(1)から続き
鳥栖でワインバーを始めて3年になりますが、
お客さんを見ていて、ワインを少し誤解されている方もいらっしゃるように思います。
「ワインは難しかけん、よう分からん」
ということをよく耳にします。
本屋にはワイン入門、ワインと料理などという本が
ぎっしりと並んでおり、
また、テレビや雑誌でもいろいろと言われています。
馴染みがない上に、このような情報だけが氾濫しているので
「難しかねー」となるのでしょう。
そういった情報に間違いは一つもないでしょうが、
一般的ではない部分もあるように思います。
そして・・・
「ワインは高級な高いもの」
「ワインは料理に合わせるもの」
「おしゃれなもの」
・・・このようなイメージを強く持たれている方も
いらっしゃるようです。
ワインというと、赤ワインのイメージが強いのか、
初めて来られたお客さまの9割ぐらいが、
まず赤ワインを注文されます。
そして何回か来ていただくうちに、白ワインをお薦めすると、
以降白に変わられるケースもかなりあります。
日本酒や焼酎を飲まれている方は、
どちらかというと白ワインの方が親しみやすいのではないかと
思います。
また、白ワインは甘いと思われている方もいらっしゃるようです。
私は、ローマとウィーンと
ドイツのフランクフルトの南の町に住んでいましたが、
レストランやバーで赤ワインを飲んでいる人を
見かけた記憶がありません。
ヨーロッパの人たちは、地元のワインを日常的に
呑んでいます。
上記は、いずれも白ワインの産地ですが、
逆に赤ワインの産地では、赤ワインばかりになると思います。
田舎の人は、生涯地元のワインだけを飲むということも
多いのではないでしょうか。
スーパーマーケットのワイン売り場には、
棚に世界中のワインがきれいに並んでいます。
しかし、その前のフロアには、
大瓶の地酒が木箱に入って積み上げられており、
ほとんどの人はそれを買っていきます。
料理とワインの相性ということも盛んに言われます。
確かに相性はあり、大事なことだと思います。
しかし、「肉には赤」「魚には白」という
単純なものでもないようです。
ドイツやオーストリアは、内陸で肉料理が中心ですが、
赤ワインは一般的ではありません。
日本のお父さんが晩酌をする時には、
鍋であろうとハンバーグであろうと、
酒はお気に入りのいつもの芋焼酎ではないでしょうか。
ヨーロッパでもまったく同じです。
家庭で料理に合わせてワインを変える所は
あまりないでしょう。
(3)へ続く