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DAZN観戦 2024年J1リーグ第17節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

2024-06-03 16:02:56 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 町田ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前年初の昇格を成し遂げた町田。
しかしその戦いぶりは、とうとう夢のJ1の舞台でその初々しさを前面に……とは真逆の状況となっており。
まあ成績的には首位を快走しているという、前途洋々なものなのですが。

何しろ開幕戦(ガンバ戦、1-1)から、そのホームのアクセスの悪さがJ1という土俵によって可視される事で、大いに物議を醸す入りとなり。
その後はパワーサッカーを前面に押し出し、並み居る強豪をなぎ倒しながらあっという間に頂点に最も近い位置に登り詰め。
それによりラフプレーとも異なる、「審判に見えない部分での接触」「試合が止まればすかさず時間を使おうとする姿勢」といった事象が(悪い意味で)話題となり。
そうした新興勢力の跳梁を許す既存クラブ、という要素もあり一層混迷を極めている今季のJ1リーグ。

さて、この日そんなクラブと相対する事となった新潟。
開幕前には町田・黒田剛監督が「足元でチャカチャカやるサッカー」と、ポゼッションスタイルを全否定するかのような発言をしたとの事で、俄然注目の的となった感のあるこの試合。

しかし目下降格圏の方が近い状況となっている今の新潟では、まともにぶつかっては黒田監督の思う壺となるのは自明の理であり。
前半1分のゴールキック、普段の短く繋ぐ姿勢から、蹴り出しを受けたGK小島はロングフィードを選択。
そのフィードも鈴木孝をターゲットとするもので、続く2分にも秋山のラフな蹴り出しを鈴木孝が収め、デュエルを強いられながらキープを果たし。
まずは1トップ(yahooスポーツナビでは、長倉との2トップという表記)のポストワークを前面に出し、神戸戦のような「スタイルを封じられて何も出来ない状態」の回避に努めました。

そんな相手の変節を見ても、町田は4分に早速(林が)ロングスローを放り込むなど普段のスタイルを貫く構えを取り。
しかし5分には敵陣でボール確保したのち、チャンミンギュのサイドチェンジも絡めながら繋ぐも、結局戻して作り直しといったポゼッションサッカーの姿勢に。
慎重な姿勢の新潟に合わせるというシーンが、今後の様相を暗示するものとなってしまったでしょうか。

それでも、8分にはGK谷のロングフィードがオセフンを越えて藤尾に渡り、左奥を突く好機。
ここからロングスローを2本続け、2本目の二次攻撃から生まれた混戦で、平河の中央からのシュート(小見がブロック)にまで持っていき。
得点は奪えずも、こうした神経戦のような立ち回りで、相手へのダメージを蓄積させていく。
その徹底ぶりがこれまでの成績に繋がっており、この日もその効果は見られ。
16分新潟が自陣でボールを持つも、例によって町田のプレッシャーを受けた事で左→右へと苦し紛れのサイドチェンジ。
これを藤原が(鈴木孝と?)お見合いしてしまう格好となり、受けられず仙頭に拾われた末に彼を倒してしまい反則、町田にフリーキックを与える事に。
このFKからはフィニッシュに持ち込めずも、失点に直結するミスが生まれる危惧が高まり始めます。

しかし直後の17分、右サイドから奥を突かんとした平河、タッチを割ったのちも勢いが余った末にコーナーフラッグと激突。
その結果無残にも根本から破壊されてしまったフラッグを受け、交換のため試合が中断される事となりました。
いかにも町田のサッカーが織り成す絵図だな……と考えさせられるとともに、相手にも余裕を与える結果に繋がったでしょうか。

新潟の自陣深めでのスローインで再開(20分)すると、町田のプレッシャーを受けながらもデンがキープからのミドルパスでそれを脱出。
これを収めた長倉からの繋ぎも、町田の素早い寄せを受けながらのものながらでしたが、こぼれ球も巧く拾って前進を果たした末に谷口が(鈴木準に)反則を受け。
(その後のFKからも)好機にはならずも、町田のサッカーに対する耐性を見せ始めた事で試合が動く切欠となり。

24分こぼれ球を拾った藤原から前進を始めると、秋山はここもポストの姿勢から浮き球のパスと変化を付け。
受けた小見が持ち運び、長倉にパスを出したボールを林がクリアするも、これが逆方向へ流れてスルーパスのようになってしまい。
走りを止めなかった小見がこれを拾った事で、エリア内でGKと一対一に近い状態へ持ち込んだ末にゴールネットを揺らし。
あろう事か自身のミスも絡んで先制を許すという、町田の目論見とは真逆の結果となりました。

先制した新潟は、尚もその直後に決定機。
ここも中盤でのボール争いから、秋山のダイレクトパスでの脱出を経て、跳ね返りを拾った小見が右奥を突く状況に。
そして上げられたファーへのクロスに、動揺を隠せない町田はGK谷が跳び出すも、遅れてしまい谷口のヘディングシュートを許し。
無人のゴールに吸い込まれる……と思われましたが、ゴール前に戻った昌子がカバーし、辛うじて追加点は防ぎます。

コーナーキックを得て一気呵成といきたかった新潟ですが、その意識が仇となり。
キッカー秋山はライナーでファーへのクロスと変化を付けるも、早川折り返し→長倉のポストプレイが繋がらずにカウンターを招いてしまい。
藤本のドリブルは小見が遮断するも、拾った鈴木準を経由し平河がドリブルに入った事で一気に数的優位の状態で敵陣へ。
そしてエリア内へ切り込んで右へと横パスが出されると、藤尾がワンタッチでゴールへ蹴り込んで完遂させます。
綺麗なロングカウンターで、同点に追い付いた町田。

一方新潟サイドは、中盤でデンが主審(川俣秀氏)と交錯したために鈴木準のカバーを遮断出来ずとなったため不満を露わにする結果に。(判定は覆らず)
30分には自陣で柴戸に奪われてのショートカウンターで、またもエリア内での横パスから藤尾のシュートに繋げられ。(右サイドネット外)
折角奪ったリードも直ぐにフイとなり、再度精神面からの建て直しを余儀なくされます。

しかし町田サイドも、普段とは違う新潟のスタイルにリズムを掴めなかったか。
35分に新潟のゴールキック、蹴り出す前に藤尾がエリア内に入ってしまったためやり直しという珍しいシーンを招き。
短く繋ぐ相手にハイプレス、という格好のシチュエーションに中々入れず。
全体としてアンカーの位置取りをする秋山に対し、2トップが切るという姿勢に落ち着く事となります。

自身のストロングスタイルを見失ったような町田は、結果最終ラインからの繋ぎによる攻めに入らざるを得なくなり。
そして新潟がそれを遮断して攻撃権を掴むという、逆の展開が発生。
その末の45分、早川のパスカットから攻める新潟、谷口のスルーパスを左ワイドで受けた長倉が溜めを作りながらカットイン。
そして中央への戻しを経て放たれた谷口のシュート、鈴木準がブロックするもエリア内へこぼれた所を詰めたのは藤原。
長倉・谷口の2名に引き付けられた結果防ぐ手段は町田に無く、ゴールネットが揺れて新潟が勝ち越し点に辿り着き。
本来のスタイルでは無い、相手のペースを捻じ曲げる立ち回りの末に前半リードに成功しました。

1-2で迎えたハーフタイム。
今季の新潟が前半でリードする事はこれが2試合目(HTの時点では初)と、普段のサッカーの残像を利用するのは予想以上に有用となり。
逆に前半ビハインドはこれが3試合目の町田、過去2試合はいずれも敗戦に終わっており。
手を打たざるを得ないと言わんばかりに、このHTで藤本→ナサンホへと交代して後半に臨みました。

ペースを確保したい町田は後半2分、藤尾のドリブルが舞行龍にこぼされるも、その際交錯して動けなくなった舞行龍を余所にナサンホが拾って継続。
そして舞行龍不在の隙を突いて前進し、再度藤尾の持ち運びからエリア内へラストパス、平河がダイレクトでシュートを放ちましたがGK小島がセーブ。
マリーシア染みた町田の姿勢が発揮されたような好機となりましたが、舞行龍はその後4分、報復と言わんばかりに藤尾に対し激しいチャージを敢行。
藤尾は頭部を痛めて倒れ込むも反則の笛は鳴らずと、やられたらやり返すといった姿勢(もちろん偶然でしょうが)で、この日の新潟は対抗姿勢を示します。

そんな相手に対し町田はペースを握るどころか、逆に傷口を広げる事となり。
6分敵陣でボールポゼッションと久々に本来の姿勢を発揮する新潟、左サイドで繰り広げるパスワークに対し、町田は谷口に対し鈴木準が反則を犯してしまい。
これで得た左ワイドからのFK、キッカー秋山は(前半の失点に繋がったCKを踏まえてか)素直に右足でゴールに向かうようなクロスをニアへと上げ。
合わせにいった谷口との競り合いを経て、チャンミンギュのヘッドでのクリアがゴールへと向かう事となってしまい、ネットを揺らす結末に。
偶発的故に誰も責められないオウンゴールで、リードが2点に広がります。

これで積極性が必要なくなった新潟により、町田は一層主体的な攻撃を余儀なくされる状況に。
守備を固める相手の前に、必然的にパス主体での崩しを迫られるという具合に、皮肉にも自身が「足元でチャカチャカやるサッカー」をしなければならない事となりました。

それでも11分、新潟のパスミスを鈴木準がダイレクトで繋いだ事で、薄い守備を突ける状態に。
左からの林のクロスがクリアされて左CKとなるも、ショートコーナーで変化を付けた末に入れられた鈴木準のグラウンダーのクロスがカットされて新潟のカウンターと、前半とは真逆のシーンを生む結果となってしまいます。
長倉のドリブルを遅らせて何とかフィニッシュには持ち込ませずも、既にそのアイデンティティは喪失状態に。

状況打破のためベンチも動き、14分に3枚替えを敢行。
鈴木準・仙頭・オセフン→望月ヘンリー海輝・荒木・エリキへと交代します。
以降、類まれな身体能力を有するサイドバック・ヘンリー(J2では、長崎のモヨマルコム強志に類似か)を前面に押し出すスタイルで反撃体制に掛かる町田。
それに合わせるように、柴戸が最終ラインに降りる事で右肩上がりとなるビルドアップの形。

決定機は18分に訪れ、後方でのパスワークから中央での繋ぎを経て、ナサンホのミドルパスが直接エリア内を突くものとなり。
右寄りで受けた平河が放ったシュート、GK小島を抜いたものの左ポストを直撃。
跳ね返りをすかさず荒木が詰め、決まったかと思われたものの早川のブロックに阻まれ。
さらにエリキが詰めにいった結果、スライディング同士の激突で早川を削る格好に。(反則無し)
ゴールまであと一息という状況も、結局はその攻撃性によるラフプレーで終わる事となってしまいました。(早川は何とか無事でピッチ外→復帰)

一方の新潟は、ポゼッション能力を守備面で発揮するなど2点リードを存分に活かす立ち回り。
こうした状況にどうやって持ち込むか(つまり如何に先にリードを奪うか)の課題と向き合う、あくまで最初からその立ち回りを押し出すガンバとは違うチームだな……という事を認識させられる流れにもなります。
町田のボール保持に対してはリトリートの構えも見せるものの、24分には右ワイドで受けた柴戸に対し奥村が釣り出されるなど、その練度は未熟であり。

何とか突破口を開きたい町田、27分例によって高い位置でミドルパスを受けたヘンリーから好機を作り、平河のエリア内中央へのパスを荒木がスルーして左のナサンホに渡り。
切り返しからのシュートを狙ったナサンホでしたが、読みきった藤原に切り返す所で奪われ、折角の地上からの崩しもモノに出来ません。
この直後に藤尾→ミッチェル・デュークに交代と、早くも5枚のカードを使いきったのに対し、新潟サイドはこの時点で交代無しとこの面でも苦しさが滲み出る事となり。

しかしその新潟も蓄積ダメージは隠せず、32分には秋山が足を攣らせてしまい、担架で運ばれる事となりベンチワークの堰が切られ。
秋山・早川→島田・堀米へと2枚替えし、その後守備重視の立ち回りの色はさらに強まります。
それでも40分に敵陣深めでの右スローインから、長倉が浮かせたままのボールキープによるカットインでポケット奥に切り込む(そのままゴールラインを割る)という具合に、要所で発揮される技も勝利へのムードを高めるのに一役買う事に。
さらに41分には鈴木孝→ダニーロへ交代し、谷口がFWへシフト。

敵陣でボール保持する事で、時間と攻撃機会を町田から奪うのに成功する新潟。
45分に得た左CKでは、ダニーロがコーナーでキープの体勢に入り、掻き出しを長倉が拾った事で好機。
奥村が左ポケット奥で持つ状況となり、そのままシュートが放たれるも流石に角度が足りずサイドネット外に終わり。
売り出し中といった奥村でしたが、この日はゴールを奪う事が出来ず。

町田はこの直後のゴールキックで、GK谷のロングフィードを収めにいったデューク、マーカーのデンを軽く押した事で外した末に確保するという具合にその姿勢自体にブレは見られず。
ここから攻撃権を支配する状態となった町田でしたが、既に時間もアディショナルタイム。
唯一のフィニッシュは、左サイドからの前進で林がクロスを上げ、ファーサイドで合わせたヘンリーのヘディングシュート。
ターゲット型SBの本領発揮といったフィニッシュでしたが、これもGK小島のセーブで防がれどうしても2点目を奪えません。

一方相手が相手だけに、そのプレッシャーで最後まで気が抜けないという新潟。
ATに入り、アウェイ側スタンドに詰め掛けたサポーターによる、ホーム側を凌駕するその声援で勝利への実感を強めるといった絵図に。

その後押しを受けながら1-3で試合終了の時を迎え、ようやく5勝目を挙げる運びとなりました。
相手に合わせるようなスタイルでもぎ取ったその勝利は、窮地での一時凌ぎという色も強いものとなりましたが、その姿勢が浮上のためには不可欠なのも確かであり。
この後の中断期間を経て、両面をミックスさせた進化を遂げる……なんて事はあるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第16節 FC東京vsガンバ大阪

2024-05-31 16:16:28 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • FC東京は、原川がルヴァン杯3回戦(鳥栖戦、1-1・PK5-4)で退場(警告2度)となったためこの試合出場停止。

目下、ガンバの守備力が凄いと聞いたので視聴。
そうでなくとも、現在リーグ最少失点という成績面で残っている事実に疑いようは無く。

守備というファクターで真っ先に思い浮かぶのが、今季チームに戻ってきた松田浩氏。(肩書はフットボール本部本部長)
オフにこの一報を聞いた時は失礼ながら、ダニエル・ポヤトス監督の後釜ならびに保険としての人事かな……というぐらいにしか思わなかったのですが、その影響力はまだまだ健在だったようで。
そうしてチームの波長を合わせた結果、開幕から複数失点試合は2つのみで、現在は5試合で失点僅か2という凄まじいスコアを残しており。
この日は、反対に得点数リーグトップのFC東京が相手と、その実力を見せるのに相応しい試合となりました

その入り、ボール争いを経て確保に成功したガンバ。
1トップという立場ながら、下がり目の位置でボールキープする宇佐美を中心としたボールポゼッションを展開。
前半2~3分に、スルーパスで左奥を取ってもクロスは上げずに戻しを選択するという具合に徹底してパスを回し。
再び左奥を取った黒川のクロスが流れ、逆サイドで拾い直して戻し→中谷から攻め直しと、前年から実に洗練されたパスワークを披露します。

そしてこのボール保持が、相手に攻撃させないという効用に繋がるのは現代においてとても重要なファクターで。
攻撃サッカーとして採られ易いポゼッションスタイルですが、その本質はペース確保にあり。
確かにポヤトス氏のスタイルを極めたうえで、松田氏の思想がガッチリとハマれば、最強の守備組織が出来上がるのも頷けるものでした。

そんなガンバの攻撃権も、8分には相手に移り変わり。
最終ラインでボール確保して攻めるFC東京、まずは相手の4-4-2のラインの裏を積極的に狙い。
スルーパスにより裏抜けする俵積田や荒木に対しても、中谷の対応でしっかりと防ぐガンバ。
しかし9分、3度目の裏へのスルーパスにディエゴが走り込むと、今度はスライディングでの対応を余儀なくされた福岡が防げず好機に。
そのまま奥を取ってのカットインでGK一森と正対するディエゴ、意識を引き付けたのちマイナスのクロスを入れると、逆サイドから走り込んでいた俵積田がニアで合わせシュート。
しかし一森は惑わされずこれをセーブと、守備網が崩されながらも最後の砦で凌ぎます。

14分には縦パスに入れ替わった安斎に対し、かわされかけた黒川が引っ掛けてしまい反則・警告。
こうしたシーンを見るに、新加入の中谷は流石に安定感が光るも、その他のメンバーにやや脆弱さを感じてしまうといった所でしょうか。
それでも、宇佐美が積極的にプレスバックを掛け、時には自陣深めでボール奪取するなど守備面での意識改革の成果は随所で発揮され。

チャンスがあれば先制点を取るに越した事は無い状況で、16分にガンバの好機。
黒川縦パス→宇佐美フリックで裏へ転がったボールを、走り込んだウェルトンがマーカー長友をショルダーで吹っ飛ばして確保。
そしてそのまま中央で溜めたのちエリア内の山下へラストパスを送るも、ズレてしまい右に流れ。
山下はすかさず走り込んでシュートに持っていきましたが、この影響で角度が足りなくなり枠外で逃してしまいました。

その後はガンバのポゼッションに対しハイプレスを掛けるFC東京。
綺麗には奪えずも、その保持が途切れた所で反撃に入るという立ち回り。
しかしディエゴ・荒木に縦パスを通さんとしても、ゾーンディフェンスが織り成すコンパクトな布陣からの素早い寄せに苦戦。
中々ボールを確保できない両名を受け、結局は俵積田の裏抜けに賭けるという状態に。

そんな状況で迎えた26分、ガンバは最終ラインから繋ぎに掛かるも、GK一森の縦パスがズレてしまい俵積田の下へ。
ここはダワンがすかさず奪って難を逃れましたが、その直後にもパスミスを犯し、高が直接荒木に縦パスを通してカウンターに。
ようやくスペースを得た状態となった荒木、細かいタッチでのドリブルを経てディエゴにスルーパスを通さんとしますが、中谷が巧くコースに立ちはだかってカットして防ぎ。
ペース維持に成功しているだけに、前年序盤に数多見られた、こうした下らないミスからの失点は避けたい所であり。

気を取り直し、再びボール保持の色を高めるガンバ。
特に30分台に入り、落ち着いてボールを上下動させながらGK一森の元までボールを戻したのが33分。
傍らから見れば攻める気が無いように映るそのサッカーに、ホーム(味の素スタジアム)のFC東京サポーターからブーイングも一部上がるという具合に、スタイルのぶつかり合いといった要素も高まる試合展開。
そしてここから中谷の縦パスを起点に前進するガンバ、道中カットに遭いながらも繋ぎ、坂本がペナルティアークでキープする状況に。
結局囲い込まれて撃てず、その後の攻撃も実らなかったものの、クリアの跳ね返りが小泉の腕に当たってハンドの反則に。
これで中央からの直接フリーキックとなり、キッカー宇佐美が当然直接シュートを狙ったものの、ゴール上へ外れて惜しくも実らず。
相手サポーターからの不満も浴びながら、一発で仕留めるという戦いを貫きます。

その一発が再び訪れたのが41分、FC東京のコーナーキックから。
ショートコーナーを経てのクロスが跳ね返されるも、拾ったのち長友のミドルシュートが放たれ。
しかし半田のブロックで防いだガンバ、最終ライン裏へ跳ね返った所へ、山下が猛スピードで追い抜いて拾った事でカウンターを発動します。
そのままドリブルで一気にエリア内へ切り込む山下、必死に追いかける高・バングーナガンデを尻目に、ほぼGKと一対一状態で放たれるシュート。
しかし野澤大は冷静に、前に出ず構えて見極めこのシュートをセーブと、1点もののシーンを見事に防いでみせました。

結局前半はそのままスコアレスで終わり。
FC東京はリーグ最多得点といっても他クラブとは僅差であり(実際今節終了後、鹿島と町田に抜かされる)、強固なディフェンスを破れるほど盤石なものでは無い。
そんな一言寸評が頭を過る展開でしたが、挽回できるかどうか。

しかし後半の立ち上がりもガンバペースに。
後半3分、縦パスを受ける荒木を半田が潰し、奪ったのち鈴木の縦パスでカウンター気味に好機。
そして宇佐美のミドルシュートが放たれましたが、これもGK野澤大がセーブ。
このシーン然り、続く4分にはディエゴが福岡のチャージで倒れ込むという具合に、やはりディエゴ・荒木へのチェックの激しさが止まない状況。

それを受けてか、その後荒木がサイドに開いてパスを受ける事で逸らしに掛かり。
8分、左サイドで小泉のカットから矢印を反転させ、ディエゴの縦パスを受けた荒木が俵積田へスルーパスを通し。
そして縦突破からの斜めのカットインでポケットを突く俵積田、そのままシュートを放ちましたが惜しくも枠を捉えられず。

強烈なサイドアタッカーという位置付けの俵積田ですが、この直前の6分に気になるシーンが見られ。
小泉のスルーパスを受け、薄い左サイドを突破する状況となったものの、ここではカットインを選ばずアーリー気味にクロス。
そして誰にも合わず流れるという具合に、ガンバの守備網を受けて「早く攻めきらなくては」という思惑に陥っていた感があり。
しかしこのシーンを反面教師とし、以降は積極的にフィニッシュへのプレーを選択します。
12分、再び荒木のパスを受けたのち左サイドを突破し、カットインを経てハーフレーンからミドルシュート。
GK一森にセーブされて実らずも、苦境を剥がさんとその威力を発揮し始め。

しかし14分、ガンバは山下が右サイドをドリブルに入ると、かわされたバングーナガンデが腕で倒してしまい反則・警告。
これで左サイドに被害が出ると、以降俵積田の見せ場も無くなりそのまま18分に交代となり。
遠藤と交代(同時に荒木→仲川へと交代)し、巻き直しを余儀なくされるFC東京。

そして再度ガンバのペースとなると、今度はセットプレー攻勢で時間を使いながら……という攻撃に。
20分から右CKを2本続け、その2本目から二次攻撃で左奥を取ってのパスワーク。
遮断されるも山下が奪い返し、奥へ切り込む所小泉に倒されて反則となり、今度は左からのFKに。
キッカー宇佐美のクロスをニアでダワンがフリックで合わせ、ゴールを狙いましたがGK野澤大がセーブ。
狙い通りに作り上げた決定機も、相手GKのビッグセーブでモノに出来ないという流れを強いられます。

それでも、左サイドの推進力を失ったFC東京は以降殆ど攻撃が形にならず。
単純な裏狙いが通用しない以上、どうにか主体的な攻めで好機を作りたい所でしたが、ガンバのコンパクトな守備隊形によりままならずという展開は続き。
そして守備では、前述のバングーナガンデの警告以降、山下の跳梁を許す結果となり。
29分にはまたも彼のドリブルに対し反則を犯してしまったバングーナガンデ、
すかさずガンバサイドは警告(ならびに2枚目による退場)をアピールするも、注意のみに留まり何とか命拾い。

流石にこれでは苦しいというように、33分にベンチが動くFC東京。
バングーナガンデを退かせジャジャ・シルバを投入、同時にディエゴ→松木と2枚替えを敢行。
仲川がセンターフォワード・遠藤が右ウイング・安斎が左サイドバックとそれぞれ移り、ジャジャが左WG・松木がトップ下に入り再起を図ります。
(ガンバは27分にダワン→ネタ・ラヴィへと交代)

そろそろ体力面も気になりだす時間帯で、相手ディフェンスに綻びが生まれる所を狙いたいFC東京。
実際、交代を経て縦パスの入り具合も良くなり、そこから運ぶ事に何度か成功しており。
しかし水を差すように、判定の面で運が転ばず。
36分に高が鈴木に倒されてボールロストするも、反則の笛は吹かれず逆に中谷が拾ってガンバの攻撃に。(その後右ポケット奥から山下がクロスも合わず)

ガンバも再三サイドを脅かした山下が39分に交代となり(倉田と交代・同時に坂本→山田に交代、ウェルトンが右に回る)、このまま泥仕合の様相を交えながら終盤を戦う。
そんな予感を孕ませた矢先の40分でした。
またも黒川の反則気味のアタックで小泉からボールを奪い、笛は吹かれずそのまま攻撃に入るガンバ。
ラヴィのミドルパスに抜け出したウェルトンが右奥に進入し、溜めたのち入れられたマイナスのクロスが山田の下へ。
そしてワントラップを経て放たれたシュートが、狭い守備網を掻い潜って左サイドネットに突き刺さります。
とうとう均衡を破ったガンバに対し、反則をアピールして猛然と異議を唱えるFC東京サイド。
当然VARも黙らない訳は無く、反則→ウェルトンのオフサイドと二重のチェックを行ったものの、どちらも無しに終わり。

ゲームプラン通り、堅守で失点を防ぎ、ピンポイントに訪れる好機でリードを奪う展開を描いたガンバ。
一方のFC東京、先程投入されたジャジャの突破力でそれを引き戻しに掛かります。
44分に左サイドを突破して奥からマイナスのカットイン、そして左ポケットからシュート。
中谷にブロックされ、跳ね返りを長友がボレーシュート(ジャストミートせず)と、彼の威力により齎される紛れからも、とにかく1点取りたいという状況に。

突入したアディショナルタイム、左スローインから奥を取って再度ジャジャが切り込むFC東京。
半田と交錯して倒れるもこぼれ球を繋ぎ、仲川の左ポケットからのクロスがニアの遠藤へ。
しかしディフェンスに遭いこぼれ、拾わんとした仲川も福岡との交錯で倒れてしまい、またも反則の笛は鳴らず。
相変わらず判定に運は巡って来ず、万事休すといった流れに。
この後ガンバが最後のカードを使い、ウェルトン・宇佐美→唐山・松田へ2枚替え、最終ライン右に入る松田により5バックシステム(3-4-2-1)へシフトします。

それでもCKを掴んだFC東京、GK野澤大も前線に加わり最後の攻撃に。
クロスの跳ね返りをジャジャが拾って後方から放り込み、こぼれた所を高が繋いで左ポケットのトレヴィザンの下に。
そして放たれたシュートがゴールネットを揺らし、東京ダービーの如く劇的な同点弾か、と思われましたがオフサイドを告げる笛が鳴り。
ジャジャのロビングの時点でガンバサイドは一斉にラインを上げたため、ボールが落ちる所に合わせにいったトレヴィザンがオフサイドの対象となったが故の判定でした。
結局最後まで判定に跳ね返され、FKで再開されたその直後に試合終了の笛が鳴り響きました。

危ないシーンは何度かあったものの、この日も無失点で終わらせたガンバ。
この盤石というべき航海を保ち、辿り着く順位は何処になるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 ブラウブリッツ秋田vsザスパ群馬

2024-05-30 16:00:35 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(15節・藤枝戦、0-1)
※前回の群馬の記事はこちら(15節・仙台戦、1-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 水曜にルヴァン杯3回戦(新潟戦、0-2)が挟まる。そこからの継続スタメンは河野・佐藤大の2人で、共に延長戦まで戦う。(佐藤大は延長前半8分に交代)
  • 前節(山形戦、2-0)出場停止だった佐藤大がスタメンに復帰。
  • 鈴木が東北リーグ・みちのく仙台FCへ育成型レンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
  • 中村が前節6試合ぶりに出場し、今節もベンチ入り。

<群馬スタメン>

  • 川本が清水から育成型レンタル移籍で加入(再加入)し、今節から登録されて即スタメン出場。
  • 14節(清水戦、0-3)で負傷交代した北川の詳細が発表されるも、全治は未定。

今季も「秋田一体」の下、ブレ無い戦いで中位を確保している秋田。
その戦いぶりは完全に定着したと言っても良いでしょう。それだけに新スタジアムへの状況・それに伴うライセンスの動向がより気になる所である

説明不要のパワーサッカーを繰り広げているのは言うに及ばずですが、前回観た際は、バックパスでの様子見を織り交ぜるなどらしくないシーンが見られ。
これが「秋田一体『プラス』」の部分となるのか、ないしは弱気な面の露呈なのかは意見が分かれる所ですが、同時に持ち味を貫くだけでは昇格争いに絡むには物足りないのも確かであり。
その試合では懸念の如く、終盤に息切れを起こして藤枝に敗れた訳ですが、水曜にルヴァン杯3回戦を戦った後となるこの試合ではどうか。

試合開始となり、監督交代して3試合目の群馬が最初にロングスローに辿り着く(前半4分、ただしセンターバックは上げない)という立ち上がり。
つまりは群馬サイドも、藤枝同様に秋田のパワーサッカーの土俵で渡り合う姿勢を見せ。
この左からの菊地のロングスロー、クリアが小さくなった所をエドオジョンが拾い、戻しを経て天笠がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と有効打に繋げます。

しかし既にその前の3分に、コーナーキックから畑がミドルシュートを放っている(ゴール右へ外れる)秋田。
同じ土俵ならこちらが有利と言わんばかりに、その後はロングスロー・中盤からのフリーキックなど、セットプレーをふんだんに使いエリア内へボールを放り込み。
アクチュアリープレイングタイムの少ない試合展開も、J1に居る町田同様に、これが秋田のペースの握り方なのは疑いようが無く。

そんなサッカーを貫いているうちに、徐々に流れの中での攻撃も巧くいくようになる、まさにそんな流れを描いたでしょうか。
14分、藤山の低いロングパスを右サイドで青木がポストプレイ、小松のキープを経て上がって来た藤山を経由して逆サイドへ。
そして佐藤大が左奥へ切り込んでクロス、跳ね返りを小野原がダイレクトでミドルシュート(エリア内でブロック)と、フィニッシュワークはセットプレーと変わらないものながらも勢いを見せ付け。

そして20分、自身のクリアボールを小松ポストプレイ→藤山落としと浮き球で繋ぐ秋田、さらに佐藤大が倒れながらもスルーパスをワンタッチで送り。
これを受けた青木が左奥へ切り込み、戻しから才藤のクロスが上がると、大外で藤山が合わせヘディングシュート。
左寄りで浮き球を落としていた藤山が、まさかの逆サイドのターゲットとなる動きに群馬ディフェンスも対応しきれず、バウンドを経てゴール上部に突き刺さるボール。
幸先良く先制に成功しました。

リードを奪われた群馬、パワーサッカーでの対抗姿勢を取り止め、地上から繋ぐ体勢に。
そうなると次なる敵は秋田のプレッシングで、前線4人が群馬の3バック+アンカーにマンツーマンで嵌めるため同数での運びを強いられ。
結局ここから何も起こせないまま時間を費やすのみとなり。
30分には秋田陣内右サイドで秋田のFKとなると、素早くリスタートされたボールが、戻る最中に眼前を通ったエドオジョンを直撃。
これが妨害とみなされてエドオジョンが警告を受けるという具合に、判定の面でも運の無い状態であり。

7連敗を止めるためにも何とかしたい状況で、32分に左CKに持ち込むと、キッカー田頭のクロスが中央で混戦を生み。
河野のクリアミスでこぼれた所をすかさず高橋がシュートするも、小柳のブロックに阻まれ。
紛れからもモノに出来ない群馬、やはり主体的な攻撃でどうにかするしか無く。

直後の34分、左から前進の姿勢で菊地が持ち運んだのち戻すと、そのまま左サイド最前線へと上がって城和のロングパスを受けにいき。
これを受けて深さを取る事に成功すると、エドオジョン・和田・川本との細かな繋ぎを経てポケットを取り、最後は川本が中央からシュート。
しかしゴール上へと外れてしまい、会心の攻めも実りません。
それでもこの菊地の可変と、GK櫛引が前に出てパスワークに絡む姿勢で、秋田の前線に対抗する姿勢は何とか整えます。

そんな一匙の光明も、すぐさま秋田の攻勢に圧し潰され。
37分に右から小野原のロングスロー、跳ね返りから再度上がった小野原のクロス→河野落としをクリアするも、今度は左から才藤がロングスローと両サイドから圧を掛けられ。
この才藤の投げたボールを小野原がフリックし、浮いたボールを青木ヘッド→川の落としと空中で繋いだ末に、青木が反転しながらのボレーシュートに繋げ。(ブロック)

これにより、40分台に入ると群馬もロングスロー攻勢に持ち込むという具合に、再びパワーサッカーのぶつかり合いに。
45分のロングスローではついにCBも上げた状態(CKの直後だった事もある)で投げ入れる菊地、クリアボールをエドオジョンがダイレクトでシュートするも枠を捉えられず。

しかしそのまま突入したアディショナルタイムでは、再度秋田がロングスロー攻勢に持ち込むなど、本家には敵わずの状態に。
左から才藤が投げ入れたボールをニアで河野フリック、中央で小松が脚で合わせるもミートしきれなかった所を、奥で更に畑が脚で合わせるという重厚なフィニッシュ。
これはゴール左へ逸れてしまい追加点はならずも、殆ど群馬にペースを掴ませないまま前半を終えました。

共に交代無く、迎えた後半もほぼ同様の内容の立ち上がりとなり。
ロングボールを蹴らされてはボールを失う群馬を尻目に、ひたすら秋田が攻撃機会を重ねる展開に終始します。

後半6分、浮き球が右往左往する空中戦を経て、小松のフリックから敵陣右サイドでボール確保した秋田。
すると青木がクロスというよりはサイドチェンジのように左ポケットへ送ると、収めた才藤が切り返しを経て中央へ横パス。
そして小松がシュート(菊地がブロックしCKに)と、単なる縦突破→クロス攻勢では無い流れでの攻撃を見せるなど、徐々に良化。
こうした奥深さを常時見せられれば、まさに秋田一体プラスとなる所でしょうが……。

一方、15分まで攻撃機会皆無という防戦一方を強いられた群馬。
あまりにラインを下げる事もあり、3分には秋田の自陣からのFKではGK圍がフィードでは無くショートパスに切り替え。
そして右サイドを運ばれてクロスを許す(畑のクロスが青木を越え、河野に収まってシュート・高橋がブロック)という、それによる失態も招く事となり。

その15分、ようやく高橋が中央を持ち運び、右へ展開ののち和田がクロス。
これを高澤が合わせヘディングシュート(GK圍キャッチ)と、流れでの攻撃によるフィニッシュを作り上げ。
そして主体的な攻撃、つまりは最終ラインからのビルドアップの姿勢に再び入るようになります。
それは前半と同様、菊地を高い位置へと押し上げる可変を軸に、秋田のマンツーマンを揺さぶりに掛かる手法がメイン。
しかし秋田もそこから中々好機を許さず、再度停滞感漂う群馬。
22分には藤山の持ち上がりによる速攻を反則で阻止した田頭が警告を受けるなど、秋田の圧力に屈する未来が過る展開となり。

その直後に秋田ベンチの方が動き、佐藤大→大石へと交代。
それにより群馬も、流れを変えるために動かざるを得ず。
25分に2枚替え、エドオジョン・和田→中塩・杉本へと交代し、左ウイングバックに菊地が回り。
それと同時に高澤を頂点とした3-4-2-1へとフォーメーションを弄ります。

これにより、中塩→杉本→菊地という左サイドのラインが重厚に。
流動的に誰かがワイドを上がって付く事で、パスもスムーズに回り始め。

そして28分、左スローインからの繋ぎを経て、上げられた杉本のクロスがクリアされて逆サイドの田頭の下へ。
するとやはり好循環の左サイドに繋ぐ事を選択し、パスワークを経て再度杉本が奥へ切り込んでクロス。
これを大外で田頭が走り込んで脚で合わせるという、秋田の先制点と全く同じフィニッシュ(ヘッドと脚の違いは有れど)が放たれると、ゴールネットに突き刺さり。
田頭に付いていた大石が振りきられるという具合に、やはりファーが疎かとなるクロス対応はどのチームも難儀するものでしょうか。
ともかく、同点に追い付いた群馬。

秋田のキックオフで再開となり、再びリードを奪わんと圧力を掛ける秋田。
しかしその坂手を突く群馬、31分にまたも高い位置を取った菊地へロングパスを届け、その菊地の落としでエリア内へ。
受けた川本のポストプレイから、高澤がポケット奥へ切り込んでシュート(GK圍セーブ)と、同点止まりでは満足しない姿勢を見せ付け。

またも尻すぼみという展開は避けたい秋田、32分に左CKを得たというタイミングで3枚替えを敢行。
藤山・畑・青木→諸岡・中村・梶谷へと交代し、勝負を掛けにいきます。

ここからCK×2→ロングスローと、お馴染みのセットプレーにより再度流れを構築。
そして36分、後方から才藤がエリア内へ一気にロングパスを送ると、跳んだ小松を越えてバウンドしたボールを梶谷がヘディングシュートに持っていき。
これが左ゴールポストを直撃と、決められずも惜しいフィニッシュで気勢を高めます。
(38分に群馬は高澤→平松へと交代)

39分、ハイボールの競り合いで小野原が天笠のバックチャージにより倒れて反則・天笠に警告。
警告という形でダメージを溜めていく群馬に対し、得たFKからの二次攻撃で、才藤が左から入れたクロスをファーで小松が折り返し。
そして河野のボレーシュートが放たれ、右ゴールポストを直撃した跳ね返りが、丁度詰めていた中村の下へ。
しかしその決定機は突然訪れたというように、中村は合わせきれず身体に当てるだけとなってしまった結果、ゴール右へと逸れて勝ち越しはなりませんでした。
(直後に村松→蜂須賀へと交代)

秋田の悔やまれる逸機を経て迎えた終盤。
その落胆具合を突くように群馬が再度攻撃を組み立て、菊地の左→右へのサイドチェンジを受けた田頭がドリブルと、秋田の薄い所を突けるようになり。
ここからは田頭のアーリークロスを川本が合わせきれず終わり。

流れが悪くなってきた秋田も、45分には群馬のオフサイドによる間接FKでも、GK圍が放り込みを選択するという強引な運びで好機。
大石の左ポケットからのクロスで右CKになると(この時点でAT突入)、キッカー大石のクロスの跳ね返りを蜂須賀がミドルシュート(ブロック)と、あくまでセットプレーのパターンを貫くフィニッシュ。
苦しい時は基本に立ち返るという、最後は精神力勝負の様相に。

一方群馬もGK櫛引のロングフィードから好機、収めた平松のパスを経て川本が左ポケットを突き、ディフェンスに遭うも杉本が拾って継続。
そして右のスペースへ送った横パスに、走り込んだ田頭がシュートを放つも、中村がスライディングでブロックして防ぎ。
お互いフィニッシュが交錯する、エキサイティングな最終盤となり。

しかし最終的には、勝ち越し点が生まれないまま試合終了の時を迎える事に。
1-1で引き分けとなり、群馬は連敗こそ止めたものの、残留の為にはまだまだ足りず。
この勝ち点1を蜘蛛の糸とすべく、後半掴んだ好循環を形とする事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 ロアッソ熊本vsモンテディオ山形

2024-05-29 16:17:15 | サッカー視聴記(J2)

※前回の熊本の記事はこちら(14節・水戸戦、0-2)
※前回の山形の記事はこちら(10節・仙台戦、0-2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 岡崎の負傷が発表され、5/9に発生して5/14に手術実施、全治約6週間との事。
  • 負傷離脱していた小長谷が、15節(横浜FC戦、0-0)に復帰して途中出場。

<山形スタメン>

  • 前節(秋田戦、0-2)はyahooスポーツナビでは3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、今節再び基本布陣に戻す。
  • 菊地が清水から育成型レンタル移籍で加入し、12節(徳島戦、1-2)から登録されてベンチ入り、以降2試合にスタメン出場。
  • 10節で(HTで)負傷交代して以降離脱していた安部が、今節復帰してスタメン出場。
  • 吉田がプロA契約を締結。
  • 堀金の来季加入が内定し、その1日後に特別指定選手となり15節(水戸戦、0-1)から登録され、即途中出場を果たす。

ズルズルと後退を余儀なくされている山形。
前回取り上げた「みちのくダービー」で敗戦し、その試合後の一部サポーターの蛮行もあり、運気を逃がすのを止められず。
次節(愛媛戦、2-1)は勝利したものの、そこから敗戦が込む事となってしまい。

その間、菊地が加入したり、特別指定となった堀金を即起用したりと色々試行錯誤を繰り返し。
前節は3バックで挑んだものの、どうやら特異なスタイルの秋田対策という側面だったようで、今節また4-2-3-1(4-2-1-3)へと戻し。
安部・岡本ら離脱者も復帰する中、選択肢が増えたというべきか、ないしは迷走が止まらないというべきか。
この日の相手は、3-4-2-1への布陣変更で迷いを無くした熊本で、そのホーム(えがお健康スタジアム)に乗り込んでの一戦。

いきなりの前半2分に岡本(スタメン2試合目)が右からロングスローを投げ入れる、従来の山形とは一線を成した手法での入り。
これで主導権を得る事に成功したか、ボールを握って攻勢を掛ける山形。
プレッシングで対抗したい熊本ですが、ウイングバックの大本・岩下が、上がり目の位置を保つ山形ウイング(イサカ・氣田)によりピン止めを強いられ前に出れず。

前半5分、左サイドで前進の姿勢から南が藤本へミドルパス、跳ね返りを拾って右の岡本へ。
ハーフレーンからミドルシュートの体勢に入る岡本、しかしキャンセルしてイサカに託すと、マイナスのカットインで角度を付けてからのクロス。
これをファー奥で藤本が合わせる(ジャストミートせず枠外)という具合に、アタッキングサードで少しずつ変化を加え、先制を果たさんとします。

そんな山形の攻めを中々遮断出来ない熊本は、自身もポゼッションを高める事でファイティングポーズを取り。
既にお馴染みの距離感の近いパスワークは布陣変更後も健在で、山形のプレッシングに対してもボールを奪われず維持するシーンを増やし。
しかしアタッキングサードでは、手前からクロスを上げる選択が多く工夫が足りないという感じ。

それでも10分台には、大本の推進力を活かしながら右サイド奥を突けるようになり。
17分から3本コーナーキックを続けるなど、攻撃機会を増やしてペースを奪い返す熊本。
しかし一気呵成とはいかず、敵陣でパスを繋ぎつつも、戻して作り直しを選択するなど落ち着いた立ち回りも見せ。
遅攻には遅攻で対抗するその姿勢に、山形も次第にテンションを落としてハイプレスを控えめにするなど、ペース配分が良く考慮された試合絵図となりました。

こうした展開故に、先んじて未勝利状態から抜け出した熊本の精神的優位が目立つ事となったでしょうか。
23分、GKへの戻しで山形のハイプレスを誘ったうえで地上から繋ぎ、右サイド深めに追い込まれるも江﨑がロングパスで脱出。
大崎を狙ったこのパスは小西に遮断されるも、その小西が大崎と交錯した事でこぼれ球となり(反則無し)、拾った藤井が大本とのパス交換で右奥を突いてクロス。
GK後藤雅がパンチングで跳ね返すも、拾った豊田がミドルシュートを放ち、これが左ゴールポストを直撃し枠外となる際どいフィニッシュとなります。
一撃を受けた山形も、直後の24分に敵陣でのこぼれ球を確保したのち小西がワンタッチで縦パスを藤本に通し。
右ハーフレーンで受けた藤本、カットインで中央寄りからミドルシュートを放って(ゴール左へ外れる)やり返し。

お互い好機が交錯するも、次第に慣れてきた熊本が、WBを前に出してハイプレスを見せるようになり山形のビルドアップを規制。
また自身でのビルドアップも、伊東が降りてボールを受けるようになり流動化させんとします。
27分、上村周が前に出て縦パスをカット、そのまま速攻に入り右から大本が低いクロス。
これをニアで大崎が合わせシュートするも、GK後藤雅にキャッチされ先制ならず。
前節(徳島戦、2-1)プロ初ゴールを挙げた大崎、これでこの日もゴールという結果に向かう勢いが付き。
29分には豊田がカットしたボールを拾うとそのままドリブルに入り、西村をブリッジ気味にかわして一気にエリア内を突かんとするもGK後藤雅に抑えられ。
32分には中盤から上村周が一気に右ポケットへスルーパス、走り込んでダイレクトで撃ちにいった大崎でしたがゴール左へ大きく逸れ。

立ち上がりの勢いを失った山形は、次第に熊本のハイプレスにも苦しめら、後方から逃げのロングパスを強いられる状況に。
後藤優が交錯で痛むシーンも複数回起こるなど、ペースを取り戻さんとしても果たせずに時間を浪費していきます。
対する熊本も、それにより山形が後ろで構えるようになると攻めきれない流れとなり。
中盤からのフリーキックでも放り込みを選択するようになるなど、停滞感が蔓延し始め。

そのままアディショナルタイムに入り、熊本はGK佐藤優のロングフィードからの攻め、頭で合わせた大崎が自ら拾い右サイドで溜めを作り。
そしてパスワークで逆サイドへ運び、岩下が左ポケットを突く好機となるも西村に蓋をされて撃てず。
良い守備対応をした山形は、敵陣でボール奪取した小西が(伊東に)反則を受けてFKに。
右ワイド遠目という位置でキッカー後藤優はクロスを選択し、中央ややニア寄りに上がったボールを、西村がヘッドで合わせましたがGK佐藤優がセーブ。
CKで継続か、という所でしたが許されず、ここで前半終了の笛が吹かれます。

ボールポゼッションのぶつかり合い、といった前半の試合絵図でしたが、全体やや遅れを取った感のある山形。
そのため後半開始からギアを上げ、激しく攻め上がります。

後半2~3分、吉田が一気に左ポケットへロングパスを送り、走り込んだ後藤優が奥からラフにクロス。
これは跳ね返されるも岡本が拾い継続、敵陣でポゼッションを高めながらエリア内を窺うという攻撃に。
イサカが2度エリア内を突く場面を作ったものの、デイフェンスに阻まれ実らず。

しかしその圧力か、熊本は自陣でパスミスが目立つようになり、それによりさらに攻撃機会を重ねる山形。
4分にはこぼれ球を拾った岡本から速攻を選択し、スルーパスの連続で右奥を突いた末にイサカがグラウンダーでクロス。
これをニアで藤本がフリック気味に合わせ、対角線の軌道でファーを襲ったもののゴール左へ外れ。

この状況をモノにしたかった山形ですが、同時に前半の「遅攻同士のぶつかり合い」を崩す結果にもなり。
そして焦りの方が噴出してしまったか、7分左から吉田のアーリークロスに対し、合わせにいった藤本とイサカが被った結果頭部同士で激突してしまい。
両者とも起き上がり無事に継続したものの、藤本の方はダメージが大きかったようで、その後脳震盪による交代が取られる事となり。

これを境に山形は再びテンションを落ち着かせ。
13分に熊本の攻撃を浴び(スルーパスを受けた藤井が右ポケット奥からクロス気味にシュート、ゴールバー直撃)たのち、14分にGK後藤雅から組み立てる本来の姿による攻撃。
プレッシングを後藤雅のフィードでいなすと、左→右へとサイドを振りながらパスワークで前進し、イサカの右からのカットインが防がれるも中央で氣田が拾う好機。
そしてエリア内へ縦パス→後藤優のポストプレイを経てミドルシュートを放った氣田、江崎がブロックした跳ね返りをさらに藤本がシュートしましたが、枠外となり決められません。
この直後に、前述の通り藤本が退く事となり。(高橋と交代・同時に氣田→坂本に交代)

相手が動いた事で、熊本サイドも藤井→小長谷へ交代と動き始め。(18分)
負傷離脱から復帰したら、基本フォーメーションが変わっていたという状況を強いられた小長谷、この日はその後プレースキッカーを務める事が中心となり。

山形は前述のようにGK後藤雅を中心に後方で繋いでからのフィード、という手法で組み立てるものの、一転して中々攻撃機会を得れない時間帯に突入。
一方の熊本も、伊東を中盤の中継点として前進を果たしたい狙いは伺えましたが、好機は外回りからのサイド攻撃に終始。
膠着感が露わとなるなか、26分に山形ベンチは後藤優・イサカ→國分・杉山へと2枚替え。
熊本もそれを見てから動くというパターンで、31分に大本・伊東・大崎→阿部・石川・べジョンミンと3枚替えを敢行します。

このベンチワークを経て優勢に立ったのは熊本で、32分左から大西がアーリークロスを送ると、ニアでべジョンミンが胸トラップして浮かぶボール。
こぼれ球をワイドで拾った小長谷が杉山に倒された事でFKとなると、クロスが濃厚という位置ながらキッカー小長谷は右足でゴールに向かうボールを入れ。
これがクリアされて左CKとなると、さらに小長谷は直接ゴール狙いを含んだクロスを送る(GK後藤雅キャッチ)など、セットプレーでもダイレクトでゴールを狙う事でプレッシャーを与え。
続く34分には、山形の得意手であるGK後藤雅のフィードを阿部がカットして反撃に入るなど、交代で好循環が生まれつつあり。

一方、坂本・杉山の元熊本勢が揃い踏みとなった山形。
38分にその杉山に決定機が訪れ、左からの吉田のクロスが跳ね返されるも中央で拾って継続。
そして小西エリア内へ縦パス→高橋ポストプレイでフリーの杉山がシュートチャンスとなりましたが、ダイレクトで放った杉山のシュートは浮いてしまい枠外に。
古巣相手(一部サポーターからブーイングも上がっていた)で遠慮した……という訳では無いでしょうが、試合を決める事は出来ませんでした。
直後に山形は最後の交代、岡本・南→川井・松本へと2枚替え。
脳震盪による交代も絡んだため、6人全員(GK以外)投入する運びとなり。

終盤を迎え、お互い間延びも目立つようになる中、繰り広げられる精神力勝負。
42分、前に出て高橋からボール奪取した江﨑、そのまま左サイドに張り出して自ら持ち運び。
プレスバックにいった高橋が後ろから倒す格好となって反則・警告となり、再び左ワイドからのFKを得た熊本。
キッカー小長谷は先程と同様ゴールへ向かうボールを蹴り、ゴール上部を襲ったもののGK後藤雅のセーブに阻まれ。
その後の右CKでも、今度はキッカー豊田がゴール狙いの軌道で蹴る(上へ大きく外れる)など、「一発で決められるならば決めてしまいたい」という思惑も伺える攻撃。
後半追い風となったのもあるでしょうが、普段細かく繋ぐ熊本でもこうした思考に陥る辺りが、一つの勝ち点がシビアとなるサッカーという競技でしょうか。

そして迎えたAT。
山形は自陣から國分のスルーパスで一気に裏を突きに掛かり、クリアされ右スローインとなると川井がロングスローを入れる体勢に。
ロングスローで始まりロングスローで終わる、といったこの日の山形の攻撃でしたが、実際その通りになるとはこの時思いもよらず。
投げ込まれたボールは跳ね返されるも、確保した小西はクロスでは無く、右ポケットへのミドルパスでスペースを突き。
これを奥で受けた安部、キープする所に防がんと突き出された江﨑の足が、削ってしまう格好となり倒れ込む安部。
すかさず主審の笛が鳴って反則・PK獲得と、熊本サイドにとっては納得し難い判定となりましたが、モロに接触してしまった以上言い訳は利かず。
勝ち点を左右するものなったこのPK、キッカーは高橋が務め、ワンフェイクを入れてゴール左へとシュート。
GK佐藤優が届かない位置へとしっかり決め、土壇場で山形がリードを奪いました。

反撃の時間も殆ど無く、アバウトな攻めを余儀なくされる熊本。
それにより先程敵陣エリア内で痛んだ安部が、今度は自陣でべジョンミンとの競り合いで倒れる事を余儀なくされるという珍妙な絵図も生まれ。
結局ボール確保して時間を使った山形が、そのまま逃げきる事となりました。

これで6試合ぶりの勝利と、何とか負の流れを堰き止めた山形。
目標の優勝には周回遅れとなった感が否めませんが、次は好転させるフェイズに入る事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦 アル・アインFCvs横浜F・マリノス

2024-05-28 16:01:31 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • アルアインのホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • アルアインの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • マリノスのACL仕様の背番号は、ポープ(本来は1)・マテウス(11)・ロペス(10)の3人。

横浜Mベンチメンバー= GK飯倉 GK白坂 エドゥアルド 加藤蓮 加藤聖 井上 水沼 山根 榊原 天野 山村 宮市

前回のACLの記事 -決勝第1戦・横浜Mvsアルアイン(2-1)


最終決戦の地は、UAE国内のアル・アイン、ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム。
マリノスにとっては当然ながら完全アウェイという環境で、それを防がんと約2000人ものサポーターがその場に集結。
相手の(というか、UAEのサッカー自体の?)応援スタイルが「チャントを長々と歌い続ける」というものでなかった事もあり、数的に不利ながらその声援を響き渡らせるなど、戦いの雰囲気は作り出せていたでしょうか。(絶対に無いが、これが相手が浦和とかだったらどうか?)

1戦目で敗れたアルアインは、布陣・ポジション共に微調整。
攻撃的に映る4-1-2-3に変えるとともに、サイドバックのキャプテン・アルアフバビが逆サイドに。
そして左SBに入ったジュマは(放送席曰く)本来のレギュラーでは無いとの事でしたが、この選択がどうなるか。(とはいってもレギュラーのエリキがベンチ外なため止むを得ず、という可能性が高い)
前線のメンバーもポジション変更が目立ちますが、元々流動的に動くスタイルなため特に支障は無く。

最初に好機に持ち込んだのはマリノスで、前半2分に植中のボール奪取からポゼッションを確保したうえで、右サイドをマテウスが抉るという得意手。
ここから右スローインとなり、直接エリア内のロペスに投げ入れられると、ボールキープを経て多少強引ながらシュート(GKエイサキャッチ)とフィニッシュで終わらせます。

追う立場のアルアインは、1戦目同様にFWラヒミの個人能力を活かした攻撃。
つまりはマリノスを引き込んでの裏狙いで、スピードのみならず、浮き球のパスでもヘッドで合わせてしっかり収める(前半4分)その実力で雰囲気を作ります。

そして8分、ゴールキックから地上で繋ぐアルアイン、クアディオのロングパスが上島と交錯して倒れるラヒミを越えてパラシオスの下に。
彼の持ち運びは遮断されるも、こぼれ球をワンタッチでナデルが縦パスを送り、これがラヒミに渡った事でカウンターに近い状況に。
ラヒミは得意のドリブルを経てエリア手前で溜めを作ってのスルーパスを出すと、追い越したナデルのヒールでのポストプレイから自らシュートを放ちます。
先読みで飛び付いたGKポープの腕の下を通し、ゴールネットに突き刺し先制に成功。
早々にビハインドを打ち消したアルアイン。

早くもアドバンテージが消えてしまったマリノス。
立ち上がりから、バチバチのデュエルが起こっても笛を鳴らさない審判団に対し、ハリー・キューウェル監督の異議も目立つなど不安ぶりを醸し出し。
14分には敵陣浅めで好機を作らんとする所、マテウス→エウベルのパスが主審に当たって途切れてしまう等、流れの中でも運に恵まれません。
それを変えんと、17分にはGKエイサの縦パスをカットした松原がそのままミドルシュートを放ち、GKエイサがセーブしてコーナーキックと際どいフィニッシュ。
18分の2本目のCKからもミドルシュートを放った松原、1戦目の代役キャプテンとして纏め役を担ったその存在感は健在であり。

一方のアルアイン、ラヒミの能力でマリノスの後方を脅かすその立ち回りにブレは無く。
マリノスディフェンスと徹底抗戦を選ぶその体勢に、激しいデュエルも厭わないという感じのラヒミ。
19分には畠中のチャージを受けてヒートアップを見せるなど、精神戦でもやり合う姿勢で少しずつ相手にプレッシャーを与えていたでしょうか。

何とかもう一度リードを奪いたいマリノスは、相手がカウンター主体なのもあり敵陣でサッカーを展開する時間も増え。
26分にエウベルが中央を持ち運び、ディフェンスに遭うも右サイドで継続し、奥を取った松原がポケットへのパス。
これをマテウスがスルーし、その後方で渡辺皓がシュートを放つもGKエイサがキャッチ。
相変わらずアタッキングサードでの仕掛けは早いマリノスですが、GKを脅かす際どいフィニッシュは中々放つ事が出来ず。

そうなると、再び火を噴くアルアインのカウンター。
29分、敵陣でのサイドチェンジがアルハシェミにカットされると、拾ったアルアフバビが持ち運びから例によってラヒミへスルーパス。
エリア内で受けたラヒミに対し、必死で防ぎにいった畠中が脚でのチャージで倒す格好となってしまいます。
激しく転がったラヒミに対し、最初はシミュレーションの反則という判定が下される(警告も出る)ものの、VARチェックに入ると雰囲気は一変。
そのままOFRに持ち込まれ、徐々に騒然となるスタンドの中で行われる主審のチェック。
そして判定が変わり畠中の反則で、エリア内のためPKという結果が齎され。(警告は取り消しに)
一転して大ピンチとなったマリノス、防がんとしたGKポープは、キッカー・ロメロの右へのグラウンダーのシュートを読んで必死に飛びつき。
しかしあまりにもコースが良すぎ、無情にもゴール右隅へ突き刺さります。

これで逆転となったアルアイン、ホーム故にそのボルテージも最高潮に。
前掛かりにならざるを得ないマリノスに対し、その後も裏狙いでの攻撃で、その雰囲気を固めんと立ち回ります。

しかし八面六臂の活躍を見せるラヒミ、その負担も増大であり、38分に足を痛めた事で一旦ピッチ外へ。
40分に復帰すると、そのラヒミに一気にボールを届けんとしたアルアインでしたがこれを上島が遮断したマリノス。
拾い直し、浮き球をコントロールし最終ラインに戻した所でプレッシャーを掛けると、マテウスがクアディオからボール奪取に成功して一転して絶好機に。
そしてポケットに進入したマテウス、切り返しを経て放たれたシュートがGKエイサの腕を掠めて左サイドネットに突き刺さります。
追い付いたマリノス、キューウェル監督の派手なガッツポーズとともに反攻の雰囲気を高め。

その後は、アルアインが右ポケットを突いてCKに持ち込んだ(42~43分)のち、マリノスがマテウス・エウベルがともにシュートを放つ(45分)という具合に一進一退。
VARチェックと、度重なるラヒミが倒れたシーンによりアディショナルタイムは10分という長丁場となり。
そしてその中で波乱は起こります。

アルアインの裏狙いは続き、右ポケットを突いたラヒミからの戻しをパラシオスがシュートする(GKポープキャッチ)等有効打に繋がり。
一方マリノスも、相手のクリアボールをマテウスがダイレクトでスルーパス、受けたロペスのエリア内からのシュートをGKエイサが足でセーブ。

フィニッシュが交錯する、どちらに転ぶか未だ不透明という流れでそれは発生。
こぼれ球を左サイドで拾ったM・アルバルーシ、そのまま前線へミドルパスを送ると、カットに出た上島・ターゲットのパラシオスともに触れず(後者はスルーの可能性大)に走り込むラヒミの下へ。
ここでポストプレイを選択したラヒミ、パラシオス→ロメロと経由して再度スルーパスを受け直す状況となり、完全フリーという絵図なため前に出て阻まんとしたGKポープ。
これが最悪の結果を招き、ワントラップで抜け出さんとしたラヒミを倒してしまう格好となり、すかさず反則の笛が鳴り響き。
そしてポープに対し突き出される赤色のカード。
飛び出したためPKにはならなかったものの、準決勝に引き続いて同点で数的不利という状態に陥ってしまいます。
なお映像で見た限りではポープはラヒミに触れていなかったものの、オブストラクション的に立ちはだかっていた(一応足自体は引っ込めていたっぽかったが)事により、ラヒミ側が倒れるしかない状態という主審の判断だったでしょうか。

緊急的にGK白坂がエウベルに代わって投入され、何とかATの残りを凌がんとするマリノス。
自身、白坂はJFL(Honda)時代に厚別で観ていた事もあり、懐かしいという感情が沸き起こったものの状況がそれを許さず。
時を経てACL決勝の大舞台で投入される、運命の悪戯。

この反則で得た、エリアからすぐ手前という位置でのアルアインの直接フリーキック、キッカー・ロメロのシュートはゴール上へと外れ。
その後もエリア内からM・アルバルーシのシュート(畠中がブロック)など好機を作り続けるアルアインでしたが、3点目は奪えず。
マリノスにとっては命辛々、といった前半終了となりました。

この大会最後のハーフタイムは、緊急事態による微調整の時間となったマリノス。
出された選択は、植中→榊原へ交代するとともに、ロペス・マテウスの2トップとした4-3-2という布陣。
カウンターの可能性を保ちつつ、不利な状況を凌ぐという準決勝第2戦と同様のものでした。

そして始まった後半。
数的優位のアルアイン、必然というべきか、前半のカウンター狙いから一変。
自らボールを握り、ひたすらマリノスの守備ブロックの外でパスを繋ぐ状況を増やします。

対するマリノス、後半3分にゴールキックでGK白坂ロングフィード→ロペスフリックで一気にマテウスがエリア内を突かんとする攻め。
これで左CKを得るという具合に、ボールとゲームを支配するアルアインに対し一矢を放たんとする立ち回り。

アルアインの攻撃ですが、もっとポケットを突きにいくかと思われましたが、ワイドからのクロスが中心となり。
12分にはその右からのロメロのクロスで、手前で畠中がクリアしたボールがゴール方向へ。
そしてバーを叩くという具合に、リスクを掛けずのミス待ちだった風がありました。

しかし直後の13分にベンチが動き、ジュマ→ラバへと交代。
これでラヒミ・ラバの2トップといった布陣になり、空いた左SBにはM・アルバルーシが回り。
最終ラインが3バック気味になったり、ラヒミがウイング気味にプレーするなど一層流動性は高まった感がありました。

ひたすら押し込まれながらも、フィニッシュは7分のジュマのミドルシュート(枠外)のみに抑えていたマリノス。
しかし蓄積されるダメージを隠す事は出来ず、15分にはセンターバックの畠中が足を痛めてしまい続行不可能に。
投入されたのは、同じく準決勝で足を痛めて途中交代したエドゥアルド。
同時に喜田→山根へと交代し、キャプテンマークはエドゥアルドが付ける事となりました。

アルアインは20分、長いポゼッションを経てナデルがドリブルで右ポケットを突き。
ここからの攻めは遮断されるもロメロのミドルシュートに繋がり(ブロックされCKに)、満身創痍の相手に対しここでポケットを突く攻めを見せ始める、優位な立場故の振る舞いだったでしょうか。

そして22分、再び長いパスワークを経て、今度は右からアルアフバビのクロス。
ニアでラバがボレーで撃ちにいくもこぼれ、右ポケットでラヒミが拾うという2トップの強みが表れると、切り返しからシュートを放ったラヒミ。
これがGK白坂のニアを破ってゴールに突き刺さり、アルアインにとって待望の勝ち越し点が齎されます。
大興奮となるアルアインサイド、ゴールしたラヒミもユニフォームを脱いでその感情をアピールし。(当然ながら警告)

奮戦空しく、とうとうリードされてしまったマリノス。
追い掛ける立場となったものの、数的不利故に無闇に攻め上がる訳にはいかず。
26分にこぼれ球を拾ったエドゥアルドですが、そのまま浮き球のコントロールを経て遠目からシュートを放つ(枠外)という具合に、後ろから押し上げようとしてもこうして無理目なプレーをするしかない状態であり。

逆に31分、マリノスのボールロストから矢印を反転させるアルアイン、敵陣に運んでボール保持の体勢に。
ここでもポケットを突きに掛かり、ラヒミの右ポケットへの縦パスを受けたロメロがクロス、このグラウンダーのボールをラバがヒールで合わせる心憎いシュート。
GK白坂の股を破ってゴールネットを揺らしましたが、これはロメロのオフサイドを取られて追加点とならず。

一向に反撃のチャンを得られないマリノス、33分にマテウス→宮市へと交代。
彼の裏抜けを狙うものの、形にならずにただ裏へボールを送るという絵図が膨らみ。
その後は松原のロングスローも絡めますが、依然として苦境を変えられません。

盤石といったアルアインも、36分にMアルバルーシが足を攣らせてしまい続行不可能に。
バルマンを投入して破綻を防いだものの、42分に今度はラヒミ・ナデルの2名が同時に足を攣らせる事態となり、大舞台が招くダメージは深刻に。
そしてベンチは、ラヒミをそのまま継続させる事を選択し、ナデル→輪リードへの交代のみ。(44分)
ラヒミの存在感を最後まで残しておきたかったのでしょうが、流石にその後のラヒミは右サイド・下がり目の位置でのプレーに終始します。

しかしATに突入してすぐ、クアディオのヘッドでのクリアをラバがレイオフしたボールを、すかさずスルーパスを送ったラヒミ。
右ポケットを突いたこのパスにラバが走り込むのに対し、前に出てクリアの体勢に入るGK白坂。
しかしラバの強烈な走り込みを見て、切り返してのボール確保という選択肢が頭を過ったか、触れられず走りを止めなかったラバに追い抜かれ拾われてしまいます。
そして無人のゴールに悠々と蹴り込むラバ、マリノスにとっては致命的な追加点がアルアインに齎され。
厚別での試合の際も、札幌に同点に追いつかれたのちキックミスが目立っていた白坂。
その地の力の緩さが、最後の最後で露わになってしまったでしょうか。

後半のATも前半同様10分となるも、既に絶望的という状況のマリノス。
キックオフの前に再度倒れ込むラヒミに対し、遅延行為アピール混じりの異議を響かせるキューウェル監督に対し警告が付き出されるなど、イライラも募る状態を強いられ。

諦めずに前掛かりの姿勢を見せるマリノスに対し、尚もその背後を突きに掛かるアルアイン。
アルハシェミのラフなロングパスから、その跳ね返りをワンタッチで繋いでいき、収めたラバがエリア内中央を突く好機に持ち込み。
そして左への横パスから、受けたパラシオスがシュートを放つと、前に抜け出しコースを変えたラバがゴールを揺らします。
止めの止めという5点目で、栄冠の瞬間は既に揺るぎ無いものに。

意地を見せたいマリノスは、その後エドゥアルドのクリアに入れ替わったロペスが左ポケットを突く好機。
そしてカットインから放たれたシュート、GKエイサのセーブによるこぼれ球がゴールへ向かったものの、ライン寸前でバルマンが掻き出してゴールならず。
守備でも1点もののプレーで、スタンドのボルテージを上げるアルアイン。

最後にはアルアフバビが足を攣らせる状況も生まれながら、とうとう試合終了の笛が吹かれ。
思わぬといった2戦目のスコアにより、総計6-3で勝利したアルアインが優勝という結果になりました。

一方願い空しく……という結果のマリノス。
前回の冒頭で述べた通り、この大舞台を岡田武史監督の時代に経験出来ていたら、と考えてしまいますがそれは結果論であり。
過密日程を強いられ、既にリーグ戦も苦戦が続いているのが現状ですが、何とか再び同じ舞台に挑んで貰いたいものです。

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