読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

石油と国益が紡ぎだす皆殺しの連鎖、「キングダム/見えざる敵」(アメリカ/2007年)

2008-10-11 10:20:56 | 映画;洋画
原題:The Kingdom
監督:ピーター・バーグ
製作:マイケル・マン
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:マウロ・フィオーレ
出演:ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、クリス・クーパー、ジェイソン・ベイトマン
アシュラフ・バルフム

~サウジアラビアの外国人居住区で自爆テロ事件が発生した。事件で同僚を失ったFBI捜査官のフルーリーは現地での捜査を強く主張し、マスコミの手を借りてそれを実現した。メイズやサイクスら同僚と共にサウジへと渡るフルーリー。サウジ国家警察のアル・ガージー大佐に迎えられた彼らは空港から爆発現場へと直行し、そのすさまじい状況を見て愕然とする。そしてフルーリーたちは早速本格的な調査を開始しようとするのだが…。(goo映画)~

~サウジアラビアの外国人居住区爆破事件をきっかけにしたFBI捜査官の戦いを描く。劇中の事件は架空のものだが、1996年6月26日に起きたホバル・タワー爆破事件 (Khobar Towers bombing) 、及び2003年5月12日のリヤド居住区爆破事件 (Riyadh compound bombings) を基に製作された。(ウィキペディア)~

冒頭でサウジアラビアとアメリカの関係史を忠実に示す映像が配されています。それは、石油と国益に翻弄される人々の血のドラマでもあります。そういった意味では、「シリアナ」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」に並ぶ石油と血の三部作というとらえ方ができると思えます。そして、それはジェイミー・フォックス扮するFBI捜査官ロナルド・フルーリーが、ジェニファー・ガーナー扮する同僚ジャネット・メイズに囁く<We were gonna kill the all>という言葉と、テロ組織のドンが死に際に孫に語りかけた<We were going to kill them all>という言葉に象徴されるのですね。

本作は、シリーズドラマ「エイリアス」に関連する人物が登場します。「エイリアス」は先日取り上げた「クローバーフィールド」のプロデューサーであるJ・J・エイブラムスが手がけた作品です。<「ブレア・ウィッチ・PJ」+「ミスト」=「クローバーフィールド/HAKAISHA」(米/2008年)>(10/6付記事)

このドラマの主演はもちろん、ジェニファー・ガーナーですね。監督は、この作品に出演もし、「コラテラル」(2004)、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」(2006)にも俳優として出演していたピーター・バーグ。役者としてはちょっと印象薄いんですが・・・。

ピーター・バーグ(Peter Berg, 1962年3月11日 - )は、「アメリカの俳優、映画監督、プロデューサー、脚本家。1962年、ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。コネチカット州にある私立高校を卒業後、マカレスター大学に進学し演劇文芸、演劇史を専攻する。在学中に映画界のキャリアを積むためロサンゼルスへ住まいを移し、そこでさらにバーグの演劇熱に火がついた結果、勉学を捨てて制作進行の職に就いた」。

「1986年、テレビドラマ『The Equalizer』で俳優デビュー。その後も映画・テレビの出演を重ねていき、なかでも代表作となったのがドラマ『シカゴ・ホープ』のビリー・クロンク役だった。『シカゴ・ホープ』は出演するより先に2話分の脚本を書いており、シリーズの出演終盤には監督としても参加している。劇場映画の監督デビュー作は、キャメロン・ディアス主演の『ベリー・バッド・ウェディング』。私生活では長年付き合っていたエリザベス・ロジャースと1993年8月28日に結婚、1996年に離婚をしている。2003年から2006年春頃にかけては、エステラ・ウォーレンとともにプレミア会場など公の場へ姿を現すなどしていた」。

さて、役者陣。主演のジェイミー・フォックスはこのブログで取り上げた「シェイド」(2003年)、「ドリーム・ガールズ」(2006年)にも出演していて、<「Ray」(2004年/米国/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)>(06年5/4付記事)で取り上げていますので、割愛します。


紅一点のジェニファー・ガーナーは、ベン・アフレックの奥さんでもあるんですね。

ジェニファー・ガーナー(Jennifer Garner、1972年4月17日 - )は、「アメリカ合衆国の女優。『エイリアス』のシドニー・ブリストウ役で有名。テキサス州ヒューストンで生まれ、ウェストヴァージニア州チャールストンで育つ。三人姉妹の真ん中で、少女時代はバレエを学び、次第にダンサーへの憧れを強くする。大学では最初、科学を専攻していたが、途中で演劇に変更する。大学を卒業後はニューヨークでアルバイトをしながらチャンスを窺っていた」。

「その後ロサンゼルスに拠点を移した彼女は、ゲスト出演をした『フェリシティの青春』のプロデューサーJ・J・エイブラムスが手がける新作ドラマ『エイリアス』の主役に大抜擢。これが当たり役となり彼女をスターダムへとのし上げ、2001年度ゴールデングローブ賞の最優秀女優賞(テレビドラマ部門)を受賞した」。

「2003年に『デアデビル』に出演、劇中で彼女が演じたエレクトラは人気を呼び、スピンオフの『エレクトラ』も公開された。近年は自身の制作会社を設立してプロデューサー業にも積極的。日本映画『いま、会いにゆきます』に感銘を受けた彼女は、ハリウッドリメイク『Be With You』の製作に乗り出しており、主演も努める予定である。公開予定は2009年」。


そして、このブログでも取り上げた作品「真実の瞬間」(1991)、「カポーティ」(2005)、「シリアナ」(2005)に出演していた硬軟、善悪双方演じ分けて妙の俳優、クリス・クーパー。本作では真摯な技術者を演じています。

クリストファー・W・クーパー(Christopher W. Cooper、1951年7月9日 - )は「アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティ出身の俳優である。ミズーリ大学で演技を学び、ブロードウェイ、オフ・ブロードウェイの舞台に立つ。1985年にジョン・セイルズ監督作品で映画デビューして以来、セイルズ監督の作品によく出演している。『アメリカン・ビューティー』で、ナチスを信奉する厳格な元軍人の父親を演じて注目される。2003年に『アダプテーション』でアカデミー助演男優賞を受賞。息子が一人いたが、2005年に脳性小児麻痺のため亡くなっている」。(以上、ウィキペディア)


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