石ころ

合鴨




 出掛ける前に気になっていたストーブの掃除を終えて、思い切り薄着になって外に出た。それは、寒いくらいの方が低血圧には楽だから・・。
この間から雨続きで歩くことができなかった。昨日は久しぶりの晴れで忙しくてその間はなかった。今日やっと夕方になって時間ができた。

もう栗の花がついていた。道すがら菖蒲の紫色のつぼみが庭に並んでいた。チューリップは花盛り・・黄金色の山吹も満開だった。
田んぼでは蛙が大合唱・・しかし立ち止まって蛙の姿を探したけれど声はすれども姿は見えず、しかもぴたりと鳴き止んで・・「早く行け!」と追い払われてしまった。

半分まで来てしんどいから此処までにしようか・・ってちょっと迷ったけれど、会いたい相手があったので「がんばろう!」って先に進むことができた。
ぐるりと回ってやっと緩やかな下りになる。往路はひたすら上り坂なので緩やかであってもそれなりにしんどいのだ。

やっと会いたかった合鴨さんの小屋が見えて来た。道の下の水路の側に小屋はあって、二羽の合鴨さんはたいがい水路でいつも仲良く遊んでいる。羽がとてもきれいなのは水浴びをしているからなのだろう・・。
するとバイクが止まって、菜の花を持ったおじさんが小屋に向かって歩いてこられた。私はとても嬉しかった。聞きたいことが山ほどあったから・・。

「お宅のペットなのですか」「いや・・去年の合鴨農法の合鴨ですね」
「あれは雛ですよね。大人になってもできるのですか」「できますよ。」
「稲を食べないのですか」おじさんは笑いながら「食べますよ。働かせようと思って餌を減らすと稲を食べますね。」
私は「穀物をこなしている牛に、くつこを掛けてはいけない。」を思い出した。そのようなおおらかさでないと、自然に任せるような農法はできないよねって・・一緒に笑いながら納得していた。

つがいで雛が生まれたら素敵だと思っていたので聞いてみた。「男の子ですか、女の子ですか。」「雌です。二羽で交代で毎日卵を産みますよ。」
「うわ~そうですか、鶏の卵と同じなのですか」「いや、ちょっと大きいけど味は淡泊ですな。」
「でも、卵を産んでくれると楽しみですね」合鴨さんがおじさんに駆け寄ってきた。
「良くなついていますね。」「いや、餌が欲しいときだけですよ」と言っていたけれど、餌に食い付くこともなくおじさんの側でまごまごしていた。これはやっぱり「父ちゃん」って喜んで居るんだと思う・・。
「ここに来るのが楽しみです。ありがとうございます。」お礼を言って、下り坂を浮き浮きと早足で帰った。とても嬉しかったのだ。合鴨のことをずっと聞きたいと思って、誰か教えてくれる人に出会わないかと思っていたから・・。直接飼い主に出会えるなんてなんとタイミングの良いことだろう・・と私はちょっと興奮していた。


 エバはエデンの園で、善悪の知識の木の実を食べると死ぬということはアダムから聞いただけなのだ。だから彼女の知識は曖昧だった。
園には神様が居られたのだから、エバはなぜ直接「善悪の知識の木」のことや「死ぬ」ということについて質問しなかったのだろうと思っていた。大切なことを人づてに聞いただけでは不安であろうに・・。

大切なことという自覚がなかったのだろうか、そのことに興味もなかったのだろうか・・。神様の唯一の戒めなのに・・。
そう考えていてふっと気付いた。今私たちには神様が内にいてくださる、エデンの園よりも近く居てくださって居る。

「誰でも、イエスを神の御子と告白するなら、神はその人のうちにおられて、その人も神の内にいます。」(Ⅰヨハネ4:15)

なのに、私たちはなんと質問することの少ない者だろう・・、なぜもっと知りたい知りたいと願わないのだろう・・。

みことばに対して曖昧であるなら、蛇は「本当に神は、良い行いをいらないと言われたのですか」そんなふうに誘導するだろう。
そうして私たちは「良い行いは勧められているのです」と答えて、救いの根拠を曖昧にされてしまうのだ。

主に関心を持って絶えず聴き、みことばを内に蓄えて、思い出させてくださる聖霊の管理の内に、その時みことばで答えることができなければ危険なのだ。
それは単純に主を知りたいという愛から始まることなのだけれど・・。

神は私たちを救い、また、聖なる招きをもって召してくださいましたが、それは私たちの働きによるのではなく、ご自身の計画と恵みとによるのです。(Ⅱテモテ1:9

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