●〔29〕佐々木俊尚『グーグル Google-既存のビジネスを破壊する-』文春新書 2006 (2006.05.02読了)
『ウェブ進化論』を読んで、グーグルに興味を持ち、この本を読みました。『ウェブ進化論』と重なる部分もありましたが、大変面白く読むことができました。
B&Bパーキングや三和メッキ工業株式会社の事例を使ってうまく興味を持たせるところなどは、著者の新聞記者としての経験が生きていると思いました。
しかし、これだけグーグルが巨大になってくると、別な危険性があらわれてきます。それは「第6章 ネット社会に出現した「巨大な権力」」で扱われている、「グーグル八分」の問題です。「グーグルから排除されれば、インターネット社会の中で存在したいことと同一になってしまうからだ。」(pp.216~217)とあるよう、もしグーグルが特定の情報を意図的に検索結果から排除してしまえば、その情報はインターネット上から抹殺されてしまうことにつながってしまいます。その情報操作が、特定の権力と結びついたらどんな結果になるのか……。本書でも「悪徳商法マニアックス」や「中国政府の検閲容認」の事例が取り上げられています。
この問題にはこれからも注目していく必要がありそうです。
※佐々木俊尚「グーグル「革命」は正夢か悪夢か」(『本の話』2006年5月号)
この本についてはネット上でかなり取り上げられています。下記は一例です。
※『ウェブ進化論』の梅田望夫さんのブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」より「「グーグルをどう語るか」を巡って」