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ホビット-決戦のゆくえ- ☆ 3部作で嬉しいのだけど2部作だったら最高傑作になっていたかも ☆

2015年02月01日 | 映画・ドラマ
 ホビット三部作が本当に完結しました。そして見事に『ロード・オブ・ザ・リング』三部作につながりました。
 『ホビット』のプロジェクトが始まったとき、離陸するまでかなりの紆余曲折がありました。当初、ピーター・ジャクソンも直接の監督ではなかった。『ホビット』に着手するとき、もちろん版権の問題があったとは思いますが、それを含めいろいろな人の思惑が入り乱れてなかなか事が円滑に進まなかった。それは『ロード・オブ・ザ・リング』(『LOTR)』三部作のすさまじいクオリティーとその歴史的な成功が影響したものと思われます。
 しかし、最終的にP・ジャクソンが監督を務め(この人以外に誰がいるのだろう)、見事にまた、『LOTR』のスタッフとともにこの作品を作り上げます。
 もともとトールキン作品の映画化としては『ホビット』の方が最初にあがっていたようですが、最終的に『指輪物語』から映画化されることになります。
 当初、『ホビット』は2部作でした。しかし、ピーター・ジャクソンがメガホンをとってから3部作へと変更されます。前プロジェクトの『ロード・オブ・ザ・リング』三部作とのバランスを考えると、『ホビット』も三部作にした方がいい感じ。さらに3作品の方が儲かるのかな。
 当初、2部作で進められていたとき、『LOTR』との繋がりは考えずに、原作『ホビットの冒険』を忠実に作り上げるべきという考えがあったようですが、P・ジャクソンがメガホンをとってから、自身の『LOTR』との繋がりを意識したため2部作では収まらなくなったと思われます。
 1作目『ホビット 思いがけない冒険』(The Hobbit: An Unexpected Journey)は、169分(エクステンデッドは182分:3時間2分)。
 2作目『ホビット 竜に奪われた王国』(The Hobbit: The Desolation of Smaug 原題の直訳は『ホビット スマウグの荒らし場』)は161分(エクステンデッドは186分:3時間6分)。
 そして3作目『ホビット 決戦のゆくえ』(The Hobbit: The Battle of the Five Armies 原題の直訳は五軍の戦い)は144分:2時間24分。
 三作をあわせると計8時間20分。これを2部作にすると、1本あたり4時間10分。
 『ホビット』3部作は、予想を超える素晴らしさでした。当初、原作が児童文学ということで、子供向けの作品なのかなとちょっとなめてた所はあるのですが、ピーター・ジャクソンはきっちり重厚な大人の作品に仕上げました。
 ただ、3部作にした弊害はあるように思います。なんていうかクライマックスシーンが、いい感じで分断されているというか、うまくそれぞれの作品に振り分けられている感触。1作目は、インパクト的にはうすい所もある。後に通して3作一気見すれば、そのストレスは解消されると思いますが、この濃厚な作品を2部作で制作していたら、濃縮した分すさまじいものがあったと思います。
 今回原作も読んで、ほんとどこで区切ったらいいのか考えては見るのですが、難しい・・・
 ジャクソン監督が、『ロード・オブ・ザ・リング』とのつながりを意識し、とりいれた部分を削るとなると、『LOTR』との繋がりが切れてしまい味気ない。原作では触れられない魔王サウロンの復活を匂わせる部分も重要だし。
 まあ、やはり3部作で、十分中つ国を堪能できたということでよしとしよう。
 ほんと今回の『ホビット』三部作で『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観が深まり拡がった。
 今回、『ホビット』3部作を見終え、『ロード・オブ・ザ・リング』の1作目『旅の仲間』をあらためて見てみた。
 オープニング、ビルボ・バギンズは、机につき自身の体験談を“ホビットの冒険”として執筆しているシーンがある。そしてガンダルフとの再会のシーン。
 初めて見た時と、今回見た時では、その再会のシーンのもつ深さが全然違う。初見のとき、ビルボになんてたいした感情移入はなかった(ちょっと顔もブサイクだし・・・)。主役は見た目もいいフロドのわけで。しかし、今回われわれはあの勇敢な大冒険をしたビルボを知っているのです。
 さらにピピン達がイタズラでドラゴンの花火を打ち上げ大騒ぎになりますが、あの本当にずさまじい迫力のスマウグをわれわれは体感しているのです。
 フロドの旅の仲間となるドワーフのギムリは、ドワーフ13人衆の一人グローインの息子なのかとあらためて認識する。そしてエルフを毛嫌いしている理由も十分わかるわけです。
 ピーター・ジャクソンも当初そこまで考えてはいなかったと思うのですが、見事なまでに『ホビット』と『ロード・オブ・ザ・リング』はつながるのです。
 (唯一、ビルボがゴラムのいる洞窟から指輪を拾うシーンは俳優がちがうので違和感がありましたが)
 こうして『ホビット』三部作と『LOTR』がつながるのも、『LOTR』のキャストが誰ひとり欠ける事なく、『ホビット』に登場している点にもあると思う。俳優陣のこの作品への愛を感じる。
 『ホビット』三部作は、さらにテクノロジーにより全編3Dとなりました。中つ国の舞台となったニュージーランドの景観の素晴らしさもさらに味わうことが出来るのです。
 『LOTR』の景観の素晴らしさに魅了され、10年前、本当に私はニュージーランドに行くことができました。さらにそこで、指輪を捨てる旅ではなく指輪の交換の儀式もしてしまったという。先日、普段していないその指輪を久々にしたとき、どこかに置き忘れて大騒ぎしましたが、なんとか出てきた。指輪をポイしたくなる時もありますがなんとか今に至っています(笑)。



 今回、『ホビット』の公開とあわせてニュージーランド航空や国も一丸となって観光キャンペーンを展開している。まさに中つ国がそこにあるのです。
 今回の『決戦のゆくえ』は、原作的には、終わりの方の全体としては10分の1程度のページ数の部分だと思うのですが、オープニングから前回未消化的に終わったスマウグ(竜)が荒れ狂って街を襲うシーンに圧倒される。そして、人間、エルフ、ドワーフ対オーク、ワーグ(狼)の五者入り乱れての戦いがこれまた圧倒的なスペクタルで展開される。



 ピーター・ジャクソンがドワーフ13人衆にこだわった部分もよくわかるし。オーケンシールドの描き方も素晴らしいし、演じたリチャード・アーミティッジも素晴らしかった。エルフのかっこいいこと!
 今回の『ホビット』シリーズの難点をあげるとすれば、前『ロード・オブ・ザ・リング』の映像、スペクタル感がすさまじかった事による弊害。
 それこそ映像化不可能と言われた『指輪物語』を映画化したピーター・ジャクソンは、テクノロジーを駆使してこれまで見たことのない迫力ある合戦シーンを生み出した。
 今回、さらにすばらしいものになっているとはいえ、最初のインパクトを経験してるので、そこまでの衝撃はうすかった。
 さらにレゴラスをはじめ、無敵すぎてあれだけのオークがいても、どうせやっつけちゃうんだろうな、ぜったいやられないんだろうな的な安心感があってそこまでハラハラしないという。『王の帰還』の最後の合戦シーンや『二つの塔』の砦での合戦シーンはほんとすさまじかった。
 その辺が、オスカーでも『ロード・オブ・ザ・リング』ほどの評価を受けることができなかった要因か。ハードルが上がりすぎていたという感じ。
 まあ『王の帰還』で史上最多の11冠を達成しすでに歴史に名を刻んでいるのですから。
 とにかく『ホビット』三部作により『ロード・オブ・ザ・リング』がまた素晴らしいものになった。
 『決戦の行方』のエクステンデッド盤は何分で発売されるのか?劇場でもまだギリ上映中。見ていない方は、前2作を見て是非劇場へ!
 ピーター・ジャクソン監督と制作に関わった方にも感謝です。こんな素晴らしい作品を見ることができてHappyです。
 さあ皆さん、エクステンデッド版で『ロード・オブ・ザ・リング』を見てどっぷり中つ国にTripしましょう!


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