「Law&Order」が好きだ!!(邪道にて)

海外ドラマ「Law&Order」が好きです。
とにかく叫びたいので、ブログに叫びます。

~ Best of Best 6-2

2013-07-19 13:44:44 | Best
S19#22『The Drowned and the Saved』
              (「溺れる者と生き残る者」)


超難解エピに勝手に指定。もしかしたら本家中最も難解かも、と思えるかも・・・。
検察トリオvsシャルボイ夫妻、なエピですね。
ある男性の殺人事件から、政治腐敗の疑いまで、うまく流れて行ったと。
無理やり感がなかったように思えました。多分シャルボイ夫人リタのお蔭でしょう。
リタが、エピの流れの橋渡し役をしてくれたようですね。
政治腐敗に検事長選が加わり、より政治色に。

しかし、それほど「また政治?」って思わないのは、
ウ~ン・・・殺人事件の解明が、政治腐敗の払拭に繋がっていたからなのかなぁ?
検事長選なので、傍観したい(笑)マッコイも、
カッターに引きずり込まれて(笑)大陪審で頑張ってくれましたね。
マッコイの証言の後、カッターが、感心した様子でマッコイを見るシーン、結構好きです。
「カッター、検事長の偉大さが分かったか?」などと・・・すいません勝手に・・・。

さてとっ!
ラスト、カッターが白紙の紙をチラつかせ、
シャルボイを辞職に追い込むのが、このエピの最大の見所でしょうね。
私もこれには全く異論がありません。
カッターが追い込むから、この物語が一層素晴らしいものになったと思っています。
マッコイでは、ちょっと・・・そこまで、かと(御免ね、検事長)
カッターが、最後に〆る!これが、良かった。そうですよね。


では、何が難解なのか・・・これ、ホロコースト・エピなんですよ。
まぁ殺された男性の趣味のSMプレイのコスチュームが、それか?じゃなくて(苦笑)
タイトルの『The Drowned and the Saved』が、もうソレなんです。
アウシュヴィッツ収容所からの帰還者Primo Leviの著作のタイトルそのまんまなんです。
邦題は「溺れるものと救われるもの」まぁ、エピタイトルと同じですよね。
この作品が発表されたのは1986年。そしてレーヴィが死亡したのは1987年。
この作品が遺作となります。
そして彼の死は、事故死と言われていますが、自殺ではないかと囁かれ続けています。
遺書等はないのですが、当時の彼の心理状態が不安定であったという知人の証言があったり。
それと、私も写真で事故現場とされる建物の階段付近を見たですが・・・
自然に事故として落下するとはちょっと・・・という気もします・・・・。

ドラマでは、腐敗や不正の海に溺れる者と救われる者、という風な意味合いで
マッコイがシャルボイに語っています。
・・・・・私、この本、読んでいません(正直者ッ)
他のレーヴィの本は数冊読んでいます。
で、読んだ本とこの本の内容紹介等から思うことで御勘弁下さい。

帰還者の多くの方々は、
戦後直後は生き残ったことに喜び感謝する感情を示すのですが、
その後なぜ自分は生き残ったのだろうかと自問自答する方が多いのだそうです。
で、自分はこの体験を語って後世に伝えるために生き残ったんだ、と考え実行する方もいます。
そして、また深く考えて・・・自身が生き残ったのは、
もしかしたら自分は収容所で、他者を貶めたりして生き残ったのでは、と考える方もいるそうで・・・
レーヴィもその1人です。

収容所という極限状況でのことだから、どうも言えないことだと思いつつも、そう考えてしまう・・・。
レーヴィは、このことを考え続けた人なんです。
著作物は、この問いを繰り返しています。そして彼は、ある考えに行き着いたようで・・・
溺れる者(死者)と生き残る者に差はない。奇跡のような運があっただけだ。
そして、自分が生き残ったのは、倫理的に、そして人間性という観点から考えて、
自分は溺れた者たちよりも、劣った行いの結果だろうか。
そして・・・人間というのは、強い決意や理由がなくとも、
簡単に虐げる側に立っているのではないか、という考えに至ったようです。
・・・・・・・一応弁解。私が読み取ったってことですよ。人様のご意見は分かりませんよ。

そう思ったら、最後のカッターの行動&それを苦々しく思いつつも容認(?)のマッコイのことも、
妙に「オォ、そうか!」と納得がいった次第で。
カッターの行動は、痛快だし「よくやった!」的に受け止めるのが本筋だと思います。
でも厳密にいうと、誉められたモノではない。
自身の信じる正義や信条から、または作為的に行ったと思われます。
自身の信じる正義のためなら、この程度の狡さも許されるのでは・・・?
そしてマッコイも、カッターに選挙で勝ちたいでしょ風に言われて、何も言えない。
まぁ、言ったって遅いのですがね(苦笑)
しかも、それが自身の利になることが分かっているし。
いとも簡単に、ちょっとした境界を越えてしまう。何の抵抗もなく。

溺れる者と生き残る者、対極ですよね。
そして虐げる者と虐げられる者、ホロコーストでは究極の対極です。
人間は、その境を簡単に超えてしまう。どんな人間でも。悪意がなく。
私が、考え付いたこのエピの解釈です。


・・・・・・あぁ、長い、長い。

このエピは、スパドラTVさんには、大変申し訳ないが、
二か国語版&字幕に、本家史上最も「どうして~!!」と思う言葉がある、無念なエピでもあります。
ルーポがヴァン・ビューレンの指示に対して、「Jawohl」とドイツ語で答えるシーンがあります。
Jawohl=ヤヴォール、了解って意味です。
これ、字幕では「仰せの通りに」二か国語版でも音声は「仰せの通りに」
間違ってはいません。むしろ、「仰せの通りに」って仰々しく訳して下さって、
ある意味感謝しております。
しかし・・・ドイツ語だって分かるようになっていない・・・。
コレ、ドイツ語で「Jawohl」っていうから、意味があるのに、と私は思うのだが。
収容所で「Jawohl」とは、どういう意味合いがあるのかが、ポイントだと思うのだが・・・
・・・・・・無念ですねぇ。
ルーポが何故ドイツ語で反応したかを、分かっていただきたかった・・・で御座います。

それと、本国では、
このタイトルで「あぁ、あの本のタイトルと同じね」等々、一般的知識なんだろうか??
これは、未だ解けない謎です。
深読みなのは、重々承知ですが、なぜタイトルがそのまま・・・と思うと、
思考スイッチが、自動的にONに・・・。

長々書きましたが、このエピは当然超お気に入りです。
だから、このCategoryに入っているのだから・・・
なんやかんや言っても、検事長、素晴らしく格好良かったでしょ??

だから、当然ってことで。
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2 コメント

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ラストの (aaa)
2015-04-27 11:36:31
このエピソードのラスト、私もすごく好きでした。
カッターで〆るのもいいですし、最後の三人で祝杯とこれからもよろしく!っていう盃がとてもいい絵面で好きです。
馬鹿な知事と賢いその妻、そしてその妻が最後に本性を現して発狂するところも面白かったですw
そしておバカな知事はなぜか憎めませんww
返信する
仰る通り! (リィン)
2015-04-27 14:07:40
aaaさん>これは、「よくぞ、カッターで〆てくれましたッ」ですよね~!
まさしく(って大げさな・笑)
制作側の英断(?)で、御座いますよ。
正直、マッコイでは、この清涼感は、出ないかと・・・
(私の欲望は、大いに満たされますがね・笑)

検察トリオの祝杯は
「酸いも甘いも~」的に見えて、私も好きですよ。

リタが、正体露呈・・・
ここで、検事長が、リタの味方をするんじゃないかと
初見時は、結構ハラハラしました。
ほら、検事長、女好き設定だから・・・(笑)

知事は、これから子育てに頑張って欲しい・・・
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