のように、”それ以外”の部分も追求する人間は、歓迎されません。



私はもともと「コスメ大好き人間」です。化粧品を選ぶ楽しさ、使う楽しさも知っていますし、その視点は忘れたくありません。

それと同時に、冷静に化粧品の中身を見て、おかしい、まずいと思ったものは選ばない。女性にはそういう感覚を持ってほしいと願っています。

私は、そのためのガイドやヒントになることを伝えたいのです。



化粧品が女性の心身を蝕み、化粧品を使うことで女性が環境破壊のお先棒を担ぐなんて、たまらないじゃないですか。



デメーター農家の視点という、これまでにない立場で作られるアグロナチュラの化粧品には期待しております。アグロナチュラのような組織、企業が増え、そのいずれもが信念を曲げることなく、経営的にも成功できる世の中になってほしいですね。
返信する