猥雑記(ハンナマ鍋の妄想・妄言)

ハンナマ状態になってきた所で鍋を取り替えます。

流れに反論  姉歯氏以外は皆シロ_3

2005-12-17 | 事件ですかぁ?
さてと、現在の世論が向かっている流れに、あえて逆らって見る。


「一人の犯罪者を、組織的犯罪の被害者に仕立てて、ウサばらしの捕り物劇」をしているようだ。悪人を仕立てるには、小物より大物の方が面白い。

インターネットの掲示板では毎日のように「ワッショイ!ワッショイ!お祭りだ!!」と一つのテーマで投稿者の発想力を競うように書き込みが行われる事がある。現在の報道や議員の追及は、この「ワッショイ!ワッショイ!関係した物は皆犯罪者的な、お祭り(血祭り?)型の追求方法」になっては居ないか?

今のように感情や印象で決め付ける事はすべきではない。違法性が有るのか無いのか、技術面や建築の常識から考えてみよう。

もうすこし冷静にならないと、この犯罪行為を防ぐための絶好の機会に関らず、本当に改善しなければならない物を見逃し、ただ新たな責任分散システムを作っただけとなってしまうことが予想される。




今までの登場人物を分類すると、

1.ヒューザー等住宅販売会社・ホテル業者
建築行為は、民間工事の場合は住宅以外は何らかの経済活動を行うための商品あるいは環境であることから、経済効率を前提にしている以上、建設コストの削減の呪縛からは絶対に抜けられない。つまり、建築主が求める物は投資効果である以上、常に安く建てて利益を得ようとする。それは正当な経済活動であって誰も否定出来る物ではない。

建設業者から契約した所定の性能の建築物が提供されなかったなら、損害を請求する事はできる。疑問なのだが、木村建設は倒産したが、そのような事態を防ぐために、その契約に完成保証人として他の建設業者を指定しなかったのだろうか。倒産等があった場合その完成保証人が所定の建築物を立てる契約ではないのだろうか。無能な企業弁護士だ。

ヒューザーも、何もしなければ善良な被害者なのだが、事の大きさにうろたえて、宅建法違反・PL法違反(建設業は適応外)などを企てた。

法律をナメテイタネとしか言い様が無い。信用を復活する手はいくらでも有ったろう。違法な事をすると、公的救済が望めないではないか。まだ、住民と交わした契約は履行する企業責任がある。一体なにをやっているのか。自らそのチャンスを失ったような物だ。

ヒューザーが犯罪を犯したとするならば、建築物強度偽造とは別件とすべきだろう。


2.木村建設
建設業者は、出来るだけ高額に受注し、目的に沿った性能の建築物を、出来るだけローコストに建てる事によって利益を得る事を企業理念としている。そのために可能な限り企業努力をする。これも否定することはできない。支店長のリベートは本件とは一線を画する物だ。不正を行う会社としての印象付けに姉歯が暴露しただけだ。

木村建設のスタンスに大きな責任は無い。社長の純朴さは企業のどこかに表れているはずだ。しいて言えばあまりにも設計者を信頼しすぎたことだろう。その企業努力は評価に値する物だと思う。また、優秀な企業弁護士の存在も見え隠れするし、残念なのはそのように優秀な企業や努力を認めない取引先の金融機関だ。彼らには本質的な企業支援など出来ないだろう。いずれ信用も信頼も失いどこかと統合される運命にあるのではないか。


3.設計事務所(平成設計・姉歯構造設計)
建設活動は大きな資金が注ぎ込まれ、また安全が要求されるために、それを円滑に行うために建築基準法が定められている。
ここで国家資格として建築士法が定められ、設計する者・工事する者・審査する者の能力と使命が明記されている。
さてと、全く当たり前なのだが国家資格には法令遵守が前提。企業からの圧力があろうとも屈しない事がその存在価値なのだ。それから言えば、責任を負うべきは姉歯ということになる。

しかし、平成設計等の元請設計は、その建物の性能全般に責任があるので、責任の重さから言えば姉歯設計と同等かそれよりも重くなる。現実的な処理は、簡単に言うと確認書類に記載してある設計者が、まずは全法的責任を負い、後は不備があった設計事務所に対してその損害賠償を請求する事ができるといったところだろうか。

現状の証拠物件や追求状況では、姉歯がいくら指示されたと言っても、その真偽も怪しく、例え依頼主から圧力があろうとも、また技術的責務を負わない立場の者には、技術的責任を転嫁できない。現実には構造計算の責任は、設計者にしかない。工事する側の責任者は、設計がおかしいと認識したときに設計者と協議する仕組みにはなっているが、明確な責任範囲とされているわけではない。

構造設計に不備があるかどうかは元請けの設計事務所がチェックする責任がある。今回の事件は、元請設計がそれを行わなかったのだ。つまりは姉歯以上に責任があるのは平成設計や、その重責を感じ自殺してしまった森田建築士なのである。

建築士の業務は大きな資産を左右する仕事であって、万が一の不正や事故があっては個人では負担できないほどの損害が生じる。このように高額な事件となれば自責の念から自殺者が出るのは不思議でもない。姉歯氏は自分を信頼していたパートナーを自殺に追いやった張本人なのだが、なぜか報道は姉歯氏に同情的なのが不思議だ。

人為的に行う設計には色々な考え方が無限に詰め込まれていく。設計はそれらを最低限にでも法的範囲に収めていかなければならない。そこで必要となるのが確認審査機関。今回、審査機関の能力が問われる事になったが、これには確かに問題がある。姉歯が言った「イーホームズが甘かったから偽装した、もしも審査機関がきちんとしていたなら私は偽装しなかった。」は、自己弁護の為であるし、我々からすると断じて許しがたい発言だ。議員達はそれを追及していない。

確認審査など、設計者が常に能力を100%発揮できたならば、本来は不必要である。しかしながら設計は人為的な行為ゆえ、チェックは必要になる。設計者と審査機関は「審査する側とされる側」と言うのではなく、依頼主の為に、より間違いの無い物を提供するために協力する関係だ。いわば、本来審査機関は、よりよい建築を提供するためのパートナーである。

姉歯は、良い建物を供給する使命感を失った時点で、
建築基準法第1条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする
これに反している。

彼は喚問でこういう言葉を言った。
「1級建築士の誇りも有るし・・・」

審査機関をうんぬん言う以前。姉歯氏が行った罪の大きさは、半分でも負担するとその重責に耐えかねる。それまでまじめに努力してきた森田建築士は、多くのマンション住民達を危険にさらし、巨額の資産価値を失わせた責任を負担する事になった。死ななければならないほど悔しかったに違いない。それを思うと私は姉歯氏を予断無しに正視する事が出来ない。許しようがないのだ。


4.審査機関
自治体・民間審査機関ともに、構造審査に関しては問題があった。しかしそれは国が定めた審査する方法が時代錯誤だったのだ。それは改善すればよい。

ただ、イーホームズが偽造を知ってからは早かった。遅疑逡巡の末見逃した、日本ERIと一線を画し、審査機関のプライドをかけ公表した。(黙っていればイーホームズは、国や自治体や民間審査機関などの制度の中で、スケープゴートにされるがままと判断し公開したのだった。)

この事件とは直接関係が無いが、だた私は、民間審査機関の生い立ちが黒い流れの中で作られたものとの考えを払拭できない。日本の大手の建設業者が自らの業務を有利とするために行ったものとの疑いを持っている。そのために審査以外にも憂うべく現象が現れている。


以前から言うように、審査は利害関係の無いものによって行われるべきだ。海外例にそって保険会社の審査なども検討すべきだが、利益を求める体質のところには利益を求める企業が寄り添っていく。この断ち切りを行ってしまわないと審査機関は中立公正のものにはならない。公正さは現在の間審査機関と50歩100歩に留まるに違いない。はたしてその改善が、現政権に出来るのだろうか・・・・疑問だ。いや国民の資産と安全を守るために、絶対にやってもらわなければならない。


5.コンサルタント
コンサルタントは依頼主から事業目的に沿って、その事業用の建築や業務支援のアドバイスを行う会社。そのために事業総体の目標を設定し、それをクリアするための方法論の実行や人・物・金のコントロールを行う。その事業に参加する企業は、コンサルタントから提示された品質やコストなどの目標をクリアするために企業努力をする。その多くのコンサルタント手法は過去にある事例などを提示し、コストコントロールの場合は数値目標を提示しその実現に向けて参加企業の努力を促す。

企業は数値目標が実現できなければ降りればよいし、可能であれば参加する選択肢がある。企業側は「出来る出来ない」を判断すればよい。この判断基準にはコストも有るが法定遵守の要素も当然含まれている。もしもコストだけであれば「出来る出来ない」の判断は強度も関係が無い。メモにある構造計算の計算式も必要が無い。コンサルタントが強度を前提にしている構造設計に言及している以上、判断基準は「審査(法令遵守)を前提とした構造計算」である。

もう少し簡単に言うと、コストだけを判断基準にしているのであれば「構造計算をする動機」が無い。構造計算者を任命する事もなければ、設計事務所に計算方法を指示することも無い。むしろ、数式まで記載し構造の考え方を指導していたのだから、計算式の前提にある法令遵守は、その時点で設計者に委ねられていると考えるのが順当ではないか。議員は強度の低下を知ってて指示したという事を言いたいらしいが、それは強度を維持して鉄筋量を減らす数式だ。

もっと簡単に言えば、このコンサルタントは建設業でも設計事務所でもない。一級建築士が何人居ようとも法的責任は無い。無責任に何を言っても指示しても裁かれる事は無い。法令遵守責任は事業に参加した企業側にある。彼らが守るべき物は依頼主と交わした契約だけだ。

議員が提示した数値目標のメモは、企業ぐるみで偽装が行われたとの追求材料にはなりえないし、違法性などどこにも無い。「巨悪のフィルター」を外してよく見るがいい。


今、馬淵議員がTVで登場して、四ヶ所メモがうんぬんされている。専門家であるコンサルタントが最終的に姉歯を動かしたいう。

他の構造計算のプロのコメンテーターにすると、四ヶ所氏は構造計算のプロであるとのコメントがある。「構造用語を知っている事と手書きで計算が出来る」のがその判断理由だ。しかし、それが正しいなら、異常に低い鉄筋量の指示を行ってたなら、「構造実務のプロ」ではない。逆に素人だからそんな数値を指示したとも言える。

「それだから強度低下を知りながら圧力をかけた証拠だ!!」としてるのですが、コンサルタントは目標値を示す仕事。業者は提示された目標をクリアするかどうかを判断すればよい事。ただの技術的検討の打合せ書類ではないか?。多分その書類には「良く検討して欲しい」旨の文言があるはず。また、他にも打合書類は有るはず。自説に都合の書類だけをピックアップして、それも悪意で読み替えるのは偽装でしょ?

「構造用語を知っている事と手書きで計算が出来る」は、工業高校程度。メモの内容にある鉄筋の引っ張りと付着応力の公式なら1級の試験程度。私のような構造専門でもない地方の田舎設計屋さんでも出来る事。

ここで内河氏が言っている「ウチには1級建築士はいるが、それが構造の専門家(実務家)として世間に通用するのかどうかはわからない」と言う言葉に信憑性がかなりあるように感じる。現状では構造計算の専門家は、時間制約やシュミレーションなど、コンピューターを駆使できる者に限られてしまう。内河氏はその現状をしっているからこそ、前言のように言ったのだろう。

追求している内容が、法的責任の無い事の証明にもなる。そこに議員の根拠の浅さと矛盾がある。残念ながら、議員の思惑とは逆を意味する書類と思われる。

もちろん議員も構造計算に関しては、何を言っても素人だからいいけれど。しかし、それを現在のようにあたかも「企業ぐるみの証拠」であるかのように強弁し、世論や国民を煽動しつづける事は許されない。もっと冷静な観点からこの問題に迫るべきだ。

私には木村建設関連や内河氏の表情からは、嘘を言っているようには見えなかった。むしろスケープゴートにされ、気の毒に思うぐらいだ。食い違いは、知っていることと知らないことがあるだけだろう。
しかし、姉歯氏には作為的に言わなかった事があるし、意図的に印象付けようとした言動がある。

より大捕り物劇を演じたいが為に、何をしなければならないのかを見失ってもらっては困る。大手建設業及び関連企業に有利な民間の審査機関(天下り組織)のあり方精査し、経済的呪縛から逃れた審査組織をいかに作るのかに精力を注いで欲しい。

今回証人喚問になぜか呼ばれなかった民間審査機関(大手建設業及び関連企業に天下り団体)。そのような制度を作った政治家と日本の大手の建設業企業。その時代錯誤な審査方法を決めた国交省技官と国交省認定構造計算プログラム会社とその産学官委員会。あなた達の傲慢と私利私欲と仲間意識が、胡散臭い姉歯現象となって表れたのだ。

今後このような事態を予防するに、職務責任の重さと予防(審査)とをさらに強化する事になるのだろうが、国が行う制度改革は、概して責任を分散させ、つかみ所が無い状態を作り出す。今回の事件を処理するために一律の税投入も審査機関の保護ではないか?本当は自治体を含めた各審査機関で責務を負う事が順当ではないか?

民間の審査機関はそのリスクを背負って営業していると言える。それともリスク無しの商売を国の認可で行っているのか?もっと自分達が責務を追うべきではないのか?民間に出来る事は民間に。公務員は・・・?。審査機関や国交省職員には職責がない状態で、民間委託したのは国の責任と税の投入・・。さてさて・・。

としても、職責の重さを徹底する事から言えば、国交省は姉歯の建築士資格を剥奪するのは早すぎた。暫定的に業務停止命令を発し、証人喚問時には建築士としての職責を果たしながらの発言をさせ、それ以降に建築士法を見直してからもっと厳罰にすべきだったのだ。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
建築士の資格 (sadakun_d)
2005-12-17 15:15:35
登場人物をちょっと書き込みします



☆内河健・総研コンサルタント

(四人の一級建築士がいる)



☆施工・木村建設

(建設会社だから、建築士いくらでもいるでしょう)



☆森田一級建築士…自殺



☆姉歯一級建築士



わからないのは、経営コンサルタントにも、木村建設会社にも、建築士はいるのに、なぜ外注で姉歯建築士に仕事を依頼するのか?



設計施工は木村建設会社でならば、わかるんですけどね
返信する
構造計算外注について (banzys)
2005-12-17 16:40:13
コメントありがとうございます

構造が苦手な建築士は沢山居ます。

設計費のコストダウンを考えるならば、構造や設備などの定型な設計作業は、専門に行っている設計業者に外注するのが効率が良いんです。もちろん外注した者はその建物が右利きか左利きか足腰の強さまで責任を負うのが普通です。



トヨタの小型車のエンジンがダイハツだったりします。OEM(相手先ブランド)は建設業の中では昔からあったんです。
返信する
熊本日日新聞 (iso)
2005-12-17 18:03:29
熊本の新聞社が「支配人」の発言を裏付ける記事を書いてますね。

プロレス板の姉歯スレにコピペされてます。
返信する
構造計算屋というやつかな (sadakun_d)
2005-12-17 21:59:48
不思議に思ったのは自殺した森田一級建築士が、姉歯一級建築士に「構造計算」依頼したのニュースから。



なるほど、構造計算建築士と、意匠デザイン建築士なんですかね。



総研コンサルタントの四人建築士。木村建設会社の建築士。



姉歯構造計算建築士とは、得意が異なると。



そこで、疑問!構造計算建築士は、希少価値なのではないですか。27万人の一級建築士の中、4000人しかいない構造計算建築士。



が、実情は違うようですね。木村建設から切られたら、次がないと、はっきり言ってましたから。



返信する
コメントありがとうございます (banz)
2005-12-17 23:54:56
>熊本日日新聞 (iso)

さっそく言ってきました



>構造計算屋というやつかな (sadakun_d)

建築士は正確には分野に分かれていません。好きな(得意な)分野をやればいいんです。構造屋と看板を上げている事務所が4000なんだと思います。希少価値でもありません。仕事量からすると構造屋さんは年間100件ほどこなしデザイン屋さんは年間10件が精一杯。仕事が無ければ年間1件て事もある(とほほ・・)
返信する
Unknown (banz)
2005-12-18 00:02:36
姉歯が言う

木村建設から切られたら、次がない。と言うのは木村建設に依存していて事務所努力をしていなかった。それと、他の取引先として、設計事務所とパートナーシップを組めなかったのは、普通の設計事務所には、その能力を見破られたのだと思います。
返信する