Athletic Club de Fukuoka

アスレチック福岡

レスポンシビリティ

2008-05-26 | 考察08

【第16節】○2-0ベガルタ仙台(H)

クロスやシュートがあっちの方向に飛んでいこうとも、前を向いて突っ走りつづけたユースケの姿が目に焼きついている。相手DFに当たりながらもねじ込んだ先制シュートにも、まさに魂がこもっていた。ダイレクトで振り抜いた左足は、吹っ切れた選手たちを象徴していた。

フロントと、七社会の愚行までもが
白日の下にさらさられた。恥ずかしい限りだが、これまで「3番勝負」などとして本質から目をそらしてきた報道も「選手とサポーターがかわいそう」へと論調を正し、あいまいにされてきた責任の所在を世間的にも明らかにした。

フロントや監督を頼れない以上、もう自分たちでやるしかない。前時代的なマンツーマンだが、腹をくくった選手に、個人の責任を明確にしたシステムがマッチし、力を発揮しやすい状況をつくった。その中に、ユースケや鈴木ジュンという若者が含まれていた意味は大きい。

フロントや監督を頼れない以上、サポートする側も自分たちでやるしかなくなった。その点、選手とサポーターが再結束する場として、次がベストアメニティスタジアムというのは、なにかの巡り合わせなのだろう。ほんのわずかだが、運と希望は残っている。

監督も続投する以上、中身を変えてもらうしかない。最低限、選手やサポーターと「共に闘う姿勢」を望みたい。それにしても、返す返すも「3番勝負」がもったいなかった。半端な状況をいち早く断ち切っていれば…。責任から逃げ回った人たちを、許すわけにいかない。■


リクエスト

2008-05-23 | 考察08
【第15節】●1-2セレッソ大阪(A)

相手に柿谷がいても、こちらには鈴木ジュンがいる。ほかの選手にも、J2上位にいるC大阪と遜色ないポテンシャルを見た。どうしても個の力に頼らざるをえない付け焼き刃のシステムでも、互角以上に闘えた。負けたのは、香川がいたかどうかの差だった。

残り28試合、すべて勝つくらいでないと、J1昇格はありえない。3試合を捨てた結果、1シーズンを棒に振ってしまった経営判断は、サポーターに対してもスポンサーに対しても、重大な背信行為である。社長は責任を取らなければならない。さようなら。

現実を直視すれば、これからは来季に向けてのチームづくりになるのだろう。マイク、大山、ユースケの3トップを鈴木ジュンが操り、城後と本田が中盤を支配。柳楽がDFラインを引き締め、六反もそろそろデビュー。指揮官は教育者タイプをリクエストしたい。

もちろん奇跡を願っているが…。奇跡を願うしかないのも、悲しい。■

ハートブレイク

2008-05-19 | 考察08
【第14節】●1-2横浜FC(A)

これだけ多くの人を傷つけておきながら、治療もせずに放置している残酷さ。監督の査定のためだけに公式戦を3試合もつぶすなど、フットボールそのものを冒涜した行為にほかならない。辞任・解任の決断に一刻の猶予もない。

スポーツ文化の本質をきちんと理解できている人ほど傷つき、無理解な人ほど平然としている。しかも、そのほとんどが経営側にかかわっているという悲劇。「3番勝負」などと茶化すことしかしない地元紙も含め、ビビーズの爪の垢でも煎じて飲むべきだ。

山形もユースケも、選手たちは傷つきながらも最低限の頑張りは見せてくれた。もう4バックに戻していいのではないか。頑張りがプレーに反映できるし、私見だが、4バックは「福岡のアイデンティティ」だから。クラブは誰のものか。傷つける権利は誰にもない。■

ハードワーク

2008-05-12 | 考察08

【第13節】●0-3サンフレッチェ広島(H)

「選手がやりやすい」からといって、4バックを捨てた指揮官。首を差し出しているのに生殺しにされては、責任感も沸いてこないのだろう。それでも針のむしろに留まるのは、解任せず、辞任するのを待っているフロントへの意地なのか。別にどっちがどうでもいいのだが…。

そんなことより気掛かりなのが、選手の心の内だ。なぜ、
3バックの方が「やりやすい」と言い出したのか、理解できない。崩壊寸前とはいえ、4バックには長い時間を費やしており、それなりの基盤がある。整理しなおして臨んだ方が、よほど「やりやすい」と思うのだが。

確かに4バックのまま修正しようとすれば、プレスをかけるにしろ、スペースを埋めるにしろ、今まで以上に走ることが求められる。だからといって「ハードワークするより、システムをいじった方が手っ取り早い」でいいのか。そうでないことを祈るばかりだが、試合を観る限り…。

ただ、不毛な追試に付き合わされているわけで、この期に及んで多くは望まない。ふらふらになっても最後までボールを追ったジャンボのような姿さえ見せてくれれば、私は納得する。■


コンビネーション

2008-05-07 | 考察08
【第12節】●2-4ロアッソ熊本(H)

監督とのコンビネーションがとれていなかろうと、責任があいまいなフロントの態勢に不信感がたまっていようと、プロがホームで見せる試合ではない。GMは立場上、ああ言うしかないというのもあって選手をかばったが、選手も一緒に地に落ちた。

これでは監督が覚悟を決めても何も変わらない。環境が変わらないと頑張れないようでは、そもそもピッチ上で目まぐるしく起こる変化に対応できない。ひとまず指揮官が替わらないと「終わらない」とは思うが、選手がこれでは「始まらない」。

ただ、元凶をたどれば、姿をくらます社長と、社長に即断権を与えていない「都合」にある。しかも「親会社の都合」よりたちが悪い。責任逃れの多頭態勢、しかもスポーツ文化の意味を理解していないのに「地場」を名乗る人たちの集まり。孫さんは見抜いていたが…。

その点もひっくるめてリスタートしたいが、簡単ではない。せめて現場だけでもコンビネーションの再確立をしたい。この日、左サイドの最前線まで走り込み、2点目をもぎ取るきっかけをつくった北斗をはじめ、これから「始まる」期待は、まだある。

リティの覚悟をしっかりと受け止めることができれば、間に合う…はず。■

デッドブロック

2008-05-04 | 考察08

【第11節】●0-4湘南ベルマーレ(A)

首をかしげる起用があっても、本職が萎えるようなコンバートがあっても、選手はプロである。モチベーションを下げるようなマネジメントに遭遇しようとも、自ら奮い立たせて試合に臨まなければならない。相手以外との戦いに気を削がれるのは、もったいない。

とはいえ選手は人間である。キャンプで結果を出しながらコンバートを命じられ、それでも切り替えて決意を固めたのに、元に戻した挙げ句に前半で交替。いくら前向きなベテランとはいえ、納得いくまい。別に狙いがあったかもしれないが…。思いつかないけど。

いろいろあっても、やっぱり選手はプロ。我慢が3試合しか続かなかったのは、
いただけない。これでは攻撃の整備まで辿り着けない。06年、絶望の渕にいながら、あれだけ粘り強く建て直していったじゃないか。やろうとしたら、前半で外されちゃったのかもしれないが…。

鈴木ジュンからハーフナー・マイクに通ったスルーパスは、地獄の底に差した希望の光だった…と、のちのち振り返る時期が来るであろう美しいシーンだった。ああやって自ら打開していくしか道はないのだ。その先に必ず光が見えてくる。たぶん…。■


リーダーシップ

2008-05-01 | 考察08

【第10節】△1-1ザスパ草津(H)

ある意味、楽しめた試合だった。ユースケが左に猛然と回り込んだプレーを皮切りに、城後の
ミドルシュートは豪快だったし、DFの間を割り込む北斗のドリブルは切味があった。CKに合わせた長野のヘッドも迫力十分。柳楽は前半に足を痛めて尻すぼみだったが、それでも楽しませてくれた。鈴木ジュンは登場しただけでワクワク。

一つひとつのプレーを切り取ると、楽しめるポイントの多い試合だった。なのに、試合全体の印象は正反対。裏返せば、チームが「線」で結ばれていないということだ。この試合でも、失点の原因として、得点後の意思統一不足が指摘された。最高の技術が集約された久永のゴールさえも、「点」を象徴するシーンに見えてしまう。

2002年を思い出した。スタジアムに足を運ぶ唯一の楽しみは「いいとこ探し」だった。例えば、大塚がサイドを駆け上がり、DFを奔走してクロスを上げるプレーを見られただけで満足していた時期があった。シーズン後半になると、もはや勝敗は二の次。それに比べて今季は、楽しめるプレーのスケールが大きい分だけ、まだ「まし」か…。

どうすれば意思統一できるか。昨季からずっと続く課題である。監督うんぬんは置いといて、ピッチ上の打開策として、北斗の腕にキャプテンマークを巻かせてみたい。さらにタレイも久藤もいない湘南戦はボランチ起用で。北斗のリーダーシップを見たいのもあるし、若いゲームキャプテンを支えようと周囲が主体的に動くことを期待したい。

ベテランの誰かが号令をかけないと動かないようでは、そもそも意思統一などできない。自主・自立・自覚。閉塞感を打開するカギは、選手自身が握っている。■