台風18号鬼怒川決壊の現場を訪れて
台風18号の記録的な集中豪雨により平成27年9月10日茨城県常総市三坂町の鬼怒川の堤防が決壊し、住宅街と農地に大量の濁流が流れ込み甚大な被害が発生しました。
災害発生から一ヶ月が経過した10月11日、堤防決壊現場を訪れる機会がありました。
前日開通したばかりの関東鉄道常総線の南石下駅から西に歩くこと1キロ、決壊した堤防付近では大量の泥水が建物、道路、田畑を根こそぎ押し流し、数百メートルに渡り土砂をえぐった深さ数メートルの溝が荒々しく残っていました。
決壊現場から少し離れた場所でも水流が強かった場所では、建物、門塀をなぎ倒し、刈りいれ直前の水田にも容赦なく泥水が流れ込んでいました。
今回被災現場を訪れて強く感じたことは大自然の猛威の中では、堤防などの多少の防災対策を施しても、所詮ハード面での対策には限界があると言うことです。
反面、万が一不幸な災害がおこってしまった時の生活や経済活動の復興には損害保険が役立つことを自覚しました。
今回の様な水災を補償する保険で真っ先に思いつくは火災保険ですが、火災保険に入っていれば安心かといえば直ちにそうとは言えません。
火災保険でカバー出来る損害は保険の種類によって様々で、補償の範囲の狭い保険では支払の対象は
①火災 ②破裂・爆発 ③風災・ひょう災・雪災に限定されることがあり、水害の場合に補償になるかどうかはその保険種類や特約の選択によります。
実際の普及率としては水災が補償の対象となる契約数は多いのですが、中には水災時の補償が全く受けられない保険種類や、支払の対象となっても損害額に満たない定額の保険金(見舞金)しか受けられない保険種類もあります。
水災リスクが考えられる環境に建物をお持ちの方やお住まいの方は現在加入されている損害保険が水災の発生時に十分な補償を得られるのかの確認されることをお勧めします。
【CFP 金子】