English Language Centre in Sapporo

ELC英会話教室から、英会話上達のヒントや学習に役立つ情報をお届けします。

最近のレッスンから 1/29

2012-01-29 | これは英語でどう言うの?
最近のレッスンで出てきた、「これって英語でどう言うの?」という表現を集めてみました。

・「娘の彼氏が、(結婚の)あいさつに来る」
My daughter's boyfriend is going to make a formal visit to us.

・「雪を足で踏み固める」
話題は、雪山をスキーやかんじきなどで歩くということ。そういうものを使わないと、新雪は歩きにくい。 We need to press the snow down before we can walk on it.
(歩きだす前に、雪を足で踏み固めなければならない。)

・「コンタクトをつけようとしたら、1枚が容器の底に貼りついていたため、突いて割ってしまった。それで、コンタクトレンズ屋に行って、新しいのと交換してもらった。」
When I was going to wear my contact lenses, one of them stuck at the bottom of the case. I pressed too hard and cracked it. So, I went to the optician to get a replacement.

・「おふろにゆっくり浸かるのが好き」
I like to sit back and relax in the bath.「浸かる」をsoak in the bathと言ってもいいですが、この場合は、この単語を使わなくても伝わります。

・「髪切ったんだね」
Did you get a haircut? または Did you get your hair cut?

・「その髪型、似合ってるね」
The hairstyle looks good on you. または You look good with the hairstyle.

・「キッチンの動線」
この場合の「動線」というのは、一語で表すのは難しいようです。
The kitchen is functionally designed for an effective and easy access to your appliances.
(このキッチンは、動線を考えて機能的に設計してある)"appliances"は台所の器具全般を指しています。

・「スコッチの強い香りでむせた」
The strong smell of the Scotch whisky made me choke and cough.

・「新築祝い」
身内には、大きな物(家具や大型家電)、友達には庭木や観葉植物、トースターなど小さな電化製品などをあげるようです。
When someone builds a new house, we give him a house warming gift.
(誰かが家を新築したとき、新築祝いをあげます)

・「家をリフォームした」
We renovated/refurbished our house. "reform"という単語はありますが、建物の「改装」という意味では使いません。"reform adolescent criminals" (青少年犯罪者を更生させる)というように、「改心する、更生する」という意味になります。


文法は大事?

2012-01-26 | 英会話上達のヒント
日本人の英語の能力が他のアジア諸国に比べて低い、それは日本の英語教育が悪いからだ、というような話題がたびたび出ます。カフェでも時々、学校の文法偏重型教育がいかにこれまで役に立たなかったか、というようなことが話題になります。
私が中学生のときも、Lesson 1 は、This is a pen. でした。
This is a pen. This is an eraser. This isn't a notebook.
というような具合です。さすがに最近の教科書は、ここまで極端ではないようですが。

確かに、こういう文を口にする機会は、実際には、ほとんどないでしょう。誰かに「これはぺんだから!」と主張しなければならない状況は、考えにくいです。私も、文法中心、読み書き中心の授業スタイルのせいで、将来自分が実際に英語を使うようになるとは想像できず、英語は教科の一つに過ぎませんでした。

あ、英語って、使うもんだったんだ…
と初めて実感したのは、大学生になって初めて英会話教室に通い始めた時です。
初めての授業の日、廊下で自分のクラスを緊張しながら待っていた時、ネイティブの先生に、What are you listening? と質問されたんです。その時私は暇つぶしに洋楽CDを聞いていたんですが、とっさに何て答えたらいいかわからず、耳につけていたイヤホンを取って差し出しました。すると先生は、A~h, Gloria Estefan! I like it, too. とかなんとか、他にも色々言ってくれました。
先生はゆっくりはっきり話してくれたので、だいたい何と言っているのか見当はつきましたが、どう反応したらいいのかわからず、沈黙してしまいました。

学校英語のプラスの点は、文法を時間をかけてじっくりやっていくので、ゆっくり話したり書いたりしてもらえば理解はできる、ということです。マイナスの点は、コミュニケーションを主体に指導しないので、コミュニケーション能力が育たないことです。つまり、私のように、「相手の言うことは理解できるが、どう反応したらいいかわからないで沈黙してしまう」という結果になるということです。
学校の英語の授業で文法を学ぶこと自体は、決して無駄ではないと思います。現在完了形や、比較級、最上級、関係代名詞も、仮定法も、すべてネイティブの実際の会話や書物に出てきます。ただ、文法を文法としてただ黙々と知識を蓄えていくだけでは、実際に自分が会話で使おうと思ってもなかなか使えないのです。会話には、会話を目的とした訓練が必要です。

ともかく、文法知識はあればあっただけ、理解するのに役に立ちますが、少なくとも中学レベルの文法と語彙は、自分が使いこなせるものにしておく必要があります。基礎文法や基礎単語が抜け落ちていると、英語を読むにしても聞くにしても、意味の理解が困難になります。英会話をこれからやろうとする人、始めたばかりの人、文法が不安な人は、中学レベルの文法書に目を通しておくといいと思います。

ただ、文法がすべて正しくないとコミュニケーションできないか、というとそうではありません。文法的な正確さ自体は、コミュニケーションにおいてそれほど重要ではないようです。ネイティブである夫に言わせれば、三単元のS(主語がHeやSheになるときに、動詞の現在形にSをつけること)や、動詞の時制、などは、間違っていても理解に支障はないそうです。むしろ日本人の発音の間違い(代表的なものとして[r]と[l]など)の方が気になったり、時として笑いを誘ったりするらしいですが、それも文脈から理解できるようです。では、何が一番コミュニケーションに支障をきたすかというと、単語そのものを間違えてしまったときです。とくに動詞を間違えると、文全体の意味が変わってしまうので、問題が大きいようです。(たとえば「貸す」と言いたかったのに、「借りる」と言ってしまったりとか)なので、自分が英語を話すときに重要になるのは、文法的な正確さよりもどれだけ使える語彙を持っているかということのようです。

そして、英会話で一番大切なのは、沈黙しないことです。日本人は真面目なので、きちんと正しくしゃべろうとします。そうしないと恥ずかしいと思ってしまいます。でも、英会話において、文法を気にしすぎて沈黙してしまうのは、タブーなのです。では、どうやって、会話の流れを止めずに、沈黙しないで続けるか、次回はそのあたりのことに触れたいと思います。


英語で書いてみよう

2012-01-25 | 英会話上達のヒント
英語を英語で楽しむことについて書いていますが、今回は書くことに注目してみたいと思います。

読む、聞く、書く、話すの4技能の中で、話すことに一番近いのが、書くことです。
英語で書いて表現することができたら、「話す」までもっていくのにあと少しです。
逆に、書けないことは、話せません。

話すと書くの違いは、当然ながら、頭の中で考えて文章にし、推敲する時間的な余裕があるかないかです。話すことが難しいのは、これを相手とのやりとりの中で瞬時にやらなければならないからです。

外国語を学ぶということは、言ってみれば、自分の中に、母語以外の文法体系を構築していく作業です。外国語で書くときにあらわれてくるのは、この自分自身の文法体系の、現在の姿なのです。
話すときは、これより少し複雑で、心理的な影響などで、書く時よりミスが増えたりしますが、ベースになる自分の文法自体は同じです。

読んだり聞いたりということに比べて、書くことはさらにエネルギーが要ります。
書くったって、何を書くんだ?と思うかもしれません。

私が一番おススメしたいのは、インターネット上で行うチャットです。
チャットには、当然相手がいるので、話すのに比べてスピードは遅いですが、ほとんど会話のように書くことができます。自分や相手が書いたものが目で確認できるので、ちょっとした推敲もできるし、相手の表現から学び、すぐに使えることができます。そして面と向かって話すときより、プレッシャーを感じにくく、自宅にいながら、生のコミュニケーションを楽しむことができます。

問題は、どうやって相手を見つけるかですが、MSNメッセンジャーやYahoo、スカイプ、Facebookなどで、チャット相手を見つけることができます。この他に、My Language Exchange.com (http://www.mylanguageexchange.com/) という言語学習者同士が交流しあうサイトがあります。ここで、例えば日本語を勉強している英語ネイティブと知り合ったりして、メールやチャットを通して、お互いの言語学習を助けあうことができます。

チャットねえ…でも、そんなにインターネットばっかりやってられないし…
という人には、日記をつけることをお勧めします。
ですが、またまた「毎日書く!」と決めると続かなくなるので、週に1回か2回書けたらいいと気楽に構える方がいいですね。

日記といっても、文字通り「今日はいい天気だった。仕事に行った。夕ご飯を食べて寝た」という日常を綴っていると、1週間も持たずにネタがつきて飽きてしまいます。なので、何か特別なことがあった日以外は、自分が見たり聞いたりして印象に残っていることなどについて書くといいです。テレビで話題になっていることや気になるニュース、友達との話題、ラジオで聞いたちょっといい話などなど。自分が見聞きした事柄だけではなく、それに対してどういう感想や感情を抱いたかについても書くようにするとよりいいです。英語で会話するとき、いつもいつも質問に対して答えてばかりいるわけではありません。自分から話題を提供したり、それに対して自分がどう思ったかについて述べることは、よくあります。

ここでも大事なのは、できるだけ日本語を排除すること。間違っても、日本語で書いてからそれを訳したりしてはいけません。それをすると、難易度が格段に上がってしまい、自分の英語では手に負えなくなります。日本語のニュアンスにこだわるあまり、辞書と格闘することになり、しまいには嫌になってしまいます。なので、「なんだ、これ」というぐらい短くて易しい英語で構わないので、できるかぎり自分が使える英語で表現するようにすること。とは言っても、最初から英語で考えながら書くのは難しいですから、日本語でつぶやきながらでもいいです。そして、和英辞書の使用は最小限、本当に必要で知りたい単語だけにとどめます。中学レベルの基礎単語だけでも、駆使できればかなりのことが表現できるはずです。

書くことになれるまでは、うまく表現できなくてもどかしい、と感じるかもしれません。表現の仕方に困ったら、和英辞典を引くより、グーグル検索などで、英語にしたいフレーズにEnglishとタイプして検索すると、単語だけでなくフレーズや文章で見つけられたりします。このように、インターネットを活用するのも手です。

そして、書いたものは、絶対に書きっぱなしにしないで、誰かにチェックしてもらうこと。こればかりは、一人ではできません。ネイティブが理想的ですが、ネイティブ以外で英語ができる人でもいいですから、必ず添削を受けた方がいいです。というのは、間違いに気付かないと、自分の現在の文法が向上しないからです。間違いを指摘してもらったり、全く予想もしなかった表現を教えてもらったりすることによって、英語の自然な文法に一歩づつ近づいていけるのです。そして、添削してもらったら、自分が最初に書いたものとどう違うのか、見比べてみてください。単純なつづりミスもあるでしょうし、まったく勘違いしていたこと、文法的には正しくても、普通はこう言わない、といったものまで、色々な種類の間違いに出会うでしょう。その出会いに対して、「指摘された」「間違って恥ずかしい」というマイナスの感情を抱くのではなく、「こんなに新しいことに出会えた」とポジティブに受け取ることも大事です。

書くことを始めると、身近で単純なことも、なかなかうまく表現できないということに気づきます。そして普段の生活の中でふと、「これって、英語でどう言うんだろう?」という素朴な疑問がわいてきます。また、自分の間違いを眺めているうちに、文法的なことや言葉の使い方に関して、新たな疑問がわいてくることもあります。こういった疑問も、学びの機会になります。ぜひ、放置しないで、聞ける人に素朴な疑問をぶつけてみましょう。

外国語を間違って、恥ずべきことは何一つありません。だって、ネイティブじゃないんですから。
わからなくて、間違って当然です。
大事なのは、間違いに気づいて修正し、次にチャンスが来たら正しい表現が使えること。そうやって一つずつ、獲得していくのです。

リスニング~楽しみながら聞く

2012-01-22 | 英会話上達のヒント
よく「どうやったら、リスニングが上達しますか」と聞かれます。
某プロゴルファーがCMに出たことで話題になった、某リスニング教材・○○ラーニングについても。
「あれって、ほんとに聞き流すだけで話せるようになるもんなんですか?」と質問されます。

試しに、生徒さんからCDをお借りして、聞いてみました。
たしかに、よくある、または、ありそうなシチュエーションの会話ですし、よく使う表現がちりばめられています。それに聞きやすいきれいなネイティブ発音なので、聞いて損することはないと思います。ただ、あのプロゴルファーなり、カーレーサーなり、ダンス留学している人なりが、ペラペラ話せるのは、あの教材をただ「聞き流していたから」だとは思えません。

そもそも、リスニングとスピーキングは、まったく違うスキルです。会話において、リスニングができなければ話が続かないので、その意味では、リスニングは会話に必要なスキルだといえます。でも、会話すること自体は、自分の使える語彙を状況に合わせて繰り出していくことになるので、実際にその会話の機会を持たなければ、本当の会話力は養えません。リスニング教材を使って獲得した語彙を話すときに使うことで、話せるようになるのであって、聞いているだけでは次から次へと忘れていくだけです。「聞くだけで話せるようになる」というのを鵜呑みにするべきではないと思います。

では、なぜ彼らがあんなに話せるかというと、必要に迫られた状況にいるので、もともとモチベーションが高いですし、学んだ表現を使う機会が日常的に多くあります。だから、あの教材を最大限に有効活用できたのだと思います。
しかし、ごく普通に日本で日本語生活を送っていて、普段話す機会が少ない人が、あれだけをやって夢のようにペラペラになるかというと、まずそんなことはないと思います。

リスニング力も、会話同様、どれだけの量を聞いたか、ということと比例します。聞き取れないから、語彙を増やそうと単語集や表現集のようなものを読もうとする人がいますが、リスニングはやはりリスニングしないと伸びません。そして、本当の意味で外国語を使っているかが絡んできます。
リスニングの教材は、いろいろなものが入手できますが、その中で、どれだけ「聞いていて楽しい」と思えるものがあるでしょうか。
もっと言うと、「この先が聞きたい」と思えるようなものは、あるでしょうか。ビジネスシーンや旅行会話などのスキットを繰り返し聞いたりしていないでしょうか。
そういうものがすぐさま必要になる人は、こういった「よくあるシーン」を聞いて、ある程度会話の型を覚えることが有用だと思います。これが絶対必要だという意識があれば、覚えられるものですし、聞けるようになっていくのです。

ただ、大多数の方は、そうではないと思います。そういったスキットの内容は、基本的には今現在の自分の日常とは関係ないし、聞かなくても、聞けなくても困りません。
そういうゆるいモチベーションのままで、でもひたすら修業のように、パターンものを聞きこんでも、リスニングの回路はなかなかできません。

多くの人にとっては、「聞きたいから聞く」「楽しいから聞く」というものを探すのが一番長続きし、かつ効果のあるやり方だと思います。
なので、第3者の自分に関係ない内容の英会話を聞くのではなく、ストーリーがあるものを楽しみながら、継続的に聞くことが、リスニング力とひいては会話力を上げていくことにつながると思います。

一頃新聞広告などで有名になった、『○○のドリッピー』というものをご存知の方もいらっしゃるかと思います。
ストーリーの好みはともかく、同じお金をかけるなら、まさに、ああいう教材が理想的だと私は思います。
前回「洋書を読もう」でご紹介したリーダーズにも、朗読CDがついていますので、これを利用すると、そんなにお金をかけずに一石二鳥の効果が得られます。

ストーリー・リスニングの際にも、自分にあったレベルの素材選びがカギになってきます。通常、リーディングに比べてリスニングの方が苦手の場合が多いので、リスニング用には易しめの素材から始めると、挫折しにくいのでいいと思います。そして、内容を知っていると、聞きとってわかる楽しみが半減してしまいますので、できれば、知らない内容のものを選ぶといいですね。

素材を選んだら、まず、疲れない程度の量を、文字を見ないで聞くことです。
最初から文字を見てしまうと、耳がおろそかになります。
耳だけで、どれだけ内容がくみ取れるか、まずはテキストを見ないで、読むときと同様に頭にイメージを浮かべながら聞く。そして一字一句、全部聞きとろうとはせずに、意味の中心になる語や表現(おもに名詞と動詞)をピックアップするつもりで聞くといいです。
聞きながら、ハラハラドキドキしたり、「次が聞きたい」とわくわくしてきたら、しめたものです。
このとき、本当に聞こうとして聞いている自分がいます。内容がわかりたいから聞く、こういう姿勢で聞くのが、リスニング力アップにつながる聞き方です。

そして、ある程度内容の予測をつけてから、今度はテキストを見ながら聞いてみる。目で追いながら、どこが聞き取れなかったのか、確認していきます。
英語の音の変化や、リズム、イントネーションのせいで、目で見たらわかるのに、耳では聞けないものがわかってくると思います。
できれば、ネイティブ朗読のあとに、リピートしたり重ねてしゃべったり(シャドーイング)したりするとよりいいですが、そのわからなかった部分だけでも、自分の口を動かして言ってみると、リスニングだけではなく会話力アップにもつながります。

そして、真面目な人ほど、ディクテーション(書きとり)したくなるかもしれませんが、これはあまりお勧めしません。一字一句拾わないと気が済まなくなり、意味を理解することより、その作業自体が目的になってしまいます。それに、一つでもわからない単語が出てくるとそこで止まってしまいます。読むときと同様、「飛ばし聞き」する技術を養った方が、会話でも楽に聞けるようになります。

なんだか、大変そうだな…と思われた方には、洋楽を聞くことをお勧めします。
歌は、そのまま聞いて意味を汲み取るのは比較的難しいので、歌詞カードを見ながら、意味を考えながら聞きます。
そして、できれば、曲に合わせて歌う。
英語の歌をリズム通り正しく再生するのは、結構大変なものです。でも、どことどこがくっつくか気をつけながら正確に歌うことで、英語特有のリズム、音の連なりに慣れることができます。
そして、歌の歌詞は、会話体のものが多く、会話にすぐ使えるフレーズの宝庫です。
楽しく洋楽カラオケを楽しみながら、同時にリスニングと発音練習をすることができますので、これもおすすめです。

洋書を楽しもう

2012-01-22 | 英会話上達のヒント
先日、英会話を上達させるには、「生」の英語にできるかぎり多く触れることがいいと書きました。
もっと言うと、英語を日常的に余暇時間に上手く組み込んでいくことが理想的です。

これは、例えば、やみくもに「一日単語を30個覚える!!」とかいうことではありません。
やはり、自分が楽しいと思えなければ続かないし、続けなければ、すぐに記憶の彼方へ消えて行ってしまいます。

では、いかにして英語と接する時間を楽しいものにするか、もっと言うと、いかにして英語を趣味にするか。

洋書を読む、というのが私の勧めたい方法の一つです。

読むことと話すことは、一見関係がないことのように思えるかもしれませんが、英語を英語のまま理解するという読み方をすることによって、「生」の英語体験ができるのです。

「え~!洋書?そんないきなりは無理」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、自分のレベルにあった素材を選んで、英語の世界に浸ることが苦じゃなくなれば、(そうなるまでに少し時間がかかるかもしれませんが)、しめたものです。
冒頭の2,3ページを読んでみて、わからない単語がそんなに多くなく、飛ばして読んでも意味が取れ、内容に入っていけたら、それはレベルに合っている本です。
もし、1行の中にいくつもわからない単語があって、推測も働かないようであれば、それはまだ読みこなすには難しい本だといえます。

色々な出版社(Pearson Longman社のPenguin ReadersやCambridge University PressのCambridge English Readersなどなど)が、英語学習者向けに原作を編集した「リーダーズ」というシリーズを出しています。価格も1冊あたり1000円前後で、朗読が入ったCDが付いているものもあります。
だいたいどこのも、入門から中級の上ぐらいまでのレベルに分類していますので、自分がどのくらいのレベルから始めたらよいか、いくつか試してみるとわかると思います。
それぞれのレベルごとに、語彙数を限定しており、重箱の隅をつつくような単語は出てこないので、楽に読み進められます。おまけに、だいたい簡単な単語解説のようなものがついていたりするので、いちいち辞書を引かずに、スピードを保ったまま読んでいくことができます。

ので、このリーダーズは、洋書への足掛かりとして、おススメです。

そして、リーダーズから始めるにしても、本格的な洋書を手に取るにしても、英会話の上達につなげるためのポイントがいくつかあります。
まず一つは、辞書をできるかぎり引かないで、ストーリー展開に集中して読むことです。
逆にいえば、辞書をこまめに引かないと読めないような本には、まだ挑戦しない方がいいとも言えます。
どうしても気になる単語、何度も出てくる単語、などは辞書で意味だけチェックし、本に日本語訳を書きこんだりせず、目だけで確認します。
単語のインデックスなどがあれば、それも利用します。

次に、一字一句日本語に訳したりしないことです。
学校英語の授業のように、日本語に完璧に訳して、きれいにノートを作ったりする人がいますが、それをしていたら、その癖から抜け出すことができません。それに、1冊読み終わるまでに、膨大な時間がかかり、読書を続けられなくなります。日本語と英語は、言語的にはお互いとても離れた文法体系を持っています。大雑把に言えば正反対の発想で文を構成します。英会話をしている間、日本語にいちいち全部訳している暇はありません。英語を聞いて、英語の語順のままで頭から理解する練習が、どうしても必要です。読むときも同様に、頭から読んで、まとまりごとに意味をつかんでいく、そしてできれば、頭に具体的なイメージを思い浮かべながら読む、という読み方をぜひしてほしいと思います。この、英語の文字からストレートにイメージを頭に描くという作業を繰り返しているうちに、英語を日本語に訳さずに理解できるようになります。

ただ、こういう感覚は、1冊や2冊読んだからといって、すぐには体験できないかもしれませんし、自分のイメージが正しいのかどうかわからなくて、なんだかすっきりしない、という気持ちになるかもしれません。どうしても内容の理解度を日本語で確かめたければ、1ページ内の各段落ごとに、どんな内容だったか、日本語でつぶやいてみるといいと思います。「こんな感じかな」という感覚でもいいですから、ぜひペースを落とさず、本のストーリーを楽しんでください。

何より大切なのは、諦めずに、楽しみながら、とにかくたくさん読破していくことです。最初は、自分の好きなジャンルや、よく知っている童話などを題材に選んでもかまいませんが、慣れてきたら、まだ読んだことがない内容にもぜひ挑戦し、「英語から直接イメージできた!」という達成感をぜひ味わってほしいと思います。

さらに、読書を有効活用する方法として付け足すとすれば、読みながら、「これは、会話に使えるぞ」とか「こんな簡単な単語で言えるんだな~」とか、発見のチャンスを逃さないようにして読むことです。気に入った表現は、丸ごとノートに書き留めておいてもいいと思います。この意識を持って読むか読まないかで、語彙の獲得という点で、大きな違いが出ます。「使える表現を盗むぞ」という意識で読むと、次にチャンスが来た時に、実際に会話で使って試してみることができるので、語彙の定着につながります。

趣味は読書です、というひとは、かなりいると思います。
どうぞ洋書を手にとって、読み始めてみてください。
日本語の小説を読むときのように、ストーリーに入り込み、具体的なイメージを頭の中に描きつつ、英語を英語で楽しみましょう。

そして、英会話教室に通っていたり、近所に外国人が住んでいるなど、英語を話す機会がある人は、ぜひ、読書の中で拾った表現を「ここぞ」というときに使ってみてください。

英会話を上達させるには…?

2012-01-22 | 英会話上達のヒント
カフェの英会話レッスンの生徒さんだけに限らず、一般のお客様からも、よくこの質問を受けます。

英語を勉強しているけれど、ちっとも語彙が増えない、
英会話に何年も通っているけれど、ネイティブ・スピーカーの話が全然聞き取れない、
などなどの悩みもよく聞きます。

私は、オーストラリアで3年ほど過ごし、現地の大学院で修士号を取り、高校で教育実習もし、コミュニケーションに困らないだけの英語は身につけましたが、語彙に関しては、自分で「十分だ」と思ったことは一度もありません。
オーストラリア人でまったく日本語がわからない主人と、毎日英語で生活していますが、夫婦喧嘩になると夫には勝てませんし、夫との会話の中で、必ず一日に二つか三つは、知らない単語に出会います。
私も、英会話の学習者としては、まだまだ発達途上にいると自覚しています。本当に、語学に終わりはないのだな、と痛感する日々です。

聞きとりに関しても、夫の言うことはほぼ100%わかるけれど、他のネイティブが話すときには、その人の話し方に慣れるまで、少し時間がかかります。
よく、映画は字幕なしで全部わかるんですか?なんて聞かれますが、そんなことはありません。
映画のジャンル、時代背景、どの地域の英語か(イギリスでも方言だとよく聞き取れませんし、なまりのきつい英語も聞きとりずらいです)、ストーリー展開によって、だいたいわかるものと、ちんぷんかんぷんなものがあります。

そんな私が、日本にいて英会話を上達させたいと思っている人にアドバイスできるとしたら、

「生」の英語をできるかぎり多く体験する

これに尽きると思います。

この「生」の英語体験というのは、英語で実際の会話をすることももちろんそうですし、
洋書を読んだり、洋楽を聞いたり、映画やドラマを見たり、ということも含まれます。

何語であれ、外国語で会話できるようになるには、どれだけの回数、どれだけの頻度で、本当の意味でのコミュニケーションをこなしていくかにかかっています。
いくら会話集のようなものを読んだり、ラジオ講座を長い年月続けていても、いまいち効果が感じられないのは、そこに相手のあるコミュニケーションが存在せず、一方通行だからです。せっかく覚えた単語も、使わなければすぐに忘れてしまいます。語彙というのは、使わないと維持できないのです。

そうはいっても、身の回りにそうそうネイティブはたくさんいませんし、実際に会話する機会というのは、そう多くはありません。その機会の少なさを補い、さらに語彙を増やしていくために、洋書を読んだり、映画やドラマを見たり、毎日じゃなくても日記を書くことが効果的だと思います。読んだり見たりするときは、できるだけ和訳せずに、内容に没頭できると一番いいですね。そして必ず「へ~、そういうふうに言うんだ」と思いながら、新しい言葉や表現との出会いを楽しめたらよりいいと思います。

日本にも、外国人がたくさんいますが、何年住んでいても、日本語を話せない人というのはいます。うちの主人も3年いますが、話せるのはあいさつ程度です。
なぜか、というのは簡単です。まったく日本語を使わないからです。海外に留学しても、普段日本人どうしで生活していたりしたら、何年住んでもその国の言葉はあまり上達しません。

そう考えると、日本で、日本語で生活し、日本語以外の言語を使う必要性があまりない中で、英会話を上達させるというのは、非常に労力のいる作業です。
たとえ英会話学校に通っても、週に1,2回、1時間程度のクラスで、それしかしてなければ、「楽に話せるようになったな」と感じるまでには、相当の年月がかかるでしょう。

どうせ時間がかかるものならば、楽しく長く続けられる方法を探したいですよね。
語学は、やめてしまったら、それっきりです。
次回は、いかに楽しく「生」の英語体験を続けていくか、について触れたいと思います。

英会話にまつわる悲喜こもごも

2012-01-22 | 英会話上達のヒント
札幌市南区川沿にあるAyers Rock Cafeが経営する英会話教室、Ayers Rock English Learning Centreのブログを始めました。

毎日、レッスンの中で、また一般のお客様からも英語や英会話に関する様々な質問を受けます。
そのたびに、考えさせられたり、説明が足りないな、と思ったりします。

そういう日々の様々な疑問、質問に対して、私なりに答えを出していきたい、またそれをみんなで共有したいと思い、
英会話に関するブログも始めることにしました。

英会話を勉強している人は、日本全国にたくさんいると思います。
情報交換したり、提供したりしている人もたくさんいると思いますが、遅ればせながら、私も参加させていただければと思います。

少しでも、何かの役に立てれば、幸いです。