のどかな気候。あたたかい陽気。
現在は「なごやかな気色。むつまじい気分」という意味で使うことが多い。「和気藹藹(わきあいあい)」の「和気」だ。でも『広辞苑』によると、こちらは2番目の意味。気候についていう意味のほうが古い。
気分のほうの「和気」も、「和気」だけで使うことはあまりない。たいてい「藹藹」とペアだ。「藹藹」は「(1)草木の茂さま。(2)多くて盛んなさま。(3)心のやわらいださま」。「和気」+「藹藹」は、よっぽどなごやかで心がやわらいでいるのだろう。「藹藹」と同じような意味で「藹然」という言葉もある。
京都御所の近くに護王神社があり、祭られているのが和気清麻呂(わけのきよまろ)。道鏡が宇佐八幡の神官と結託して天皇になろうとしたとき、阻止した人だ。吉備の国、現在の岡山県の出身。道鏡に嫌われ、名前を別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)に変えられてしまった。プラスのイメージの「和気」を、マイナスの「別部」にしたわけだ。でも道鏡が失脚して名誉回復。平安遷都も和気清麻呂の仕事だ。彼がいなかったら、今日の京都もなかった。
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「永江朗のオハヨー!日本語 ~広辞苑の中の花鳥風月」は本日が最終回です。
ご愛読、ありがとうございました。
単行本もどうぞよろしくお願いします!
現在は「なごやかな気色。むつまじい気分」という意味で使うことが多い。「和気藹藹(わきあいあい)」の「和気」だ。でも『広辞苑』によると、こちらは2番目の意味。気候についていう意味のほうが古い。
気分のほうの「和気」も、「和気」だけで使うことはあまりない。たいてい「藹藹」とペアだ。「藹藹」は「(1)草木の茂さま。(2)多くて盛んなさま。(3)心のやわらいださま」。「和気」+「藹藹」は、よっぽどなごやかで心がやわらいでいるのだろう。「藹藹」と同じような意味で「藹然」という言葉もある。
京都御所の近くに護王神社があり、祭られているのが和気清麻呂(わけのきよまろ)。道鏡が宇佐八幡の神官と結託して天皇になろうとしたとき、阻止した人だ。吉備の国、現在の岡山県の出身。道鏡に嫌われ、名前を別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)に変えられてしまった。プラスのイメージの「和気」を、マイナスの「別部」にしたわけだ。でも道鏡が失脚して名誉回復。平安遷都も和気清麻呂の仕事だ。彼がいなかったら、今日の京都もなかった。
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