日曜日に、クライアントさんのお誘いで、
ミツバチのお話を聞きに行ってきました。
養蜂家のハニーさんこと、船橋康貴さんの講演会です。
「ミツバチがいなくなると、数年で人類は滅亡する」と言われるほど、
生態系の大切な守り手であるミツバチ。
今、日本のミツバチは50%減っており、
その多くが農薬散布、除草剤使用が原因だと言います。
除草剤は、学校の校庭や空き地、
家庭の片隅に気軽に撒いているケースが多いと思いますが、
その一回の散布で、多くのミツバチの命が失われるのだそう。
ミツバチがいるから花は受粉し、
実をつけ、野菜や果物がなる。
それらを飼料にして、牛や豚が育ち、
その種が木になって酸素を作り出し、
木が根に水を集めて川となり、海となり、
そこに魚たちが育ち、
海の水が蒸発してまた雨となり降り注ぐ。
その雨のおかげで花が咲き森が育ち、
そこにまた、ミツバチが飛んでくる。
このミツバチがいなくなることで、
この生態系の一部が壊れ、
循環の輪が切れてしまう。
すると、自然が破壊され、実りがなくなり、
たくさんの命が死に絶え、
二酸化炭素が増えてしまう。
川が濁り、地球がどんどんおかしなことになってしまう。
って、これって大ごとじゃない???
ハニーさんのお話を聞いて、
けっこう深刻な問題だなこれ…と私は思いましたよ
私たちがスマホに夢中になっている間に、
確実に地球は破壊されています。
どうやって生活を便利に豊かにしようかと、そこに目を奪われている間に、
たくさんの神聖な存在、命の担い手が、この世から姿を消しています。
人工知能やオリンピックに浮かれ気分になっているその陰で、
実は人間の命の根底を支える土台が崩れかかっている…
何となくはわかっていたけれど、
どうしたらいいかわからずそのままにしている問題は、
確実に私たちの生活を脅かし始めているのだということに、改めて気づかされました。
ミツバチは、スピリチュアルな存在だと言われています。
トートタロットカードの絵柄にもその姿が描かれていますよ(大アルカナ14番『アート』)。
おしべとめしべを受粉させるミツバチの仕事は、
自然界の錬金術師とも言われ、
女性性と男性性の結合を意味するんですね。
対極が一つに結合することで、新たな命、可能性が生まれます。
それが子どもであり、果実であり、
創造性なのです。
その新たな生命が地球を進歩させ、潤し、ゆたかにする。
…はずでした。
ところがそうして命をいただいた私たちは、
生活を潤す文明のパワーを、次第に「金と権力と名誉」に使うようになっていきます。
その、エゴに基づいたパワーが肥大化したがゆえに、
この地球はどんどん破壊され、
動植物が姿を消し、
自然災害や破壊が起こっている。
タロットでは、大アルカナの順番において、
「女帝」が「皇帝」の前に来ています。
これは、「皇帝」の権力とパワーは、
「女帝」の意味する自然のパワー、女性性(受容)のパワー、母性、育むという行為に基づいて行われなければならない。
という教えを意味しているのですが、
母なる地球を愛することが欠けている私たちの行動は、まさしく正気を失った皇帝、独裁者といったところなのかもしれません。
過去の歴史でも、皇帝の行き過ぎたエゴによって、偉大な帝国が滅びることとなりました。
私たちは今、このパターンに気づくべきでしょう。
母なる愛に支えられていないパワーは、
いずれ暴走し始め、破壊を呼ぶことになるのです。
自然の偉大なパワー、錬金術師ミツバチを大切に守ることは、
「女帝」の力を強めることであり、
私たちがバランスをもって生きていけるか、
今、そこが宇宙から問われているのかもしれません。
そして、それは一人一人の心の中の問題でもあるでしょう。
ハニーさんが、心の中に「自然」が広がっている人がいなくなってきた。
というお話をされていましたが、
心の中が殺伐とし、人生は戦いであり、ほしいものは獲得しなければならない、
と必死で生きている人がどれだけ多くいることでしょうか。
そうなると、エゴが肥大化していきます。
みなさんの心の中には、ゆたかな自然が広がっていますか?
草花が青々とし、風がそよぎ、木が茂り、小鳥たちが飛んでいる、
そんなすばらしい自然をみなさんは自分の心の中に育んでいますか?
もしかしたら、私の仕事はそういうことなのかもしれない。
そんな風に思いました。
一人一人の心の中に、ゆたかな自然を育てていく
心に自然が広がっていくと、
地球の声を聞けるようになるでしょう。
子どもたちの未来のために行動できるようになるでしょう。
ミツバチの苦しみを、自分のことのように感じられるやさしさが、
自然に湧いてくるでしょう
ハニーさんの講演を聞いて、
いろいろと思うところがありました。
今回、すばらしい講演会を主催してくださったクライアントさんたち、
このような機会を私にもたらしてくれた導きに感謝したいと思います
ハニーさんをはじめ、出演されていたアーティストのみなさんや、
一生懸命この日のためにピアノを練習していたSちゃん、
それを隣で支えていたママのHさん、
たくさんの涙が、ミツバチを支えているんだな~としみじみ
みなさんの思いがたくさん詰まったあたたかい講演会でした
そうそう、家に帰って、
ハニーさんのハチミツをスプーンですくって紅茶と一緒にいただきました。
目をつぶってひとくち…
心の中に、お花畑と、どこまでもグリーンの草原が広がりましたよ
なんか、やさしくてあたたくて、涙が出てきました。
ミツバチは、一生かけてティースプーン一杯のハチミツをつくると言われます
小さな小さなお仕事、でも、私たちの命を支える偉大なお仕事に、
尊敬と感謝の念を抱きながらハチミツをいただくとき、
私も自分の命を使って、そのような仕事をしていきたいと、あらためて思ったのでした。
ミツバチが私たちに教えてくれること。
それを大切に次につなげていくために、私は何ができるだろう。
少しずつ、自分のできることをやっていこうと思います